bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

プロのレシピでラザーニャ・エミーリア風に挑戦するーボローニャ風ミートソース作り

ミートソースはこの料理のかなめだ。そのため使う食材の種類も半端ではない。ひき肉を中心に香味野菜、ハーブ、香辛料などがオンパレードだ。
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最初に野菜を炒める。材料は玉ねぎ(1個)、にんじん(1本)、セロリ(1本、頂いたレシピは2本の指定だが、購入のときそこまで注意がいかなかったので今回はこれで我慢)、ニンニク(1片、今見ると手順書の方は1/2になっている)、バジリコ(3枚)、干シイタケ(1個、水100mlで戻したもの。浸した水はいらない)。
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これをフードプロセッサでみじん切りにした。
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大き目のフライパンにオリーブオイルを熱し、みじん切りにした野菜を加え、軽く塩をまぶし、じっくりと炒めた。塩は野菜の水分をとるためだそうだ。手順書には香味野菜から汗をかかせる気持ちで、蒸気を飛ばしながら炒めあげると書かれている。素晴らしく分かりやすい表現に感謝。
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バットに取り出すとなっていたが、ないので皿にした。
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次はひき肉である。手順書には仔牛または牛の赤身のひき肉(300g)、豚赤身ひき肉(100g)、鶏レバー(30g)とある。しかし私が住んでいる街には、あいにく肉屋さんは存在しない。駅の前にスーパーが一軒だけという完全な住宅街である。隣町の横浜市大和市へ行けば大きなスーパーがありこれらの食材を得ることも可能なのだが、これらの店は買い物客が多く、テレビのニュースは人込みを避けるようにとも伝えているので、今回は近場で間に合わせることにした、牛のひき肉は300gに少し足りず、豚のひき肉は100gを越えているが、合わせて400gなのでこれで我慢とした。また鶏レバーはなくてもよいということなのでこれは省略した。
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野菜を取り出したままのフライパンに、オリーブオイルを熱し、ひき肉を加えた。焼き方は表面を焼き上げるという感じだそうだ。
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このまま静かに置いて表面が焼きあがるのを待って、ひっくり返した。ひき肉なので肉が分離し、きれいにひっくり返すことはできない。プロはどうしているのだろうと思ったりもした。ひっくり返した部分の表面に焼き色がついたと思われるころに、ヘラで崩しながら、表面がカリッとするまで、香ばしく焼き上げた。
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次の作業は、「香味野菜をフライパンに戻して」となっていたのだが、読み間違えて、新しいフライパンを使ってしまった。
味付けのために用意したのはこれ。炒めた香味野菜と薄力粉(大匙1)、タイム(1枝に相当する程度)、ローリエ(1枚)、ナツメグ(少々)である。
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香味野菜をフライパンに戻し、薄力粉をふるい入れ、薄力粉を焼き上げるイメージでしっかりと炒めた。
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さらにタイム、ローリエナツメグを加えて、さっと炒めあげた。
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次はトマト味をつける。赤ワイン(200ml)、トマトペースト(30g)、トマトホール(400g)を用いる。トマトホールに対して、ヘタと種を取り粗く刻んでおくという注意書きがあった。作業中もこのことは覚えていたのだが、いざとなった時、この部分が見つからず、記憶違いかと悩みながらトマトホールはそのまま加えてしまった。調理中にヘラで切っていけば大丈夫という妻の大胆な発言に救われて作業を続けた。
フライパンにワインを加え、アルコール分を飛ばした。
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トマトペーストを加えてしっかりと炒めたあと、トマトホールを加えた。
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このとき、肉は何処で入れるのだろうと不安になり、手順書を何度も読み直したり、YouTubeで調べたりして、野菜をフライパンに戻す時だったのではとか、あるいは赤ワインを入れる前だったのではとか思い悩んだが、とにかく、一緒にしようということで、ここで炒めてあったひき肉を加えた。あとになって手順書を読み間違えたことに気がついたのだが、一度思い込んでしまうとなかなか気がつかないものと改めて認識させられた。
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ひき肉を混ぜるのが少し遅くなったが、まあ大丈夫だろうと楽観的に考え、赤みが取れてオレンジ色になるまで弱火でじっくりと煮込めという指示に従って作業を再開した。この様子を見ていた妻が、うちの電磁調理器では、いったん中火ぐらいにしてぐつぐつしてから弱火にした方がよいと忠告してくれた。そうかなと思いながらも従った。手順書には、「煮込み料理に液体を入れていくときは、酸味が強いものから酸味の少ない方へ順番に加え、トマトは必ず弱火で」と書かれている。強火で煮込むとトマトの強い酸が出てしまうそうで、妻の忠告が間違いではない範囲の内に収まっていることを願いながら作業を続けた。次の作業に移る前に、このときのトロみを覚えておくようにと手順書には書かれていた。そこでの目標は、このトロみになるまで煮込むことであった。
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いよいよ最後の作業だ。フライパンに鶏のだし汁(チキンコンソメ2個と水500mlで作成)を加えて、先ほど覚えたトロみになるまで、塩と胡椒で味を調えながら、じっくり煮込んだ。
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前の記事で述べた「説明書を読まない人」には、説明書を読むのが苦手ということが含意されている。今回はこの特性をいかんなく発揮して、見落としや読み違いによるくるいを伴っての調理となったが、味は素晴らしく良かった。少しぐらいの手順の違いを吸収してくれたプロのレシピに感謝して次の工程に進むことにした。