bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

世田谷のボロ市を見学する

昨年の11月ごろより、近くの駅のポスターや電車のつり広告で、世田谷のボロ市の宣伝を多く見るようになった。さらに開催日が近づくと、臨時電車を出しますという広告まで現れた。人気が高いという話は聞いていたが、これまではそれほど行ってみたいとは思っ…

江戸時代の百姓に関連した書物を読む

正月の人気番組の一つに駅伝がある。元旦は実業団のニューイヤー駅伝、2・3日は大学の箱根駅伝である。特に本人や家族に関係者がいるときは、応援に熱が入ることだろう。我が家もその例外ではなく、今年は両方とも好成績をあげたので、和やかに観ることがで…

お餅を焦がさずに綺麗に焼く

今年の正月は、能登半島地震・羽田空港事故と大きな災害・事故が立て続けに起きた。羽田事故では、日航機と海保機とが衝突、両機とも炎上し、海保機の乗員5人が亡くなられ残念なことになったが、日航機の乗客・乗員には十数人のけが人がでたものの大事にはい…

幕末の生糸仕切書を読む

幕末から明治初めにかけては、大地が揺れ動くような大きな変化を、この時代の人たちは感じたのではないだろうか。黒船が来航したのが嘉永6年(1853)、日米和親条約が翌嘉永7年に締結された。そして安政5年(1858)には、米国・英国・フランス・ロシア・オランダ…

江戸五色不動のうちの目白・目黒・目青不動を訪ねる

一日空けて、江戸五色不動の残りの三つを訪れた。目白・目黒・目青不動の3寺である。これらの寺は下図に示すように江戸の東側にあり、それぞれ金乘院、瀧泉寺、最勝寺教学院(赤マークの所)と呼ばれている。金乘院は真言宗で、瀧泉寺と最勝寺教学院は天台宗で…

江戸五色不動のうちの目黄・目赤不動を訪ねる

東京には江戸五色不動と呼ばれる寺院があることを、ブラタモリの番組を見ている時に知った。目黒不動は、親戚の家がこの近くにあり境内で遊んだりしたが、その他については全く知らなかった。山手線に目白という駅があり、同じ路線にある目黒と何か関係があ…

マッチングゲームを抽象的に記述する

かつての職場の同僚から数学の本を出版したいので原稿をレビューをして欲しいと頼まれた。順調に読み進んできたものの、あるところでつまずいた。ものすごく飛躍して説明すると、方向が反対になっている世界をどのように記述するかの問題である。どのように…

横須賀市自然・人文博物館を訪れる

横須賀と聞いた時、何を思いだすだろう。「横須賀ストーリー」と答えるような仲間たちと、横須賀市にある自然・人文博物館を訪れた。博物館は、京浜急行の横須賀中央駅から10分程のところにある。Google Earthで示すと中央左の高台のところである。その崖の…

相模国高座郡家の跡を訪ねる

今年は天候に恵まれなかったと思っている人が多いので、さすがにそれはまずいと天気の神様が思ったのか、このところ秋晴れの日が続いている。そのような中、茅ヶ崎市にある古代遺跡を見学に出かけた。いつもの仲間で、集合は相模線の香川駅であった。相模線…

東南アジア・南アジアに関する良書を読む

近年、東南アジア・南アジアの経済成長は著しく、ニュースでも明るい話題として報じられる機会が多くなってきた。これに刺激を受けて、この地域の歴史的な背景を知りたいと思い、関連する書籍を立て続けに読んでみた。最初に読んだのは、アンソニー・リード…

御殿場プレミアム・アウトレットへ行く

孫が運転の練習がてら御殿場プレミアム・アウトレットで買い物をしたいというので同行した。ここはかつては遊園地、2000年に開業。現在は290店舗を数える国内有数のアウトレット・モールである。Google Earthで周囲の様子を見てみよう。このアウトレットは御…

町田市立国際版画美術館で「楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師」を鑑賞する

家からそれほど遠くないところに版画美術館がある。ここには、桜の花が綺麗な時期に、花見ついでに立ち寄ったことはある。しかし展示の内容を知って訪れたということはついぞなかった。今回、知人から楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)の展示があり、しかも11月2…

江戸時代初めに建てられた古民家を訪れる

横浜市教育員会が、国の指定重要文化財である、都筑区の関家住宅を公開した。6倍の応募があり、これに当選した人はかなりラッキーとのことだった。関家住宅の最寄り駅は、横浜市営地下鉄ブルーライン線仲町台駅である。この辺りは50年前ごろから開発された港…

静岡市歴史博物館・駿府城公園を訪ねる

夏にも負けない11月に入っての暑さは、今年の天気は狂っていると思わせてくれるのに十分だ(そしてこの記事を書き終えた今日は、気温は急降下した)。運よく巡り合えた久しぶりの秋らしい日に、老人たちの遠足といっては主催してくれた団体に失礼になるが、静…

かつて三菱村と言われた東京・丸の内を訪ねる

中学時代の仲間と丸の内を散策した。仲間の何人かは現役時代にこの場所で勤務の経験がある。しかしその他の人にとっては仕事に行くだけの場所であったため、ビジネス街程度の認識しかない。そこで詳しい人から説明を受けながら、一度ゆっくりと散策してみよ…

佐々木閑著『大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した』を読む

博物館を訪問する機会が増えるにしたがって、仏像を見る機会も多くなってきた。しかしそれぞれの歴史や意義を問われると答えに窮してしまうことのほうが多い。どうも仏教に関しての知識が頭の中で整理されていないことが原因のようだ。そこで手抜きをして重…

