bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

端午の節句に大凧まつりを見学する

相模原市で、「相模の大凧まつり」が4年ぶりに開催されていると聞いたので、見学に行った。この祭りは天保年間に始まり、大凧をあげるようになったのは明治の中頃、天保から数えると200年も続いているそうだ。当初は個人的に子供の誕生を祝って揚げられていたのが、次第に地域的なつながりを持つようになり、豊作祈願や若者の意思や希望の表示、さらには国家的な思いを題字に込めて揚げられるようになったそうである。相模川新磯地区の川べりの4会場で催されている。私は、JR相模線の相武台下駅から最も近い新戸会場へと向かった。

会場には10時半ごろに着いたが凧は一つも揚がっていなかった。風を待っていたのだろうか、会場の周囲を一当たり見学して、どこか座る場所を確保しようと考えた頃、最初の凧を揚げるというアナウンスがあった。しかし揚げる人が足りないのだろうか、お手伝いしてくださいという放送が何回か流れた後、やっと凧が揚がり始めたらすぐに失速し、地表に戻されてしまった。

3度目の挑戦で、やっと天高く(?)舞い上がった。中ぐらいの大きさの凧で、題字は今日の世情を反映して「平和」。

しかし、残念ながら長いこととどまることができず、選手交代となった。

次は小ぶりの凧で、こちらの方は難なく揚がり、いつまでも天空にとどまっていた。
写真では小さすぎてよくわからないが、凧が揚がり切ると、凧を引っ張っているひもに沿って、鯉のぼりも上がっていった。端午の節句にちなんだひとコマ。

隣の広場では、「勝風」と書かれた大ぶりの凧(縦・横14.5m,950kg)が舞っていた。この題字は、今年度の公募によって決められたもので、「災いに勝ち抜く頼もしい風が吹くことを祈念する」という意味が込められているそうである。

目の前に大凧があり、これが揚がるのを見届けたかった。

風しだいのようでいつその時が来るのか不透明なので、後はテレビのニュースで楽しむこととし、この場を離れた。保存会の人々は、伝統の行事を継承していくことに生きがいを感じ、凧が上がった時の快感を忘れられないことだろう。4年ぶりとなった祭りを、神様も祝福したのか、昨日・今日と晴天に恵まれ、観客にとっても思い出に残る良い祭りであった。