bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

極限-錐

1.4 錐 これまで、2回にわたって、圏論での極限の具体的な例を示してきた。そこでは、二つの対象\(A\),\(B\)とその極限\(A \times B\)ということで説明をした。また、極限は、ある条件を満たすものの中で最も良いものといういい方もした。また、ある条件…

極限-例:最大公約数

1.3 最大公約数 前回の記事では、集合を利用して、圏論での積を説明した。また、積の普遍性についても説明した。これらをさらに進めると、極限になる。しかし、もう少し例を挙げて、極限の説明をするための準備をすることにしよう。ここでは、集合から離…

コテージパイ - ひき肉料理をポテトでトッピングしたイギリス家庭料理

今日、紹介する料理は、イギリスの伝統的な家庭料理、コテージパイ(Cottage Pie)だ。ウィキペディアによれば、この名前が使われるようになったのは1791年で、このころ、ジャガイモが貧困層でも利用できるようになった。ジャガイモは、ペルー南部のチチカカ湖…

極限-圏論の積

プログラマのための圏論(初級編)では、自然変換まで説明した。ここまで理解すると本当の意味で圏論を自由に扱えるようになる。上級編では、これまでの理解を踏まえて、さらに圏論の奥義を学ぶことにしよう。 1.極限 圏論の特徴は抽象階層だと思う。圏は、…

縄文時代のモラルと家族システム

神奈川歴史研究会の9月の例会で発表した報告書を転載します。縄文時代のモラルがどのように形成され、どのような家族システムを構築したかについて論じています。

弥生時代の土偶形容器を横浜市歴史博物館に見学に行く

文明の衝突は社会を激震する。律令制や明治維新はその代表的なものだが、弥生時代の到来もそれに劣らない文明の衝突であった。弥生時代に先立つのは縄文時代である。この時代は、1万年もの長きにわたって続き、人々は狩猟採集の定住生活を享受していた。この…

都内世田谷区の荏原台古墳群を訪れる

11月3日は晴れの日が多い特異日である。この日は雨が降ると天気予報ではずっと伝えられていたが、前の日になって、急に晴天になると変更された。そのとおり、雲一つない素晴らしい日になったので、前の日の埼玉古墳群に続いて、荏原台古墳群を訪れた。 訪問…

全国有数規模の埼玉古墳群を訪れる

弥生時代の遺跡を2か所ほど立て続けに訪問したので、それに続く、古墳時代の遺跡を訪ねることにした。 この時代の象徴的な墓は前方後円墳である。前方後円墳と言えば、近畿地方と思いがちだがそうではない。全国に広がっていて、関東地方にもたくさん存在す…

東海地方の人びとが通り抜けた弥生時代の神崎遺跡を訪ねる

弥生時代後期の相模の国(神奈川県西部)の遺跡では、東海地方の特徴を持つ土器が多く発見され、この地方との文化的な交流や人的な移動があったことをうかがわせる。特に、神崎遺跡はその傾向が顕著で、東海地方の人々が、200Kmという海路を渡ってきたと見なさ…

海老名市温故館に「弥生時代のムラ」を見に行く

台風一過のこの日(10月30日)、恵まれた天気の中、神奈川県海老名市の温故館を訪れた。温故館の建物は、大正17年に海老名村役場庁舎として建てられたものを、相模国分寺跡後に移築されたものだ(移築は平成22年に始まり完成したのは翌年)。木造建築で、窓枠の…

日の名残り―The remains of the day

今日、紹介する映画は、『日の名残り』(The Remains of the day)だ。今年度のノーベル文学賞に輝いたカズオ・イシグロの同名の小説を映画化したものだ。1993年の作品で、アカデミー賞の8部門にノミネートされたが、残念ながら、受賞には至らなかった。ちなみ…

プログラマーのための圏論(下)

『プログラマのための圏論』は(上・中)の後の部分をまとめ(下)にしてPDFファイルにしました。参考にしてください。なお、(上)のホームページはこちら。 (中)のホームページはこちら。

モナドの応用

最後に ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授が一般読者向けに著述した『ファスト&スロー』を読んだ。本のタイトルからは内容はつかみにくい。副題は「あなたの意志はどのように決まるか?」となっているので、脳科学の本かなと思い違いして…

モノイドーモノイド圏での記述

13.4 モノイド圏での記述 前回の記事で、二項演算を表すための小さい圏の圏(category of small categories)を次のように表した。 この図において、\(f,g\)や\(M(f),M(g)\)などは小さい圏の圏の構成要素には含まれていないので、これを省略することにしよ…

モノイドー小さい圏の圏での記述

13.3 小さい圏の圏での記述 これまで、算数で最初に学んだ加算・乗算に代表されるモノイドと呼ばれる二項演算を、圏論でどのように記述したらよいのかについて話を進めてきた。即ち、アセンブラ言語でのように処理を具体的に記述するのではなく、高級言…

モノイドー代数学から圏論へ

13.2 代数学から圏論へ モノイドになれたところで、モノイドを代数学での定義から始めて圏論での定義へと段々に抽象化してみよう。丁度、プログラミングで、アセンブリ言語での記述から高級言語での記述に変えていくことに相当する。 1) 代数学での定…

