2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
3.表現可能関手 世の中のものにはそれぞれ名前がついているのが普通で、いちいちその由来を考えることはないが、時々なぜと頭を悩ませるものがある。表現可能関手(representable functor)もその一つだ。この関手が、何を表現可能にしてくれるのだろうと考…
2.2 余単位-単位随伴による定義 随伴の定義には先に説明したもののほかに、いくつかの同値な言い換えがある。その中で、よく知られているものに、余単位(counit)-単位(unit)随伴がある。これは次のように定義される。圏\(\mathcal{C}\)と\(\mathcal{D}\)…
2. 随伴 ストリング・ダイアグラムでの表現にも慣れてきたので、いきなりジャンプして、圏論の真髄ともいえる随伴について考えることにしよう。 2.1 随伴の定義 ウィキペディアでは、随伴を次のように定義している(但しここでは記号は変えてある)。圏\(…
1.7 \( {\rm Hom}\) 関手 圏論らしいと思わせてくれる関手の一つが\( {\rm Hom}\) 関手である。これは射を集合として扱えるようにしてくれる素晴らしい機能である。 1)\( {\rm Hom}\)集合 \( {\rm Hom}\) 関手の説明に先立って\( {\rm Hom}\)集合を説明…