東海道三番目の宿である神奈川宿を案内した。宿場町としての面影はほとんど失われているものの、江戸時代末期に領事館として利用された寺院の多くが現存しているため、激動の開港期の歴史を辿ることができる。今回ガイドしたのは、歴史博物館でともにボランティアガイドをしている仲間であり、それぞれが神奈川宿について一定の知識を有している。従って、皆で知識を確認し、さらに再構成する機会となる散策であった。
パンフレットについても、宿場道に沿った建築物・遺跡の紹介にとどめず、学術的な視点を重視して作成した。まず神奈川宿の地形的特徴を説明し、その地形を活かして東西に二つの街を形成し、機能を分離させていた点を示した。続いて横浜開港に至る歴史を述べ、条約上は「神奈川」開港と記されているにもかかわらず、実際には「横浜」開港となった理由を説明し、それでも領事館は「神奈川」に設置された事実を示した。
さらに、アメリカ・イギリス・フランス・オランダの領事館として利用された寺院を紹介し、公使館がどこに置かれたのかについても、その背景とともに明らかにした。また、ヘボン博士やブラウン氏をはじめとする宣教師と寺院との関係についても触れた。最後に、歴史的伝承が残る寺院について説明を加え、当時の神奈川宿が立体的に浮かび上がるようなパンフレットとなるよう工夫した。
当日は一万歩を超える行程であったが、説明をしながら歩いたため、予定していた二時間半では収まらず、最後は離れた場所から概要を述べて終了した。東神奈川駅から横浜駅へと、江戸側から京側へ向かって歩いたが、この順路では前半が平坦で後半が坂道となる。そのため、体力が落ちてきた頃に坂道の上り下りが続き、かなり負担が大きかった。むしろ、前半に坂道、後半に平坦な道となる東横線反町駅から東神奈川駅へ向かうルートの方がよかったのではないかと反省している。
なお、このとき使用したパンフレットは以下の通りである。