日本民家園で「相模人形芝居」を鑑賞する

川崎市の日本民家園で、珍しい催し物があったので出かけた。今回、鑑賞したのは「相模人形芝居」である。これは、近世の上方・江戸で流行した三人遣いの人形芝居が、小田原・厚木を中心とする相模に伝えられ、多くの人の努力によって遺された貴重な芸術文化…

松里公孝著『ウクライナ動乱ーソ連崩壊から露ウ戦争まで』を読む

ロシアがウクライナに侵攻してから1年半が経ち、この戦いがいつ終わるのか、どのように収拾されるのかは不透明である。2006年にセルビアのベオグラードを訪問したことがある。街のところどころに砲弾の跡があったので驚いて尋ねたところ、90年代末のコソボ紛…

天橋立を見学するー丹後鉄道・船屋・天橋立

旅行二日目は若狭湾の西側、天橋立とその周辺の観光である。 ホテルでバイキング式の朝食をしっかりとり、まずは京都丹後鉄道を体験する。四所駅から栗田(くんだ)駅まで、8時49分発・9時14分着の1両電車である。 乗車駅の四所駅。改札側から。 ホーム側から…

天橋立を見学するー三方五湖と五老ヶ岳へ

8月も末になれば涼しくなるだろうと申し込んでおいた天橋立への旅行は、見事に裏切られすさまじい酷暑の中でとなった。これに雨が降ったら最悪だったのだが、ギラギラと輝く太陽と真っ青な空が迎えてくれた。旅行を申し込んだ時は、雪舟の天橋立に関わる裏話…

ジェイソン・ヒッケル著『資本主義の次に来る世界』を読む

熱せられた鉄板の上にいるような日が続いている。ニュースによれば、記録を取り始めてから最も暑い夏を迎えているとのこと。人間の活動が気候変動を引き起こしていると考えざるを得ないほどの異常さである。これ以上地球を痛めつけると、取り返しのつかない…

ウォルター・アイザックソン『コードブレーカー』を読む

4月に図書館に予約した本が、やっと貸し出してくれた。この本は上下2巻に分かれていて、今回入手できたのは下巻の方である。上巻の方は、順番待ちの人がまだ9人もいるので、月に2人ずつ減るとしても、入手は5か月後である。今年中ならば良い方だろう。人気の…

仲正晶樹著『悪と全体主義』を読む

この本はハンナ・アーレント(Hannah Arendt)さんの代表作『全体主義の起源』とニューヨーカー誌に発表した『エルサレムのアイヒマン―悪の陳腐さについての報告』を紹介したもので、著者(紹介者)は仲正晶樹さんである。アーレントは、ドイツ・ケーニヒスベル…

「湘南ひらつか七夕まつり」に出かける

平塚で、4年ぶりに制限のない七夕祭りが開催された。この街には、戦前は、海軍の火薬廠があった。このため、第二次世界大戦も終わりに近づいた頃、米軍の攻撃を受けて、焼け野原になった。街の復興を願って、1950年から、七夕祭りが行われるようになった。仙…

トーハクで特別展「古代メキシコ」を見学するーアステカ テノチティトランの大神殿

トーハク特別展「古代メキシコ」の最後のセクションは「アステカ テノチティトランの大神殿」である。百科事典マイペディアによれば、アステカは、「14世紀から1521年のスペイン人による征服まで,現在のメキシコ市を中心に栄えた国家をいう。アステカは首都…

トーハクで特別展「古代メキシコ」を見学するーマヤ 都市国家の攻防

トーハク特別展の3番目のセクションはマヤ文明である。テオティワカン文明がメキシコ高地で誕生し発展したのに対し、マヤ文明はメキシコ南東部、グアテマラ、ホンジュラス西端部、エルサルバドル西端部である。 マヤ文明の地域は、高地が多い南部地域とマヤ…

トーハクで特別展「古代メキシコ」を見学するーテオティワカン 神の都

今回のトーハクの特別展は、四つに区切られていて、2番目はテオティワカンである。ここは、メキシコの首都メキシコシティの北東50km、メキシコ中央高原の一角にあり、海抜2300mの盆地の中央にある遺跡である。紀元前100年から550年までの古代文明が栄えた計…

トーハクで特別展「古代メキシコ」を見学するー古代メキシコへのいざない

トーハクで特別展「古代メキシコ」が始まった。いつも特別展は最後のころになってやっと出かけていたので、混んでいる終了間近を好んでいるのではと冷やかされていた。今回はゆっくりと観たいと考え、あまり混雑しないと噂されている開始直後にした。選んだ…

雪舟にみる室町時代の生き方

毎年恒例になっている研究会での年一回の発表をした。今回は、島尾新さんの『画僧 雪舟の素顔 天橋立に隠された謎』をベースにというよりも、この本に頼り切って、発表を行った。このため、島尾さんの著書の紹介ともいえるのだが、それでも室町時代の特徴を…

室町時代中期の水墨画僧・祥啓の作品に触れる

神奈川県立歴史博物館で特別展『あこがれの祥啓』を開催している。祥啓という画僧を今でこそ知る人は少なくなったが、江戸時代には贋作も出るほどの人気があった。祥啓が活躍した時代は、室町時代の中期で、雪舟と同世代かあるいは少し下がる世代である。し…