bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

松代で真田邸・真田家菩提寺を訪ねる

松代は、江戸時代の情緒を残す落ち着いた佇まいの素晴らしい町だ。松代城が残っていればもっと素敵なのだが、今も進んでいる復元事業に期待しよう。江戸時代には、重なる火災や洪水の惨事に遭遇し、初期の松代城の建物は早くに失われた。中頃には本丸はすで…

松代城・藩校文武学校を訪れる

クラス会は夕方からなので、午前中は空いている。それではということで、城下町の松代を訪ねることにした。この町は現在は長野市の一部になっているが、子供の頃は埴科郡松代町であった。昭和41年に合併して現在に至っている。この町の現在の人口は1.7万人弱…

長野・善光寺を訪れる

この季節は日が長い。長野に戻り、ホテルにチェックインしてしばらく休んだ後でも、陽が高かったので、善光寺詣りをすることにした。善光寺には子供の頃からたびたび訪れているので、よく知っているはずの寺だが、その由来については知らない。Wikipediaで調…

森将軍塚古墳館で大規模な竪穴式石室を見学する

古墳を見学した後は、出土品を展示している古墳館を見学した。2階の展示室に入室してまず目につくのは、中央部に設けられた大きな竪穴式石室である。古墳での埋葬方法は、竪穴式石室、粘土槨、横穴式石室など複数種類ある。竪穴式石室は、他の埋葬施設と同じ…

長野県千曲市の森将軍塚古墳を訪れる

多くの人がコロナは収束したと思っているのだろう。そして堰を切ったように集まる機会が増えた。今回もそのひとつ。中学2年まで在籍した学校の仲間から、クラス会を開催するので参加して欲しいと連絡があった。これには高校時代と退職する頃に参加しただけで…

横浜開港とともにやってきたハード家の子孫とゆかりの地を訪ねる

カリフォルニアの友人から、知人が日本を訪れるので、案内して欲しいと依頼があった。先日、その彼女からメールがきて、日本の歴史に特別に興味を持っているという。横浜開港直後に、最初に日本を訪れた商人とゆかりがあるとも書かれていた。少し調べてみる…

江ノ電沿線巡り

4月の中頃に歴史を楽しんでいる仲間と、江ノ電沿線巡りをした。外国人の姿は多く見かけたが、まだ連休前ということもあり、日本人の観光客はそれほどではなかった。最近は、江ノ電は大変人気のある路線で、地元の人たちの利用もままならないほど、観光客で混…

スティッキオで魚介類のマリネと豚肉巻きに挑戦した

野菜に恵まれた季節なので、JAに立ち寄って珍しい食材をあさっていたら、針葉樹のように細い葉が目立つスティッキオに興味を惹かれた。ハーブの一種で、イタリア野菜のように見える。 ネットで調べると、トヨタ種苗が鱗茎があまり大きくならないように、フェ…

端午の節句に大凧まつりを見学する

相模原市で、「相模の大凧まつり」が4年ぶりに開催されていると聞いたので、見学に行った。この祭りは天保年間に始まり、大凧をあげるようになったのは明治の中頃、天保から数えると200年も続いているそうだ。当初は個人的に子供の誕生を祝って揚げられてい…

ウクライナのボルシチに共同で挑戦

久しぶりに夕飯を作った。と言っても共同作業。このところずっと、朝を作るのは私、昼と夜は妻と固定し、日常生活もそれに合わせて組み立てられている。数日前、散歩をしている時、朝の食材を得るために、通り道にあるJAに立ち寄った。珍しそうな野菜を探し…

四国・中国旅行ー縮景園

旅行を始めて6日目、最終日である。この日はバークレイ時代の友人との再会。前々から広島に行くので会おうと通知したのだが、返事がなくて諦めていた。ところが旅行を始めた数日後に、突然、電話があって、是非ということになり、旅行を一日延ばしての再会と…

四国・中国旅行―宮島

旅行5日目は宮島訪問である。案内してくれたのは、かつての職場の同僚で、私が退職した後に広島で新たな職場を獲得し、この地に移られた方。現在は日本国籍を得られているが、元は中国の人。文化大革命後の厳しい大学入学試験に勝ち抜き、英国に留学して博…

四国・中国旅行ー鳴門

旅行日4日目。愛媛・松山から徳島・鳴門まで行き、最初に鳴門海峡で渦潮を見学。満潮時と干潮時には、それぞれ、瀬戸内海と太平洋の間で、海面に高さの差が生じ、高い方から低い方へと潮が流れる。鳴門付近では、本州と四国の間に、淡路島があり、特に狭い海…

四国・中国旅行ー松山城・道後温泉

浄土寺と石手寺を参拝し、それぞれから御朱印もいただいた。午前中にはもう少しいくつかの寺をまわる予定でいたが、後半の見学が窮屈になるということで寺巡りを切り上げ、ミシュラン2つ星の評価を受けている松山城へと向かった。ここには国の重要文化財がひ…

四国・中国旅行―浄土寺・石手寺

旅行3日目午前は、たくさんの寺院をまわって御朱印集めをしようと目論んだが、あいにくの雨。ずぶ濡れになるのも嫌なので、厳選して2寺だけ見学することにした。最初は浄土寺。ウィキペディアで浄土寺は次のように紹介されている。寺伝によれば、天平勝宝年…

