2022-01-01から1年間の記事一覧
万物の創造主は神であるとする宗教や神話は多いが、中国の人々は神に代わるものとして「気」を用いた。今日の日本語の中にも、空気・天気・気分・気配など気を用いた熟語は沢山あるが、これらの多くは「気」を語源としている。「気」は宇宙を生成・消滅・変…
夏の終わりに訪れた九品仏浄真寺に、昨日(2日)紅葉を愛でに出かけてきた。この寺は大井町線の九品仏駅からはすぐ、隣の自由が丘駅からも1km足らず、とても便利なところにある。九品仏という名前が示すように9躯の阿弥陀仏像があり、17世紀に建立された寺であ…
桜の時期にはまだまだ早いけれども、ワシントンのポトマック河畔に桜の木を植樹することを最初に提案したのは、エリザ・シドモアさんである。この提案は何度も拒絶され、実現には24年を要した。彼女は紀行作家で、在横浜米国総領事館に勤務していた兄を訪ね…
県立金沢文庫で運慶に関する講演があったので、ついでに称名寺の秋を楽しんだ。昨日(25日)は秋晴れの清々しい日で、ベンチに座っておにぎりを頬張った。近くではこの辺りの主と思われる猫が、邪魔な人が来たと言わんばかりの様子で、秋の温かい日差しをいっ…
恒例のこととなったがある歴史のサークルで今年も「家族システム」に関連して発表を行った。退職後に始めた歴史の勉強も早いもので7年目となった。大学生に置き換えると、卒業したあと大学院に進んで修士論文を書く時期だろう。いまさらながらという気もする…
先週は素晴らしい秋晴れの日が続き、多くの人が紅葉を楽しむために出かけたことだろう。我々も金曜日(11日)にテレビで紹介された国営昭和記念公園に出かけた。国営公園というものを知らなかったので、国土交通省のホームページで調べると「国が管理する都市…
秩父平氏のことを調べていたら、ゆかりの寺が近くにあることが分かった。NHKの大河ドラマで、畠山重忠(中川大志)が北条義時(小栗旬)と戦った場面を覚えている人は多いだろう。今回紹介する大泉(だいせん)寺は、ドラマでよく知られるようになった重忠ではなく…
東京のはずれというよりも、神奈川県の中央部と喩えた方が適切な場所から、3時間近くかけて、埼玉県中部の嵐山町を訪れた。 ここは鎌倉時代初め頃に活躍した畠山重忠(しげただ)の館があったところである。また木曽義仲が誕生したところでもある。義仲の父源…
世界の中での日本のGDP比は、ピークであった1994年には17.9%を占めていた。それに対して中国は2.0%であった。しかしこの構図は今では完全に逆転し、2021年には日本は5.1%、中国は18.1%である。経済・軍事大国として勢いを増す中国から逃げようとしても、…
横浜市歴史博物館は、この秋から開催する企画展「追憶のサムライ」に先立って、プレ連続講座を行った。先週末(9月17日)はその最後ということで、東大史料編纂所の井上聡さんが「鎌倉御家人の所領経営」の話をした。話し上手な方で、またとても興味が湧く内容…
あつぎ郷土博物館に行ってきた(9月16日)。ボランティア仲間から特別展が開催されていることを聞き、そのホームページで調べたら終了間近だと分かったので、おっとり刀で出かけた。交通案内を調べたら途中の道路が渋滞していたので、電車・バスを使用した。 …
小学校の教科書で紹介されたこともあり、広く知られている登呂遺跡(静岡市)を訪ねた(9月11日日曜日)。ここは2000年前の住居・水田の跡が残る弥生時代の歴史的遺産である。東京を出たときは曇っていたが、三島を過ぎ、富士山が真横に迫ったころには、その山頂…
小学校低学年であった孫と、桜吹雪の舞う小川に沿って家族で散歩していたとき、彼が風に舞う桜花に操られるように、あちらへこちらへ走り回り、やっと捕まえた数枚の花を、惜しげもなく川面に投げこんだ。透明に澄んだ水中では、春を楽しむかのように一匹の…
今年は夏のはじまりも早かったが、秋のはじまりも早いようだ。いつも散歩をしている田圃の畔道に、お彼岸のシンボルともなっている曼殊沙華が早々と咲いていたので、目を疑ってしまった。ボランティアをしているある会から近くの文化財を紹介して欲しいと依…
今年はNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のお陰だろう、鎌倉時代に関係するメディアの露出が目立っている。それに引き付けられて、いつの間にか鎌倉時代に関する本をたくさん読んでしまった。仲間と談笑しているときに、気が付けばいっぱしの鎌倉ツウであるかの…
