bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

パウンドケーキを作る

1.ゲイさんのレシピ

バークレイの学生時代に長い休みになると訪問していたのが、ロサンゼルスのエドワードとゲイ夫婦の家であった。貧乏学生だったので、宿泊費と食事代を節約するという目的もあったのだが、アメリカ人の一般的な考え方や家庭を知りたいというのが目的であった。彼ら夫婦との付き合いは今でも続いていて、一緒に旅に出たり、お互いの家を訪問しあったりしているが、彼ら夫婦が日本に来た時にゲイがいくつかのレシピをメモで残してくれた。その中にパウンドケーキが含まれていた。ゲイのレシピではバナナを使っていたが、それをドライフルーツに替えたのが、今日のパウンドケーキである。

その前にゲイにまつわるエピソードを一つ記しておく。ゲイという名前は珍しい名前だと思う。Gayeと綴る。両方の家族で一緒に、アメリカの西海岸をロスアンゼルスからバンクーバーまで旅行したことがあった。最後の宿泊地のシアトルで食事をしようということになって、海岸沿いにある有名なレストラン(その時は、僕がこのレストランを紹介したのだが、今となっては名前を思い出せない)に予約を取りに行った時の話である。アメリカのレストランは、バーと食事をする場所が分かれていて、バーでお酒を飲みながらテーブルが空くのを待つ。その時は、エドワードと妻をバーに残して、ゲイと私が予約を取りに案内まで行った。その時、案内の人に、「私の名前はゲイですが、ゲイではありません」とゲイが言ったとたん、案内の人が笑い転げて何度も何度も「ゲイではないですね」と言っていた光景を忘れることができない。

パウンドケーキの話に戻すことにする。パウンドケーキは、薄力粉、砂糖、(塩分抜きの)バター、卵を原料としているが、それぞれ1ポンド(454グラム)使用する。パウンドケーキの名前は、このポンドに依頼している。しかし、大人数の家族でない限り、日本の家庭で1ポンドの材料で作ったら、何日も何日もパウンドケーキを食べる羽目になる。そこで、今日は21cmのパウンドケーキの型を用いる。必要な量はそれぞれ100gとなる。このほかに、ベーキングパウダー3g、バニラエッセンス数滴、オレンジリキュール大匙一杯、好きなドライフルーツである。
材料は以下の写真のとおりである。
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2.調理法

ベーキングパウダーと薄力粉は篩を使ってふるっておく。バターと卵は冷蔵庫から取り出し、冷えた状態ではなく常温にしておく。冷たいまま、調理すると、バターはかき混ぜるのが大変だし、卵は分離してしまう。砂糖は普通の砂糖でも大丈夫だが(普通の砂糖を用いると塊があるのでそれをつぶさなくてはいけない)、今回はグラニュー糖を用いた。バターは無塩バターを使用するが、今年はバターが品切れ状態のため店頭になかったので、ケーキ用の無塩マーガリンで代用した。卵は、Mサイズのものが50gなので、2個使用し、よくといた。
準備した状態が下の写真である。
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1)ボールの中にバターを入れよくかき混ぜる。
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2)ボールの中にグラニュー糖を3回に分けて加える。加えるたびごとによく混ぜる。

3)(電動の)ハンドミキサーを用いてかき混ぜ、バターとグラニュー糖に空気を十分に含ませる。色が真っ白になるまで行う。5分以上かかるが、空気を十分に含ませないと、ふんわりとしたパウンドケーキはできない。なお、最初と最後は手動のミキサーで行ない、周辺部に残されているものまで、均一に混ざるようにした。
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4)次に卵を加える。これは4回に分けて行う。少しずづ加えて、卵とバターが分離しないようにするのがコツ。今回は、卵が少し冷たかったせいで、4回目を加えたところで、卵とバターが分離してしまった。このような時は、ボールを温かめのお湯の中に付けて、ボールの中をかき混ぜると分離が消失する。
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5)バニラエッセンス数滴とオレンジリキュール大匙一杯を加える。

6)ベーキングパウダーをまぜた薄力粉を全部ボールに加える。外側から内側に向けてよく練り上げる。
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7)ボールにドライフルーツを加えて混ぜる。

8)パウンドケーキの型に材料をそのまま流し込むと焼き付いて取れなくなるので、クッキングシートで中に入る型を作る。

9)ボールの中身を型に流し込む。中心部は熱が伝わりにくいので、型の端のほうを高くし、さらに中心部には指を水で浸して溝を作るとよい。
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10)オーブンの温度は170度。但し、型を入れるときにオーブンを開けるので、余熱は180度で行う。型を入れ、15分間焼く。この時、170度に戻す。

11)取り出して、中心線に沿ってナイフを入れる。これは出来上がった時、中心線に沿って割れ目が入る。さらに、ドライフルーツを乗せる(これは出来上がりを見ると不必要であった。ドライフルーツが焦げてしまい味覚を損なう)。さらに25分間焼く。
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12)中央部に竹串を指し、抜いたときに何もついてこなければ大丈夫である。もし、そうでなければ、さらに、5分程度焼き、同じことを繰り返す。
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13)オーブンから取り出したあと5分ぐらい置いて冷ます。その後、パウンドケーキを型より取り出す。

14)焼きたてのふんわりとした食感を楽しむ。
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