bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

キャロルおばさんのキャセロール

今日も昨日に増してお客さんが多数。朝から夕飯の用意をすることにした。今日も合理的な料理作りを楽しむために、イギリス料理。日本の食卓でイギリス料理が話題になることはないが、数は多くはないが、知っている限りでは、イギリス料理は本当に合理的にできている。料理を始める前に利用する食材をテーブルの上に並べておく。食材は加工してどんどんお鍋の中に入れていく。出たごみはそばに持ってきたゴミ箱に捨てていく。加工が終了し、温める段階になると、テーブルの上はきれいに片付いていて、何もなかったかのようになっている。何とも素晴らしい。

今日の料理は、キャセロール。キャセロールは深くて大きな煮物用のお鍋を指す言葉らしいが、僕に教えてくれた人は、料理そのものを表す言葉として使っていた。キャセロールを教えてくれた人はキャロルおばさん。オーストラリアに一人で住んでいたときの隣人だ。彼女には、隣にいる東洋人がとても珍しく思えたらしく、何かと親切にしてくれた。彼女と旦那さんはイギリス生まれ。若くして結婚し(おそらく高校を出てすぐ)、イギリスでは生活できないということで、移民船に乗ってオーストラリアに来たとのこと。奥さんは看護婦として働き、旦那さんは州政府の気象庁で技術者として働いていた。キャセロールのレシピを残してくれたのだが、引越しの時の荷物に紛れて見失った。このため、キャロルから教わった通りではないが、今日はキャロルおばさんのキャセロールにトライする。キャセロールは味がしみ込むほどおいしくなるので、朝作り、夕方食べることにした。

食材は次の通り。
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心配なのはトマト。今日のお客さんの実家で大量にとれたというトマトをもらい、選択の余地なしに使わされる羽目になった。いつもは、丸い大きなトマトあるいは缶詰のホールトマトを用いている。牛肉は、脂肪分が多くない赤身肉のほうがおいしいので、オーストラリア産のロースを塊で買ってきた。リンゴは通常は使わないのだが、甘みが出てよい隠し味になるので、特別に参加となった。

最初におなべの底と側面にバターを塗っておく。次に野菜を入れるが、水物の野菜から順番に入れることにしている。最初は、セロリ。側面の繊維をとって、ざく切りにして鍋に入れる。セロリはにおいが強いので、肉の臭みを消し去ってくれる。次は、玉ねぎ。みじん切りにすると影も形もなくなってしまうので、薄切りからぶつ切りぐらいに切って鍋の中へ。次にトマト。本来は湯むきをするのだが、今回は省略。このまま鍋の中に加える。リンゴはぶつ切りで鍋に、さらに、にんじんは細切りで、ジャガイモはぶつ切りで鍋に入れる。野菜類がきれいに片付いたところで、牛肉を一口大に切って鍋に入れる。

最後に、ローズマリー二枝、オリーブオイル大匙二杯、赤ワイン50CC、マギーブイヨン二個を入れて終了。その時の鍋の様子が下の写真。隣にあるのが赤ワイン。今回は、イタリア産のキャンティ・クラシコを使用した。
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弱火で、2-3時間コトコト煮ると出来上がり。後は夕方までこのままで、味が染みるのを待つ。お鍋一杯あった食材が、出来上がると半分に。今日のお客さんの人数分あるか心配。
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