bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

随伴関手の応用 - モナドとしての随伴関手

8.7 モナドとしての随伴関手

今回は、随伴がモナドであることを示そう。

二つの局所的に小さな圏\(\mathcal{C},\mathcal{D}\)において、関手の対\(R: \mathcal{C} \rightarrow \mathcal{D}, L: \mathcal{D} \rightarrow \mathcal{C}\)が次の条件を満たす時、随伴であった。

\begin{eqnarray}
\mu & :& I_\mathcal{D} \rightarrow R \circ L \\
\xi &:& L \circ R \rightarrow I_\mathcal{C}
\end{eqnarray}

モナドであるための条件は、\(return\)と\(join\)という関数を有することである。すなわち、
\begin{eqnarray}
return & :& A \rightarrow M (A) \\
join & :& M (M (A)) \rightarrow M(A)
\end{eqnarray}
を満たすことである。

それでは、\(\mu\)から\(return\)が得られることを示そう。

\( M=R \circ L \)とすると、
\begin{eqnarray}
A = I_\mathcal{D} (A)
\end{eqnarray}
\(\mu : I_\mathcal{D} \rightarrow R \circ L\)を用いると
\begin{eqnarray}
&\rightarrow& R \circ L (A) \\
&=& M (A) \\
\end{eqnarray}
より
\begin{eqnarray}
return : A \rightarrow M (A)
\end{eqnarray}
が得られる(下図参照)。
f:id:bitterharvest:20180806082346p:plain

次に、\(\xi\)から\(join\)が得られることを示そう。
\begin{eqnarray}
M (M (A)) = R \circ L \circ R \circ L (A)
\end{eqnarray}
\(\xi : L \circ R \rightarrow I_\mathcal{C}\)を用いると
\begin{eqnarray}
&\rightarrow& R \circ I_\mathcal{C} \circ L (A) \\
&=& R \circ L (A) \\
&=& M (A)
\end{eqnarray}
より
\begin{eqnarray}
join : M (M (A)) \rightarrow M(A)
\end{eqnarray}
が得られる(下図参照)。
f:id:bitterharvest:20180806082448p:plain

これより、全ての随伴はモナドであることが分かる。これはコモナドについても言える。

また、逆に全てのモナド(コモナド)は随伴であると言える。