bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Haskellで学ぶ圏論・入門編 写像を対象に (モノイド圏)

1.モノイド圏 四則演算や論理演算など、単位元を有し結合律を満たす二項演算はモノイドと呼ばれる。この圏は次のように構成される。 (1) 対象:一つ(通常★で表される) (2) 射:二項演算子の左あるいは右に表れる数(あるいは元) (3) ドメインとコドメイ…

Haskellで学ぶ圏論・入門編 写像を対象に

1.圏の定義 一般的に、圏は次のように定義されている。圏は5つの要素と二つの条件により構成される。5つの要素は次のようになっている。(1) 対象 圏は対象を有する。対象は、通常は大文字を用いて、\(A,B,C,..\)と表す(対象は多くの場合何かの集まりで…

季節の野菜でタジン鍋を楽しむ

1.タジン鍋 健康志向が高まってタジン鍋は今でこそ有名になったが、5,6年前までは知っている人も少なかった。タジン鍋はモロッコで使われている円錐形の土鍋で、羊や鳥の肉と一緒に野菜を蒸すための道具である。今では専用の鍋は簡単に手に入れることがで…

Haskellで学ぶ圏論・ウォームアップ編 写像のまとめ

1.全射と単射 圏論では写像は重要な概念である。簡単な圏では写像は射となるが、圏をさらに抽象化すると、写像は対象として扱われる。そこで、ここでは、写像に関する重要な性質をまとめる。全射:写像\(f:X \rightarrow Y\)とした時、\(Y\)の任意の要素\(…

Haskellドリル(中級編) - 目次

1.HaskellドリルⅠ 独自の新しい型を定義しよう 2.HaskellドリルⅡ 再帰的なデータ型を作成する 3.HaskellドリルⅢ 型クラスとは 4.HaskellドリルⅣ 型クラスとしてのファンクタ 5.HaskellドリルⅤ モナドの理論的な背景 6.HaskellドリルⅥ モナドのdo…

Haskellで学ぶ圏論・ウォームアップ編 - 目次

1.合コン 2.邪推 3.あみだくじ 4.小学生に戻って足し算 5.最大公約数の構造 6.最小公倍数の構造 7.仲間を求めて 8.二項演算子とカリー化 9.モノイドと二項演算子 10.カリー化と指数対象 11.集合間の写像 12.集合内の写像(Endomap…

Haskellで学ぶ圏論・ウォームアップ編 和(余積)のまとめ

1.和(余積)の定義 圏論での和(余積)は積とは双対の概念である。積のところで定義されていた写像のドメインとコドメインを交換することで、即ち、可換図式での矢印を反対向きにすることで、また、積の演算\(\times\)を和の演算\(+\)に代えることで和は…

Haskellで学ぶ圏論・ウォームアップ編 積のまとめ

1.積の定義 前の記事で、最大公約数や積集合を用いて、圏論での積について説明した。積は、いろいろな圏に共通する性質で、普遍的な性質である。ここでは、圏論での用語を用いて、圏論での積についてまとめる。圏論での積は次のように定義されている。積の…

Haskellで学ぶ圏論・ウォームアップ編 集合の圏のまとめ

1.集合の圏 ここまで集合に関する圏について論じてきたが、それらをいったん整理してみる。圏の定義は次のようになっていた。(1) 対象 圏は対象を有する。対象は、通常は大文字を用いて、\(A,B,C,..\)と表す。(2) 射 圏は対象(複数の場合も可)から対象(…

Haskellで学ぶ圏論・ウォームアップ編 基点付集合

1.不動点 丸い円盤が机の上に置かれていたとする。この丸い円盤は、回転したり、移動したり、縮めたりと自由に操作できるものとする。但し、この操作を行っているときは、元の円盤からはみ出すことは許されないとする。例えば、下図のように、円盤を楕円盤…