bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

サラダたまねぎでコース料理を楽しむ

春の訪れとともに、水俣の復興に協力されている方から、新玉葱が送られてくる。これは「サラダたまねぎ」という名前で売られている。その名の通り瑞々しさが売り物だ。水俣の特産品を紹介しているブログには、「サラダたまねぎは、早い時期に収穫する(極早生)品種で、温暖な水俣・芦北地方を中心に栽培されている限定品」と書かれている。

さらにブログを手繰っていくと、「安心に対するこだわり方」というコーナーに出会う。ここには、栽培基準が紹介されている。どのような農薬がどの程度使われたかが記載されている。無農薬ではないが、極力、農薬を極力使わないようにしたいという姿勢に感激する。

頭書に「水俣病を経験した水俣だからこそ、安心して食ベていただくために事実を表示しています」と書かれている。水俣病は、1950年代から60年代に発生した公害で、有機水銀食物連鎖により人の体内に摂取されたことにより生じる疾病である。1973年の認定患者は、新潟の罹患者も含めると、3000人にも及ぶ。現時点でも完全には解決しているとは言えないとても悲惨な事件である。

さて、水俣にまつわる話はこのくらいにして、サラダたまねぎを活かしてコースの料理に挑戦してみた。前菜は「シーチキンをトッピングしたサラダたまねぎステーキ」、スープは「丸ごとサラダたまねぎスープ」、主菜は「あじの塩焼き」である。

そして、白ワイン。産地は南豪州のマクラーレン・ベール、生産者はダーレンベルグ、品種はヴィオニエとマルサンヌだ。かつてオーストラリアに住んでいた時に頻繁に訪れたワイナリーだ。横浜君嶋屋のブログを見ると、「ヴィオニエは豊かな香りと果実味の中にエスニックな一面を持ち合わせた個性派。なめらかで厚みがあり、魚貝系のグリルやカレー風味ソースなどのエスニック系味付けの料理にもおすすめ。マルサンヌは緻密ながら比較的穏やかな味わいで魚料理と好相性、特にあんこう鍋などの和食と合わせると目から鱗のマリアージュ」と書いてある。今日の料理に合いそうだ。
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それぞれの料理は作り方は単純なのだが、コース料理として食膳に供するためには、うまく手順を考えないとパニック状態になる。最初にスープの作成に取り掛かる。これは出来上がった後でも弱火で温めておける。

「丸ごとサラダたまねぎスープ」の料理に使用した材料は、サラダたまねぎ2個、コンソメ2袋、黒コショウ、水1000ccだ。二人分だ。
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また、庭にあるパセリも使用した。
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今回は、3品を同時に料理したため、料理を作成しているときの写真を撮る暇がない。文章だけで勘弁して欲しい。
鍋に水、表面の皮をむいたサラダたまねぎ、コンソメを入れて蓋をし、強火にして沸騰させる。その後、水があふれてこないように中火あるいは弱火にして、30分ほど煮る。これで終わりである。あとは出番が来るまで、冷めないように弱火で温め続ける。

「丸ごとサラダたまねぎスープ」の料理に使用した材料は、サラダたまねぎ1個、シーチキン2缶、マヨネーズ、モッツァレラチーズ、塩、胡椒である。
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サラダたまねぎを4等分に輪切りする。シーチキンは油を切った後、マヨネーズを加えて混ぜる。マヨネーズの量は味を見ながら調整する。フライパンにオリーブオイルをひき、輪切りにしたたまねぎの両面を、塩・胡椒をして、少し焦げる程度に焼く。そのあと、フライパンから取り出し、マヨネーズと混ぜたシーチキンをのせる。さらに、モッツァレラチーズを表面が隠れる程度に乗せる。オーブントースターでチーズをとろけさせるために10分ほど温める。出来上がった時が、食卓に供する時間となる。

あじは、多くの場合下ごしらえしてあるので、塩をまぶしてそのまま焼けばよい。しかし、今回、味を購入した店は安売りが売り物のお店なので下ごしらえをしてくれない。そこで、内臓を取り出し、ぜいごと呼ばれるかたいうろこを取る。その後、塩をまぶしてグリルで焼く。残念ながら写真はない。

前菜はこのような感じ。
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そして、スープは次のよう。黒胡椒をまぶし、パセリを加えて食卓に供した。
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最後は主菜。残念だが写真はない。想像の世界だ。

サラダたまねぎ満載のコース料理であった。準備している段階で、サラダたまねぎの量が多すぎるかなと懸念したが、前菜もスープも新鮮で瑞々しいサラダたまねぎを堪能することができた。不要な懸念であった。