bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

訪れる人が少ない鎌倉の名刹を巡る

梅雨の時期、雨を心配しながら、2回に分けて鎌倉巡りをした。1回目は鶴岡八幡宮を中心に、鎌倉幕府が設けられた三か所(大倉幕府・宇都宮辻子幕府・若宮大路幕府)と、鎌倉殿の13人に出てくる有力武士の邸跡を訪ねた。2回目は北鎌倉駅を出発点にして、小雨の中…

藤田達生著『戦国日本の軍事革命』を読む

ウクライナへのロシアの侵攻が、多くの人々に戦争の現実を鮮明にさせてくれた。日本の戦国時代も同じように人々は戦争に明け暮れた日々を過ごしていた。そして戦国時代中頃のヨーロッパからの鉄砲伝来は、これまでの政治・経済・社会の体制に大きな変化をも…

神奈川県立歴史博物館特別展「洞窟遺跡を掘る」を見る

歴史学者の網野善彦さんが「百姓は農民ではない」と言明し、そしてそのあとの歴史学に大きな影響を及ぼした。神奈川県立歴史博物館では「洞窟遺跡を掘る―海蝕洞窟の考古学―」という特別展示を行っている。この展示は「弥生時代=水田稲作」ではないことを改…

大田由紀夫著『銭躍る東シナ海』を読む

最近になって中国や朝鮮半島との「関係」の中で、日本の歴史を論じる本が増えてきたようである。日本の歴史が孤立しているわけではないのに、隣接の地域との関連で論じない傾向にあることにずっと疑念を抱いていた。最近の流れはこれを打ち破るもので歓迎し…

東海道五十三次の神奈川宿を訪れる(3)

この日(4月25日)は、前の日に写真を撮りそこなった史跡を巡った。前日とは打って変わって真っ青な空、気温もそれほど高くはなく、散歩を兼ねながら歴史的建造物を見るのにはとても恵まれていた。出発地点には東横線反町駅を選んだ。この線は桜木町駅を終点と…

東海道五十三次の神奈川宿を訪れる(2)

今回紹介するのは神奈川宿の西半分で、しかもその全部ではなく東寄りの部分である。午前中は、雨は降らないだろうと淡い期待を寄せていたが、見事に裏切られた。最後の方は急ぎ足になったこともあり、写真を撮る余裕がなかったので次の日に再挑戦した。今回…

東海道五十三次の神奈川宿を訪れる(1)

日曜日(4月24日)に、東海道53次の宿場の一つである神奈川宿を、この地に30年住んだことがあるという知人に、案内してもらった。東海道は、律令制度での五畿七道の中に含まれているが、街道として広く利用されるようになったのは、江戸時代になってからである…

武相寅歳薬師如来霊場(8):東光寺・安全寺・野津田薬師堂を訪ねる

遂に最終日。残された三つの寺を巡るだけとなった。すっきりしない日が続いたが、今日は午後には晴れて気温が高くなるというので、その前に出かけることにした。訪問するお寺はいずれも町田市の中央東側で、電車の駅からは遠く、バス利用の不便なところであ…

武相寅歳薬師如来霊場(7):福泉寺・祥雲寺を訪ねる

今日は横浜線のさらに北側の長津田駅から町田駅までの間にある二つの寺をめぐった。 最初に訪問する寺院は福泉寺。長津田駅からそれほど遠くないところにある。駅周辺には、この地域では大規模といえる大林寺がある。 そして板碑(写真右)は横浜市内では最大…

武相寅歳薬師如来霊場(6):寶袋寺・観護寺・舊城寺・弘聖寺を訪ねる

今日は昨日の続きで、横浜線の十日市場駅から中山駅の間にある四つの寺を訪れた。久しぶりに晴れ、気温も20℃を越え、汗ばむ中での霊場巡りとなった。 寶袋寺のホームページによれば、この寺は慶長年間(1596-1615)に顕堂長察により開山された。建立地から、古…

武相寅歳薬師如来霊場(5):林光寺・東観寺・寶塔院・萬藏寺を訪ねる

今日は、最高気温が20℃に達しないので、寺院巡りに向いているが、どんよりしているのが気になる。案の定、途中から雨が降り出し、5寺巡ろうと思っていたが、他のアクシデントも重なって、最後にと予定していた寺は、次の機会となった。訪れるところは、横浜…

武相寅歳薬師如来霊場(4):福昌寺・薬師堂・萬福寺を訪ねる

午後は用事があるので、朝の散歩代わりに三寺を巡った(4月17日)。長津田駅を出発してこどもの国線に沿って恩田駅まで行き、折り返して田奈駅へと向かった。 福昌寺へ向かうあかね台は、八重桜が満開。 途中には藤の花も咲いていた。 新編武蔵風土記稿によれ…

武相寅歳薬師如来霊場(3):大蔵寺・無量寺・東漸寺を訪ねる

昨日(16日)は横浜線に沿って南に下り、三つの寺を参拝した。前日までの冬を思わせるような肌寒い雨の日が続いたあとの、少しだけ良い方に向かっていた午後に出かけた。現在の中原街道(県道45線)、かつて鎌倉往還を下って(江戸に向かって)の寺巡りである。 最…

武相寅歳薬師如来霊場(2):朝光寺・宗泉寺・瑞雲寺を訪ねる

ついこの間まで寒い日が続いていたのに、途端に暑い日がやってきた。一昨日に続いて昨日(4月12日)も夏を思わせるような陽気だった。四季に富んだ日本はどこに行ったのだろう。長い夏と冬、そしてわずかな春と秋になってしまったようだ。この日もまた、前の日…

