bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

読書

上田信著『伝統中国』を読む

グローバリゼーションによって、色々な国の人と付き合うようになった。文化が異なる人々とはそのつもりで構えるので、異質なことに出会っても気になることはない。しかし顔かたちでは区別ができず、漢字文化なので多くのことを共有していることだろうと思っ…

西谷正浩著『中世は核家族だったのか』を読む

住宅街を歩いていると、苗字が異なる表札がかかっている家が、割合に多いことに気がつく。かつての日本は、男系の直系相続だったため、異姓の親子が同居していることはまれであった。しかし近年の現象は、娘に老後の面倒を見てもらう親が多くなったため、異…

五味文彦著『武士論』を読む

緊急事態宣言のために東京国立博物館は閉鎖され、楽しみにしていた「国宝 鳥獣戯画の全て」をゴールデンウィーク中に鑑賞することはかなわなかった。幸いなことに再開されるということなので、早速チケットを入手、明日実現できることになった。擬人化された…

藤田達生著『災害とたたかう大名たち』を読む

コロナに対する戦い方は、国によってさまざまである。自由が大好きな国民たちの米国や西ヨーロッパの国々は、ロックダウンによる強い規制を敷いて国民の行動を抑えようとしたが、コロナの蔓延は防ぎきれず、最後は科学を信じてワクチン投与を早い時期に開始…

白石典之著『モンゴル帝国誕生』を読む

モンゴル系民族の歴史として、杉山さんと島田さんの著書を紹介してきた。歴史学の手法は大別して、先人たちが残してきた文献資料を丹念に調べその当時の歴史をひもといていく文献史学と、遺跡を発掘して遺物からその当時の状態を解明していく考古学とがある…

島田正郎著『契丹国』を読む

東京に出されている非常事態宣言は、大方の人が予想していた通り、ゴールデンウィークで終わるわけはなく、月末までの延長となった。さらなる延長がなければと願うばかりだが、イギリス株やら、さらに怖そうなインド株の広がりも予想され、予断を許さないよ…

虎尾達哉著『藤原冬嗣』を読む

藤原冬嗣は西暦800年の前後25年を生き抜いた。794年に平安京に遷都されたので、平安時代初期に活躍した公卿となる。父は藤原内麻呂、母は百済永継(えいけい)。母は苗字から分かるように渡来系、長男真夏と次男冬嗣を儲けた。そのあと桓武天皇の後宮に入り子…

杉山正明著『疾駆する草原の征服者』を読む

今度の日曜日から大相撲三月場所が開催される。コロナ禍の中、家に閉じこもりがちなので、楽しみにしている人も多いことだろう。この間発表された番付から幕内力士の出身地を調べてみると、42人中10人が外国出身の力士だ。率にして24%。グローバリゼーショ…

榎本渉著『僧侶と海商たちの東シナ海』を読む

面白そうな本はないかとアマゾンのブログをくくっていたら、日本史の範疇に収まりそうもないタイトルを見つけた。前回紹介した本郷恵子さんの本と同じシリーズ「選書日本中世史」の一冊として10年ほど前に刊行された。評判が良かったのだろう、昨秋、文庫版…

本郷恵子著『将軍権力の発見』を読む

室町時代はあまり人気のない時代のようだ。前後の鎌倉・戦国には傑出した人物が多いのでその陰に隠れてしまうのだろう。室町時代は足利氏が将軍家で、NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』でも、15代将軍の義昭はかわいそうなくらいに弱々しい。最後の将軍だから仕…

坂井孝一著『源氏将軍断絶』を読む

昨年は、コロナウイルスの影響で、楽しみにしていた旅行もかなわず、「本を友にして」の生活となってしまった。ウイルスの方は、残念ながら、似たようなあるいはもっと悪い状況が続きそうで、本とはさらに仲良しになりそうだ。しかし出会った時の思い出は、…