bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

ハロウィン・パーティーで闊歩するバターナッツかぼちゃのポタージュ

月末はハロウィンだ。もともとは古代ケルト人の収穫を祝うお祭りのようだが、いつの間にか、日本にも定着したようで、テレビでは、連日、渋谷での警戒態勢を伝えている。

ハロウィンが近づくと、日本からルイジアナバトンルージュへ留学していた高校生が、仮装姿で間違って別の家に足を踏み入れたことで起きた悲しい事件がいつも思い出される。招待されている家だと思い込んでいた彼は、「フリーズ」と言われたのに「プリーズ」と聞き間違えたのだろう。銃を向けられていたにもかかわらず、歩き続けてしまい、射殺されてしまった。

この話は、もう4半世紀も前のことなので、ハロウィンにまつわる嫌な思い出は若いお母さんたちにはないようである。昨日出かけたショッピングセンターでは、幼稚園あるいは小学校の低学年の子供たちを伴った幾組みもの母と子が、狂騒的な声を張り上げながら、ハロウィン用の帽子を買い求めていた。

このような光景に出会って、ハロウィンが印象付けられたのだろう、食品売り場を物色している時に、カボチャ売り場で思わず足が止まった。ひときわ輝いているカボチャに出会ったからだ。他のカボチャとの差を見せつけようと、少しだけ高い場所に、しかも、竹で編んだざるの中に神々しく鎮座させられているものを発見した。

カボチャ売り場に置かれていなければ、瓢箪と間違えたであろう。形だけではなく、色も乾燥させた瓢箪とそっくりな薄い黄色だ。なんだろうと思いながら、また、どのようにして食べるのだろうと思って、あたりを見回してみたら、なんと、口上書きが添えられていた。
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名前は、バターナッツかぼちゃ。ピーナッツかぼちゃとも呼ばれるらしい。ピーナッツの殻と同じような形をしているので、このような名前がついたのだろう。しかし、ナッツというにはあまりにも大きすぎる。名はバターナッツよりも瓢箪の方がよさそうな気もする。しかし、自分の子供に可愛らしい名前を付けたがる人たちが増えた昨今では、余りにも工夫がない名前は嫌われるのであろう。そればかりではなく、味も何となく悪そうで、お客さんを惹きつけそうもない。カボチャの仲間たちに君臨するには、何とも愛らしい名前がふさわしいのであろう。

口上書きには、名前の紹介だけではなく、この後の身の振り方にも触れてあった。いたって簡単に記述されているのだが、ポタージュに変わりたいとのことだ。その儀式も一緒に書かれていた。それほど手間のかかるものではなさそうに見えたので、ハロウィンの時期の思い出として、バターナッツかぼちゃのポタージュに挑戦することとした。

買い求めたバターナッツかぼちゃはとてもいい形をしていて、コロコロとよく転がる。レジ袋に入れるときは、とても素早い動きで、テーブルから床へと逃げて行った。
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嫌がるバターナッツかぼちゃを強引に我が家に連れてきて、その美しい中身を拝見することにした。少し残酷だが、真っ二つに切り裂くことにした。かぼちゃの方は切られるのを嫌がって包丁を跳ね返すであろうから、軽く切り込みを入れて、横に滑らないように細心の注意を払いながら、垂直に力をかけて包丁に体重を乗せた。かぼちゃは、悲鳴を上げたが、その中身は、オレンジ色に近い鮮明な黄色であった。下の方は胎内なのだろう。未来の子孫が柔らかい綿でくるまれていた。
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かぼちゃの味を引き出すためには、玉ねぎをお供にするのがよい。優しく刻んで仲間に加える。
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かぼちゃと玉ねぎのペーストを作るので、かぼちゃの方は、皮をむいた後、
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1cm角程度に切り刻んだ。
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多数のコンポーネントに分かれてしまったかぼちゃと玉ねぎをお鍋に移し、さらに、美しくするために、化粧にマギーブイヨンを2個ほど加えて、25分間に煮込んだ。
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沸騰しているので、少し、冷ましてから、ミキサーにかけ、
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滑らかな肌触りのペーストへと変装させた。
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およそ半分ほどの牛乳(ペーストが1200ccほどあったので600ccの牛乳)を加え、塩と黒コショウで最後の化粧を整えた後、沸騰するまで、煮たてた。
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見事に仮装したので、オーストラリアから来た牛を伴って、ハロウィン・パーティーへ、いざ、出かけよう。
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ホテルのレストランのポタージュよりおいしかったと、歌舞いた姿が絶賛されたのは言うまでもない。