武相寅歳薬師如来霊場(1):福壽院・常楽寺・観音寺を訪ねる

寅歳薬師霊場という風習は、この時期、全国どこでも行われるのだろうか。グーグルでググってみると、武相二十五、都筑橘樹十二、武南十二、相模二十一、稲毛七、足立十二、中武蔵七十二、伊予十二、四国四十九、京都十二などと次から次へと現れる。いろいろ…

満開の桜を観にあちらこちらへ

コロナウイルスのために、ここ2年間は外出を控えていた人は多かったことだろう。その反動で、今年は特にきれいに感じられるのだろう。桜の花を愛でるために、多くの人が繰り出しているようである。私もその一人である。日々の散歩の中で、膨らみ始めたつぼみ…

早島大祐ほか『首都京都と室町幕府』を読む

一般に、歴史の本は出来事を辿りながら説明している場合が多い。室町時代であれば、観応の擾乱(1350-52)、享徳の乱(1455-83)、応仁の乱(1467-77)など、幕府を二分しての戦いを中心に描こうとするだろう。しかし出来事だけを追っていると、大きな流れを見逃し…

カルロ・ロヴェッリ著『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』を読む

本の副題が「美しくも過激な量子論」となっているので、量子力学について一般向けに分かりやすく説明した本だろうと勝手に思い込んで読み始めたら、期待は見事に裏切られた。アインシュタインもファインマンも理解できないと言った「不思議なことが起きる量…

高たんぱく・低糖質のチョコレート・プロテイン・ケーキを作る

キルティングが大好きなカリフォルニアの友人が、マグカップ用の敷物を作り、送ってくれた。 小片の生地のつなぎ合わせで生じる幾何学模様が、座布団に座っていた子供の頃の世界や、陽光に照らされた教会のステンドグラスや、パッチワークのような美瑛の畑な…

辻本雅史著『江戸の学びと思想家たち』を読む

幕末から明治にかけての変革はすさまじいスピードで進行した。西洋の政治・経済・技術を取り入れてのものだが、全く異質の世界を、なぜかくも早く吸収できたのだろう。その真相を知りたくて、江戸時代の思想史をいろいろと読みあさっている中で、この本に出…

谷口雄太著『〈武家の王〉足利氏』を読む

先週の日曜日、鈴木由美さんの「中先代の乱」の講演があり、聞きに出かけた。この乱は、鎌倉幕府最後の将軍北条高時の遺児の時行が、その再興を目指して起こした乱である。鈴木さんは、このときの時行は10歳以下である、と述べられた。このような幼い子に政…

ジューシーな肉を求めてターキーを焼く

新型コロナウイルスは、大人数で集まる機会をみんなから奪ってしまった。以前はこの時期になると、普段は会えない家族・親戚、友人・知人たちとクリスマス会・忘年会・新年会といっては、集まったものであった。しかし急拡大したウイルスの蔓延によって、一…

暮れの忙しい時期に、AI仕立ての高級なスペアリブ

年末は、なにかと忙しい。子供の頃はこの時期になると、いつもお餅ばかり食べさせられていたと記憶している。新たな年を迎えるための準備に忙しかった母は、食事までは手が回らなかったのだろう。正月に向けて用意した餅を七輪で焼いて、三度三度、食べさせ…

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に先立ち、ゆかりの地を散策

今秋は、旅行の日は天候に恵まれることが多く、ついている。鎌倉を訪れた先週の水曜日(24日)も、雲一つない快晴であった。風が強く吹くので冬支度でと天気予報では伝えていたが、海からの風は穏やかで寒さを感じさせることはなかった。鎌倉を良く知る人に案…

小春日和のなか小田原城を訪れる

小春日和の月曜日(15日)、小田原城に出かけた。ここは、戦国時代には小田原北条氏、徳川時代には大久保氏、稲葉氏、再び大久保氏が城主となった。室町時代末期に、伊勢宗瑞あるいは北条氏綱がそれまでの城主の大森氏から小田原城を奪ったとされている。戦国…

小田原北条家ゆかりの地を訪ねる

よく晴れた一昨日(5日)、歴博主催の見学会「早雲寺」に参加し、箱根湯本に行ってきた。ここは小田急線利用なので、ちょっと贅沢をしてロマンスカーを使った。かつては「走る喫茶店」と称せられたが、今年3月に車内販売が終了し、ひところの高級レジャー感は…

岡本裕一朗著『ポスト・ヒューマニズム テクノロジー時代の哲学入門』を読む

コロナウイルスに感染する人の数は、予想をはるかに超えて急激に減少し、多くの人は、この状態が維持されることを願っていることだろう。ところでコロナウイルスが終息したあとに訪れる世界は、起きるまえの継続なのだろうか、それともカタストロフィックに…

出羽三山を訪れる

先週の土曜日から日曜日にかけて、山形県の出羽三山を訪れた。山岳信仰・修験道の地として有名ということ以外はなにも知らない。山形県も蔵王に行ったことぐらいしかない。百聞は一見に如かずなので、一度見ておこうと思いツアーに参加した。ほとんどがバス…

家族システムの変遷(IV) 源氏物語より平安時代の家族システムを探る

今年は残暑が厳しいと感じていたら、突然に秋がやってきて、北海道からは雪の便りが伝えられ、季節の急激な変化にビックリしている。同じように、あれほど多くの人に脅威を与えたコロナウイルスも、驚くほどの速さでしぼみ始めている。このまま続いてくれる…

伊藤俊一著『荘園』を読む

伊藤俊一さんが書かれた『荘園』は高い評判を得ているようである。日本の中世の骨格をなしたのは荘園であるが、領主と農奴という単純な構造からなる西洋のそれと比較すると、土地が幾重にも権利化されいて実態を捉えにくい。また荘園に対する考え方も、かつ…