運慶は、源頼朝から多大な庇護を受けたが、彼の作品はなぜか鎌倉にはない。鎌倉の近くでは、伊豆の願成就院と横須賀の浄楽寺にある。願成就院は北条氏の氏寺、浄楽寺は和田義盛夫妻の発願によるものである。和田氏は三浦一族であるものの、この寺は三浦氏の…
鎌倉のお寺でどこが一番好きかと尋ねると、詳しい人ほど覚園寺をあげる。コロナが始まる前は、寺僧の説明による拝観ツアーを楽しむ訪問者に評判だったお寺である。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で中心となっている北条義時ゆかりの寺として、今年は賑わうこと…
梅雨の時期、雨を心配しながら、2回に分けて鎌倉巡りをした。1回目は鶴岡八幡宮を中心に、鎌倉幕府が設けられた三か所(大倉幕府・宇都宮辻子幕府・若宮大路幕府)と、鎌倉殿の13人に出てくる有力武士の邸跡を訪ねた。2回目は北鎌倉駅を出発点にして、小雨の中…
ウクライナへのロシアの侵攻が、多くの人々に戦争の現実を鮮明にさせてくれた。日本の戦国時代も同じように人々は戦争に明け暮れた日々を過ごしていた。そして戦国時代中頃のヨーロッパからの鉄砲伝来は、これまでの政治・経済・社会の体制に大きな変化をも…
歴史学者の網野善彦さんが「百姓は農民ではない」と言明し、そしてそのあとの歴史学に大きな影響を及ぼした。神奈川県立歴史博物館では「洞窟遺跡を掘る―海蝕洞窟の考古学―」という特別展示を行っている。この展示は「弥生時代=水田稲作」ではないことを改…
最近になって中国や朝鮮半島との「関係」の中で、日本の歴史を論じる本が増えてきたようである。日本の歴史が孤立しているわけではないのに、隣接の地域との関連で論じない傾向にあることにずっと疑念を抱いていた。最近の流れはこれを打ち破るもので歓迎し…
この日(4月25日)は、前の日に写真を撮りそこなった史跡を巡った。前日とは打って変わって真っ青な空、気温もそれほど高くはなく、散歩を兼ねながら歴史的建造物を見るのにはとても恵まれていた。出発地点には東横線反町駅を選んだ。この線は桜木町駅を終点と…
今回紹介するのは神奈川宿の西半分で、しかもその全部ではなく東寄りの部分である。午前中は、雨は降らないだろうと淡い期待を寄せていたが、見事に裏切られた。最後の方は急ぎ足になったこともあり、写真を撮る余裕がなかったので次の日に再挑戦した。今回…
日曜日(4月24日)に、東海道53次の宿場の一つである神奈川宿を、この地に30年住んだことがあるという知人に、案内してもらった。東海道は、律令制度での五畿七道の中に含まれているが、街道として広く利用されるようになったのは、江戸時代になってからである…
遂に最終日。残された三つの寺を巡るだけとなった。すっきりしない日が続いたが、今日は午後には晴れて気温が高くなるというので、その前に出かけることにした。訪問するお寺はいずれも町田市の中央東側で、電車の駅からは遠く、バス利用の不便なところであ…
今日は横浜線のさらに北側の長津田駅から町田駅までの間にある二つの寺をめぐった。 最初に訪問する寺院は福泉寺。長津田駅からそれほど遠くないところにある。駅周辺には、この地域では大規模といえる大林寺がある。 そして板碑(写真右)は横浜市内では最大…
今日は昨日の続きで、横浜線の十日市場駅から中山駅の間にある四つの寺を訪れた。久しぶりに晴れ、気温も20℃を越え、汗ばむ中での霊場巡りとなった。 寶袋寺のホームページによれば、この寺は慶長年間(1596-1615)に顕堂長察により開山された。建立地から、古…
今日は、最高気温が20℃に達しないので、寺院巡りに向いているが、どんよりしているのが気になる。案の定、途中から雨が降り出し、5寺巡ろうと思っていたが、他のアクシデントも重なって、最後にと予定していた寺は、次の機会となった。訪れるところは、横浜…
午後は用事があるので、朝の散歩代わりに三寺を巡った(4月17日)。長津田駅を出発してこどもの国線に沿って恩田駅まで行き、折り返して田奈駅へと向かった。 福昌寺へ向かうあかね台は、八重桜が満開。 途中には藤の花も咲いていた。 新編武蔵風土記稿によれ…
昨日(16日)は横浜線に沿って南に下り、三つの寺を参拝した。前日までの冬を思わせるような肌寒い雨の日が続いたあとの、少しだけ良い方に向かっていた午後に出かけた。現在の中原街道(県道45線)、かつて鎌倉往還を下って(江戸に向かって)の寺巡りである。 最…