bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

プログラマーのための圏論 (上級編)

極限-錐と極限の抽象化

1.6 錐と極限の抽象化 前回の記事までで、インデックス圏を用いての粋と極限の求め方を説明してきた。その中では、インデックス圏から粋を作成しようとしている圏へ、三角形のまま移す関手と、一点にまとめる関手を用意した。前者は錐の底辺を形成し、後…

極限-極限の定義

1.5 極限の定義 前回の記事で、インデックス圏から錐を作成する方法を示した。 上図で、関手\(D\)によって、インデックス圏\(\mathcal{I}\)での三角形(頂点が対象、辺が射)が、圏\(\mathcal{C}\)に移され、これから作成される(三角)錐の底辺を形成する。…

極限-錐

1.4 錐 これまで、2回にわたって、圏論での極限の具体的な例を示してきた。そこでは、二つの対象\(A\),\(B\)とその極限\(A \times B\)ということで説明をした。また、極限は、ある条件を満たすものの中で最も良いものといういい方もした。また、ある条件…

極限-例:最大公約数

1.3 最大公約数 前回の記事では、集合を利用して、圏論での積を説明した。また、積の普遍性についても説明した。これらをさらに進めると、極限になる。しかし、もう少し例を挙げて、極限の説明をするための準備をすることにしよう。ここでは、集合から離…

極限-圏論の積

プログラマのための圏論(初級編)では、自然変換まで説明した。ここまで理解すると本当の意味で圏論を自由に扱えるようになる。上級編では、これまでの理解を踏まえて、さらに圏論の奥義を学ぶことにしよう。 1.極限 圏論の特徴は抽象階層だと思う。圏は、…