三河国分寺・尼寺と豊川稲荷を訪ねる

秋分の日(23日)は、三河国分寺・尼寺を訪ねた。741年に聖武天皇が全国の国々に国分寺と国分尼寺を建立するようにとの詔を発した。三河の国は、この当時の中心的な地域であったのだろう、豊川の地に二つの寺が建立された。三河国分寺・尼寺は、豊川市の国府に…

縄文時代後期、最も多数の人骨が発見された吉胡貝塚を訪ねる

先週、息子のところに孫が生まれたので、赤ちゃんを見がてら愛知県の三河地方を訪れた。以前から訪問したいと思っていた吉胡(よしご)貝塚には、9月22日に足を運んだ。この貝塚は、大正11,12年に京都大学の清野謙次教授により、300体を超える人骨が発見され…

モノイドーHaskellでの表現

13.モノイド モノイド圏は、集合の要素を射に、二項演算子を射の合成に、そして、単位元を恒等射にし、結合律、単位律が成り立っているものをいう。例えば、整数の乗算の場合には、 1) 対象:シングルトン(通常星印で表される) 2) 射:整数 3) ドメイン、…

横浜:吉田新田を訪ねる

今回(19日)は、江戸時代の初めに開発された吉田新田の跡を訪ねた。この場所は、明治になると伊勢佐木町を中心に日本でも有数の商業地として栄えることとなる。しかし、戦国時代が終わり、江戸幕府が開かれたころは、大きな入り海だった。横浜には、関内と関…

キャスト・アウェイ (Cast Away) - 4年間の無人島での漂流生活の後に彼を待ち受けていた不条理な運命!

今回紹介する映画は2000年制作のトム・ハンクス演ずるキャスト・アウェイだ。俳優の役作りはすごいなあと感じさせられる時がある。この映画もその一つだ。映画が始まるとすぐに、宅急便のトラックからトム・ハンクス扮するチャックが下りてくるが、こんなに…

モナドと自然変換

12.圏論でのモナド Haskellでのモナドについて論じてきたが、モナドは圏論の中の一つの圏でもある。そこで、ここではモナドが圏となるための条件を求めて見よう。圏論においては自然変換は重要な役割をなすが、モナドは自然変換が主要な枠組みとなってい…

横浜関内の歴史的建築を訪ねる

9月1日は東京や横浜に住んでいる人々にとっては忘れてはならない日だ。94年前(大正12年)のこの日、関東大震災が発生した。地震の規模はマグニチュード7.9、東京・横浜の震度は6だ。発生した時間は11時58分、丁度お昼時だ。震源地は相模湾で、震源に近かった…

ビフォア・サンセット(Before Sunset)-9年後の再開

ビフォア・サンセットは、恋人までの距離(Before Sunrise)の続編で、9年後に作られた。 前作で、イーサン・ホークが演ずるアメリカ人青年ジェシーと、ジュリー・デルビーが演ずるフランス人女性セリーヌは、ブタペストからウィーンに向かう国際列車の中で出…

通常のプログラムをHaskellで記述する(5)

子供の頃に喉から手が出るほどに欲しかったものを多くの人は覚えているだろう。それも自分の小遣いでは到底手が届かないほど高値のものを切望したのではないだろうか。デパートと言われるものが全盛だった頃、おもちゃ売り場は何とも楽しい場所だった。その…

バターナッツかぼちゃの美しい姿を楽しめるローストに挑戦

お店でバターナッツかぼちゃを見つけた。昨年はハローウィンの頃だったので、今年は随分と店に出てくるのが早い。 前回はこれを用いてポタージュを作った。形が変わっているので、料理を作っているときは、みんなの興味を引いたが、いざ、出来上がってみると…

通常のプログラムをHaskellで記述する(4)

プログラムを書いているときに記憶力を疑うことが多い。プログラミングの経験が豊富なのだから、何も参考にすることなく、画面にプログラムを打ち込んでいけるのだろうと思われることも多いし、自分でもそう思っている。しかし、いざプログラムを打ち込む段…

通常のプログラムをHaskellで記述する(3)

11.3 状態を表現するための準備をする Haskellで状態を表すための準備をしよう。入力\(a\) を受けてその結果得られた状態\(s\)をタプル\( (a, s) \)であらわすことにしよう。Hskellでプログラムを書くときは、しっかりと腰を据えて考えることが必要であ…

通常のプログラムをHaskellで記述する(2)

最近、進化心理学の本を立て続けに読んだが、その中で最も優れていると感じたのは、ジョシュア・グリーン(Joshua Green)の『モラル・トライブズ』であった。 グリーンは高校生のとき、弁論部に属していたそうだ。対抗戦の弁論大会で、彼は「功利主義(utilita…

通常のプログラムをHaskellで記述する(1)

11.通常のプログラムをHaskellで記述する モナドの大きな目的は手続き型プログラミング言語で書かれたプログラムを副作用のない純関数型のプログラムで記述できるようにすることである。通常のプログラミング言語は多くの場合手続きが他である。これには…