bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

初秋の北海道:十勝・美瑛・富良野・小樽・札幌

先月の29日から3日間北海道を旅行した。同じ時期に、カリフォルニアの友人の知人夫婦が、北海道旅行をしているのだが、彼らは9日間。そのあとは広島に飛んで東京に向かってくるそうだ。1カ月にも及ぶ日本滞在をしたあと、ハワイでさらに休暇を過ごすとのこと。アメリカ人の旅行と比べると、日本人の旅行は短すぎ、旅行と言えるのかとさえ思うときがある。

今回もバス旅行。車を借りてドライブするのもよいのだが、観光地を散策したあとの運転は、疲れるし、居眠り運転をしかねないので、最近はのんびりと車窓からの景色を楽しむことに決め込んでいる。

羽田空港への航空手段は、かつては時間的な正確さもあって電車を利用していたが、空港バスの路線が増えて便利になり、必ず座れるという安堵感もあって、最近はもっぱらバスだ。29日は日曜日ということもあり、いつもは70分かかるのだが、わずか30分で到着した。空港でのんびりとコーヒーを楽しむことができた。

道路の交通量は少なかったにもかかわらず、空はとても混んでいたようで、飛行機の到着が遅れたため、30分遅れの出発となり、空港では思いがけず長い時間滞在する羽目になった。

無事に千歳に到着したが、前日の天気予報で北海道は晴れと聞いていたのに、小雨が降っていた。前回の北海道縄文の旅もずっと雨だったので、またかと意気消沈しながら、空港に降り立った。

この日は千歳から層雲峡へと向かったが、途中でNHKの朝ドラ「なつぞら」の舞台となった十勝を訪問。なんと300Kmの行程で、5時間近くのドライブ。飛行機が遅れたので、12時からのスタートとなったが、初日からせわしない旅となった。
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北海道も高速道路が伸びて、千歳から十勝までは高速道路。このようなインフラがないころに国道を使ってこの地域をドライブした経験があるが、そのときは日勝峠越えやくねくねと曲がった坂道などドライブを楽しむこともできたし、針葉樹林や落葉樹林に囲まれた自然を愛でることもでき、今でも楽しかった思い出が残っている。高速道路は速く運ぶという効率を優先しているため、移動中の楽しみは激減されてしまった。

道東自動車道に入ったころ、山々の木々が色づき始めていた。
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トマム。遠くに見える4つの高い建物は星野リゾート
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十勝平野が前方に開けてきた。
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最初の見学場所は、十勝牧場の白樺並木道だ。「なつぞら」でもロケに使われたとのこと。
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次は公共牧場の中では日本一広いと言われているナイタイ高原牧場だ。写真で見ると何ということはないのだが、ひたすら広い。
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この後は陽も落ちてしまった中を層雲峡のホテルへと向かった。

2日目は早朝に起きて、黒岳ロープウェイを利用して、黒岳5合目付近を見学した。高松台と呼ばれる展望台からの風景。紅葉がきれいだ。
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ロープウェイの中から。大雪山を構成する峰々が雲の間から顔をのぞかせた。
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朝食を取った後、この日も長い旅が始まった。全行程350Km、5時間半の車中だ。
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最初に訪れたのは銀河・流星の滝。この二つの滝は並んでいることから夫婦滝とも呼ばれている。

始めに現れたのは120mの銀河の滝。
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続いて90mの流星の滝。
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石狩川にそそぐ清流。
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滝の説明。
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バスの車窓からは柱状節理が右に左にと展開。柱状節理は、マグマが冷えて固まるときに、体積が縮まることにより、ハチの巣に似たひび割れが形成されてできた岩石の柱だ。ここの岩石は溶結凝灰岩だ。
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そして美瑛・富良野へと向かった。まずは青い池。この池は人工池で、1988年に噴火した十勝岳の堆積物による泥流被害を防ぐために、美瑛川に造られた堰堤の一つだ。近くの湧水が水酸化アルミニウムなどの白色系の微粒子を含んでおり、美瑛川の水と混ざることで、分散化され、コロイド状態になる。そして太陽光でコロイドが散乱されて、青い色の池となるという仕掛けだ。

高橋真澄さんが1998年に写真集『blueriver』を出版、2014年テレビ朝日『奇跡の地球物語』」で紹介され、青い池は有名になった。
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次の訪問地は四季彩の丘。カラフルな花のジュータンを引き詰めた広大な丘だ。前田真三さんの幻想的な写真集『丘の四季』で、美瑛と富良野はファンタジーな世界として、多くの人に認識されるようになった。どこも美しいのだが、その中でも最も彩のある光を放っているのは、四季彩の丘だろう。皆に愛されるラベンダーの時期ではなかったが、秋の花がなだらかな丘をきれいに覆っていた。
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このトラクターに引っ張られたトロッコに乗って見学した。
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次もお花畑のファーム富田だ。
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温室で咲くラベンダー。畑一面に咲いていたならば、どんなに綺麗なことだろうと思いを巡らした。
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ゼラニウムも温室で同居していた。
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そして今日の宿泊場所の登別温泉へと向かった。今回のツアーの参加者は、決められた集合時間よりも常に何分も前に集まるので、時間に余裕ができたということで、明日の見学場所である登別温泉の地獄谷を繰り上げて見学することになった。

幻想的な世界から阿修羅の世界へと踏み込んだ。
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3日目は小樽、札幌の散策。そして千歳からの帰路。全行程は230Km、三日間の中で一番短い。
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例によって小樽の運河。
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ナナカマドの実がきれいだ。
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小樽から銭函まで電車に乗った。
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海岸線ぎりぎりを列車は通り抜けていった。
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銭函駅だ。ご利益があるといいのだが、地名にちなんだ箱も置かれていた。
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札幌では時計台(旧札幌農学校演武場)を見学。
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時計台の中は資料館になっていて、札幌農学校の説明資料が備えられていた。札幌時計台ができたころのジオラマ
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“Boys be ambitious.”で有名なクラーク博士の像
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時計台内部の演武場。
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そしてテレビ塔
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これで今回の旅は終了した。一日の移動距離が長いということもあって、それぞれの場所での見学時間が少なかったのは残念だったが、北海道に到着した頃の小雨も、バスに乗っている頃には止み、そのあとは秋晴れの中、北海道の秋を満喫できた。
あと2週間ぐらい遅い時期に来ると、もっと紅葉はきれいだと思うが、良い時期に当たるかどうかは運しだいだ。晩秋には、東北縄文の旅をしようと思っているが、是非天候に恵まれて欲しいと願っている。