bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

満開の桜を観にあちらこちらへ

コロナウイルスのために、ここ2年間は外出を控えていた人は多かったことだろう。その反動で、今年は特にきれいに感じられるのだろう。桜の花を愛でるために、多くの人が繰り出しているようである。私もその一人である。日々の散歩の中で、膨らみ始めたつぼみに期待を寄せ、2分咲きや3分咲きになったころには春の訪れを感じ、7分咲きの頃には家族や友達に報告してウキウキし、満開になったころには躍り上がって喜びそうになり、散りだした頃の花吹雪には、さすがにそれを追う若さはなかったけれども、桜の花の移ろいを楽しんだ。

町田市から横浜市へと流れ込む恩田川沿いの桜。2㎞にわたって400本の桜が植えられ、町田市の観光スポットとなっている。しかし残念なことに、老木となったために大きな枝が切られ、かつての醍醐味は失われたが、恩田川に落ち込むような淡いピンク色の流れは依然として美しい(3月30日)。
f:id:bitterharvest:20220411091130j:plain

遠出して佐倉を訪れた(4月3日)。本来の目的は国立歴史民俗博物館の展示「中世武士団」を見学すること、ついでに佐倉城址公園の桜を鑑賞することであった。冬のような肌寒い日で、小雨も降っていた。しかし幸いなことに歴博の展示はさすがに立派で、千葉氏、益田氏、三浦和田氏を中心に、鎌倉時代から室町時代の武士団について、古文書を中心にとても丁寧な説明があり、得ることが多かった。熱心に展示を見過ぎたこともあり、広大な公園の全ての桜を鑑賞するという体力は残されていなかった。そこで本命だろうと思われる城址公園の本丸跡の桜だけを鑑賞した。桜祭りの主催者は張り切っているのだが、寒さも手伝って人はまばら。桜の木は歴博の分まで入れると1000本を超えるそうで、本丸跡には、色々な種類の桜が植えこまれている。このため同時に咲くことはないようだ。日にちをかけて、それぞれの美しさを鑑賞するのがよさそうである。
f:id:bitterharvest:20220411093037j:plain

東京の桜も散り始めた昨日(10日)は、静岡県小山町にある富士霊園を訪れた。花が好きだった両親が、おそらく桜がきれいなころに見学に行ったのであろう。花に囲まれた場所であの世の生活をしたいということで墓地を購入し、現在はこの土の中に眠っている。遠いところなので年々墓参が億劫になっていたのだが、孫が春休みを利用して自動車免許を取り、練習をしたいということなので、彼の運転で3年ぶりに訪れた。

この霊園は富士山のふもとにあるので、開花が東京より1~2週間遅れる。満開になるころを見定めて練習日を決めておいたところ、とても運のよいことに大正解となった。
霊園内の桜中央通りの中ほどから振り返っての桜並木、
f:id:bitterharvest:20220411143629j:plain
桜中央通りを抜けたあとの桜並木、
f:id:bitterharvest:20220411143543j:plain
さらに階段を登り慰霊堂よりの桜中央通りの桜、
f:id:bitterharvest:20220411144624j:plain
若葉マークの付いた車窓よりの桜並木。運転手の緊張感が伝わってくる。彼は桜どころではなかったと話していた。
f:id:bitterharvest:20220411144703j:plain

自宅近くの桜並木もかつては素晴らしいソメイヨシノの並木道で、遠くからも訪れる人々が多かった。しかし近年老木となり、倒木の危険もあったので、数年前からジンダイアケボノの若木が植えられた。今年はやっと見るに堪える程度に成長し、我々を喜ばせてくれた。あと数年も経てば、桜の花のトンネルを作ってくれるだろうと、楽しみにしている。
f:id:bitterharvest:20220411145620j:plain