bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

ハワイ旅行 ビッグアイランド・キャンディーズでお買い物(五日目)

ハワイ五日目は妻の希望でヒロにあるビッグアイランド・キャンディーズに行く。先日、キラウエア火山に行ったときに、ヒロで朝食をとることに失敗したので、リベンジをしようということになった。

Gayeがそれではポールのお店はどうかと提案した。調べてみると、とてもおいしいが、2人座りのテーブルが3つしかないので、予約なしでは食べられないことが多いとあった。Edが食べられそうもないので、他にしようと提案した。Gayeは「トライしようよ」というのだが、Edが1時間半もかけて行くにはリスクが大きすぎると反論した。

このあたりから二人の感情がもつれて言い争いになった。夫婦喧嘩はどちらに味方をしてもさらに燃え上がってしまうので、私は静観を決め込んだ。

そうこうするうちに、Gayeが激しく非難した。しかし、初めて出会った単語で意味が取れなかった。”You are xxx. You are xxx” といっていた。口では勝てなくなったEdが静かに部屋から退場し、冷却の時間になった。xxxの意味を聞きたかったのだが、私の方に攻撃が回ってくると大変なので、耐えた。教科書にもなく、通常の会話にも出てこないので、とても興味があった単語だが、今となっては単語の音を忘れてしまったので、調べることもできない。

こういうときの諍いは、たいていの場合、女性の勝ちと相場が決まっている。この場合も御多分に漏れずだ。Gayeの意見に従って、ポールのお店へと向かう。往きは内陸部を、帰りは海岸線に沿って移動しようということになった。
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横断道路の右側の4分の3は、「ダニエル・イノウエ・ハイウェイ」と呼ばれる。このハイウェイは2013年に完成したが、それまでは未舗装のアップダウンの激しい道路で「サドルロード」と呼ばれていた。サドルは馬の鞍という意味だが、馬の鞍に乗っているようなワイルドな道だった。現在は整備され、北にあるマウナ・ケアと南にあるマウナ・ロアの山の間を縫う、景色の素晴らしい道路だ。

出発地のワイコロア・ビーチのあたりの道路は溶岩が広がっている。
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内陸部のワイコロア・ビレッジに近づくころから、緑が広がり始める。遠くに見える山は、標高4207mのマウナ・ケアだ。なだらかな稜線のため高く感じられないが、富士山よりも高い。
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途中には円錐形の噴石丘(cinder cone)も見える(写真右端奥)。やはり噴火によって生じたものだ。
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島のちょうど真ん中、ヒロ・フォレスト保護区に入ると、天候は一変した。深い霧に覆われ、雨の中へと入っていく。
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溶岩の黒い景色が、緑で覆われた森林に代わり、街が現れ、ポールのお店に到着する。
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二人の諍いはGayeが「正しかった」となった。お店に入ろうとした時に、食事を終わった客が出てきた。中に入ると、テーブルが二つ我々を待っていた。

小さなレストランなので、ないだろうとは思ったが、レストルームはどこと聞いてみた。このお店のオーナーのポールは、ファーマーズ・マーケットのトイレの見えるところまで、親切にも案内してくれた。トイレのドアーを開けようとすると鍵がかかっていて開かない。ポールは既にお店に戻っているので、聞くわけにいかない。しばらくトイレの前に立っていると、ファーマーズ・マーケットのお店の人が出てきて、暗証番号を教えてくれた。共同トイレの不用心を避けるための方策なのだ。

お店に戻ると、女性たちはご満悦。ポール特製の朝食に舌鼓を打っている。
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Gayeは満面のほほえみをたたえている。背後には寂しそうなEd。このあと出会った旅行者の人たちそれぞれに、ポールのお店はとても美味しいので、是非行くべきだとGayeは伝えていた。妻もとても美味しかったと喜んでいた。
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次は妻が最も行きたがっていたビッグアイランド・キャンディーズだ。
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たくさんの買い物をした。私が着ていたバークレイのTシャツを見て、店員の一人が「私も卒業生。でも、ずっと前だけど」と話しかけてきた。ハワイにもバークレイの卒業生は多いらしく、このあとも他の場所で話しかけられた。

帰路は滝めぐり。まずはレインボー滝(Rainbow Falls)に向かう。
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レインボー滝はハワイ語ではWaianuenueと言う。水の中の虹という意味だ。残念ながら、今回は虹を見ることはできなかった。

次はアカカ滝(Akaka Falls)だ。
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滝を巡るトレイルがある。Gayeは疲れたのだろう、車の中で昼寝をしたいと言うので、残りの3人でトレイルを散策した。滝だけでなく野生の花々も目を楽しませてくれた。
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次の訪問地はホノカア(Honokaa)だ。
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岡田将生初主演の映画ホノカアボーイの舞台となった場所だ。岡田将生が演じるレオは映写技師として映画館で働いていたが、それがここ。f:id:bitterharvest:20181107055230j:plain
岡田の他に、倍賞千恵子、庄司照枝、喜味こいし蒼井優松坂慶子などが出演し、とてもゆっくりと時間が過ぎていく映画だ。

ホノカアの町の紹介もしておこう。人口は2000人ちょっとで、大きくはない。産業はサトウキビだった。ハマクア砂糖会社(Hamakua Sugar Company)は、このホノカワで、1873から1994年までの長きにわたって事業をしていたが、町はこの砂糖生産に依存していた。会社が廃業する頃には、砂糖と観光の衰退によって町は活気を失ったが、現在はヒロのベッドタウンとなって生き残りを模索している。映画館は1930年にタニモト家によって建てられ、1993から2006年までと2009年にハマクア音楽祭が開かれた。

映画館をカメラに納めていたら、建物のベンチに座っている人が、この店で主人公が散髪をしたと教えてくれた。そうこうしているうちに、夕闇が迫ってきたので、帰路に着いた。

アメリカ人の夫婦と一緒に過ごしていると、チップの払い方から、出会った人との会話の仕方、夫婦喧嘩のありさままでいろいろなことが分かり、得難い経験をたくさんする。楽しい旅だと改めて感じる。