四国・中国旅行ー善通寺

旅行2日目の午後は善通寺市。昼食後に訪れた善通寺偕行社は、陸軍将校の親睦と研究を目的とし、社交の場として明治10年(1977)に建築された。以前滞在したオーストラリアの大学では、スタッフの社交の場としてファカルティ・クラブが設けられていて、毎金曜日…

四国・中国旅行ー金比羅神社・芝居小屋

旅行2日目午前は琴平町。宿泊した敷島館の前は、「こんぴらさん」として知られている金比羅宮に通じる参道。この神社の祭神は、大物主神と崇徳天皇である。大物主神は三輪氏の祖神。また大国主神の異名ともされている一方で、大国主神の分身として国造りに協…

四国・中国旅行―丸亀

大学時代の友人4人と四国地方を旅行、私だけさらに広島にいる友人たちを訪問、5泊6日の久しぶりの長旅をした。コロナが収まり始めてからは、カリフォルニアの友人たちは月単位で楽しんでいるので、彼らから見ると旅とは言えないほどの短さだが、それでも出発…

イラストが楽しい幕末の日記を見に行く

神奈川県立歴史博物館で、こじんまりとしているが、興味を引く展示をしている。庄内藩の武士が単身赴任で江戸に出てきているときの日記である。時は幕末、世の中は攘夷・討幕と物騒であるが、イデオロギー的な話は一切なく、江戸での勤務の様子が淡々と描か…

カリフォルニアから来た知人と小石川後楽園を楽しむ

今年の桜は、いつもよりとても早く開花したものの、天気に恵まれることが少なく、楽しむことができず、残念な思いである。カリフォルニアから知人が来日していて、桜が綺麗な一番いい時期だと紹介しておいたのだが、彼らも落胆しているのではないかと心配し…

井上浩一著『生き残った帝国ビザンティン』を読む

エマニュエル・トッドさんの家族分類を大別すると、親子だけで構成される核家族、三世代で同居する直系家族、大家族をなして男(あるいは女)の子供たちの家族全部と親が同居する共同体家族となる。家族構成の変遷は、核家族で始まり、直系家族を経て、共同体…

リチャード・フラナガン著『奥のほそ道』を読む

帰りの電車の中で、職場の同僚から「今、イギリスでは、奥のほそ道という本が評判なんです」と教えてもらったことがあった。その彼が退職することとなり、スピーチを頼まれた。話す内容を探しているときに、この話を思い出した。彼はそのときは、どの様な本…

知る人も少なくなった古刹の證菩提寺に行く

横浜市栄区にある證菩提寺は、大河ドラマの影響もあり、知る人も多くなったことだろう。ここは源頼朝との関係が深いことで有名である。彼が治承4年(1108)に兵をあげて石橋山で戦った時、この戦いに馳せ参じた真田義忠(佐奈田与一)は討死してしまう。その菩提…

都筑民家園で「雛祭り」

弥生時代の集落と墓地で構成される大塚・歳勝土遺跡公園の一角に、都筑民家園がある。この古民家を利用して、お雛様が所狭しと飾れらている。この公園は、横浜市の港北ニュータウンの中にあり、横浜市地下鉄のセンター北駅が最寄り駅である。都筑民家園に向…

あつぎ郷土博物館で「企画展 人形とともにー相模人形芝居の50年ー』を見学する

小学校の6年生ごろ、社会科の授業の一環だったのだろう。大きくはない講堂に集められて、文楽を観劇させられたことがある。三味線を伴奏に、大夫が節をつけながら語り、黒子に操られて人形が演ずるという古典芸能である。話の筋は分からなかったが、操られて…

神奈川県立歴史博物館へ「縄文人の環境適応」を観るために出かける

我々現代人は、世の中が刻々と移り変わり、うっかりしていると流れに後れを取っていることに気づかされる激動の時代を生き抜いている。これに対して縄文人は、一万年ものあいだ狩猟採集の生活をし続けたというその長さと変化のなさに驚かされる。我々から見…

日向薬師・宝城坊で初詣

今年の初詣に選んだところは、神奈川県伊勢原市にある日向薬師。神奈川県立歴史博物館には薬師如来像と両脇持像が飾られていて、その実物がこの寺院にある。薬師如来像は平安時代後期の作とされ、鉈彫という手法で作られた。ノミ跡が残る荒々しい削りで、ク…

梶谷懐・高口康太著『幸福な監視国家・中国』を読む

犯罪関係のニュースを見ていると、犯人が分かる時間がとても短くなってきたように感じられる。街のいたるところに監視カメラが設置され、犯罪が起きた場所とその周辺で撮影された映像が、画像認識システムによって瞬時に分析され、犯人が高い確率で割り出さ…

錦爽どりの丸焼きとピーナッツカボチャのスープで、豪華な歳末・年始の料理をつくろう

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。元旦の記事は、思い出になる日の特別な料理を紹介することにしよう。愛知県産の錦爽(きんそう)どりとピーナッツカボチャを使った料理である。この料理を作ったのは昨年の暮れである。と言…

中島隆博著『悪の哲学』を読む

万物の創造主は神であるとする宗教や神話は多いが、中国の人々は神に代わるものとして「気」を用いた。今日の日本語の中にも、空気・天気・気分・気配など気を用いた熟語は沢山あるが、これらの多くは「気」を語源としている。「気」は宇宙を生成・消滅・変…