トピックス
歴史的建造物として知られる城や寺院を訪ねると、その時代を代表する建築技術や意匠に触れることができる。時には、その精巧さに感嘆することもある。しかし一方で、庶民がどのような家に住んでいたのかにも強い興味を覚える。庶民の住宅には、当時広く用い…
東京ではまだ梅雨明けが発表されていない。ひところの梅雨空から一転して、この頃は晴れ間がのぞき、堪えがたいほどの蒸し暑さが続いている。日中はクーラーをつけっぱなしにし、本を読んだりパソコンに向かったりしながら、家に閉じこもることが多い。唯一…
先日、機会があって町田市の薬師池公園にある古民家「旧永井家住宅」を訪ねた。1974年(昭和49年)に移築された建物である。思い返せば、その5年前には、当時住んでいた川崎市で「日本民家園」が開園し、見学に行ったことがあった。どうやらこの頃から全国的…
横浜の山手と山下を、生涯教育のプログラムで知り合った仲間たちに案内した。ゴールデンウィークも終わり、平日だというのに街は人で溢れかえっていた。初夏を迎え、夏日となる日も多くなってきたが、乾燥したさわやかな空気の中、木陰に入るとひんやりとし…
生涯学習を本格的に行っている大学で研究生たちの中間発表会があり、知人も発表するというので聴講した。研究生の多くは社会人として長く活躍した後、人生の次の段階を設計するために学び直しており、取り上げられるテーマもシニア世代の課題が中心であった…
広島の友人から突然メールが届き、彼の元同僚の遺作展が開かれているので、よければ鑑賞してみてはどうかと誘われた。展示はすでに始まっており、残りはあと二日しかなかった。添付されていたパンフレットには、CDケースの内側に絵を描いた作品だと記されて…
まだ四月だというのに、一昨日は静岡市で30度を超え、東京でも26度に達した。世界の政情も、この気候の異常さに負けず劣らず大きく揺れ動いており、心の休まる日が少なくなっている。そのような折、地図と日記から江戸時代の村の姿を考えるという企画があっ…
昨日のニュースによれば、東京では桜が満開になったという。今日はよく晴れている。家の近くの桜もさぞ見頃だろうと思い、このあたりで名所といわれる恩田川へ出かけてみた。川へ向かう道路も、両側が桜並木になっている。満開ともなれば枝が空を覆い、淡い…
ある大学の生涯教育で知り合った仲間たちから、横浜の名所を案内してほしいと頼まれた。依頼は別々のグループからで、一方は弥生時代の集落と墓の遺跡である「大塚・歳勝土遺跡」、もう一方は横浜開港後に発展したハイカラな街「馬車道」の案内である。いず…
一、二週間ほど前、濃いピンク色が印象的な河津桜のニュースがあちらこちらで流れていた。しかしこの頃はいくつか行事が重なり、出かける機会を逃してしまった。もう見頃は過ぎてしまったのではないか――そう思いながらも気になり、川崎市生田を流れる五反田…
本展は、モネ没後100年を記念して開催された、オルセー美術館所蔵作品による『クロード・モネ展』である。展覧会の公式サイトでは、モネを「移ろいゆく自然の光に魅せられ、その美をキャンバスにとどめた画家」と紹介している。クロード・モネ(Claude Monet…
以前から神奈川の古墳文化に関心を抱いていた私は、横須賀市自然・人文博物館で埴輪が展示されていると知り、足を運んだ。埴輪とは、古墳の周囲に並べられた特別な形をもつ土製品である。その用途については、死者を祀るための聖域を示す標識であったとする…
論文の作成方法は人それぞれだと思うが、私の場合は、まずパワーポイントで図を描くことから始めている。特に、論文の主旨を最も端的に表現していると思われる図を(できれば)複数作成するよう心がけている(もっとも、図の作成が難しい場合は、表やリスト…
この秋、東京と神戸の両地で別々のゴッホ展が開催されており、ファン・ゴッホへの関心は一層高まっているように思われる。私自身も東京都美術館で「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」を鑑賞し、さらに、この展示を企画した学芸員・大橋菜津子氏による講演を…
豊洲市場は「東京の食の大動脈」とも呼ばれ、大量かつ多種多様な生鮮食料品を生産者から卸売業者へとつなぐ流通の要衝である。2019年に開場した豊洲市場は、築地市場の記憶を受け継ぎ、その役割を引き継いでいる。威勢の良い掛け声とともに行われるマグロの…
東京都公文書館の沿革 約2週間前、東京都公文書館を訪問した。ここは、都政の歴史的記録を保存・公開するために設置された専門施設であり、その前身は1952年に設置された「東京都都史編纂室」にさかのぼる。1968年10月1日には文書管理機能を統合し、「東京都…
この夏の気象変化は激しく、太陽が照れば灼熱、雨が降れば洪水と、異常気象が続く中で、都市の排水インフラの重要性を改めて実感させられる。秋雨前線が日本列島を覆うこのごろ、線状降水帯が各地で発生し、次にどこで豪雨被害が起きるかわからない不安が広…
最近ではほとんど見かけなくなったが、お盆の季節には、先祖を迎えるための風習が各地に存在していた。現在暮らしているこの地域では、どのような風習が残っているのだろうかと思い、農家を営む家を見つけては玄関先をのぞいてみた。しかし、見つけることが…
舗装道の脇や古い石塀に、まるで鉄がさびたようなオレンジ色の斑点が点々と現れるのを目にする。あまりにあちこちに見かけるので、いたずら書きとは思えず、「もしかして、これは生き物なのでは」と感じたこともあったが、それ以上立ち止まって考えることは…
ある会合で、「香を聞く」を体験をした。これは「聞香(もんこう)」と呼ばれ、日本の伝統芸道の一つ「香道(こうどう)」における中核の所作であり、香木の香りを鑑賞する行いである。ここで言う「聞く」とは、単に嗅ぐのではなく、心を澄ませて香りと向き…
町田市立国際版画美術館では、毎月第4水曜日が「シルバーデー」となっており、シニア世代にとって嬉しい日である。「日本の版画1200年」の後期展示が公開されるとのことで、今回訪問した。前期展示に続く再訪であり、前回見逃した南北朝時代から室町時代にか…
この特別展を訪れたのは、もう10日前のことになる。NHK大河ドラマ『べらぼう』の影響もあり、この展示は特に混むだろうと予想して、開幕2日目に訪れた。予想はほぼ的中し、どの作品の前にも人だかりができていた。しかし、少し待っていると隙間ができる程度…
「版画って、なに」と聞かれれば、真っ先に浮かぶのは浮世絵である。これらが生み出されたのは今から200年前の江戸の後期である。町田市の国際版画美術館での特別展は、『日本の版画1200年』となっている。さらに1000年も前なので、なぜなのだろうと興味を持…
トーハクでは大覚寺展が開催されている。テレビなどで紹介されると混雑するようになるので、それを避けるために開幕3日目に訪れた。ゆっくり見られるのではと願いながら行ったのだが、どこの展示の前にも複数人おり、淡い期待は裏切られた。それでも、しばら…
半年も前なので覚えている人は少ないだろうと思われるが、NHKの大河ドラマ『光る君』で藤原道長の子供たちが舞楽を舞うシーンがあった。一条天皇の母で道長の姉である栓子が40歳を迎えたので、その祝が催された。現在では40歳なんて若いと思われているが、短…
横浜市歴史博物館で、令和6年かながわの遺跡展「縄文のムラの繁栄ーかながわ縄文中期の輝きー」が開催されている。タイトルの通り、縄文時代中期の土器類が所狭しと飾られている。縄文土器が好きな人にとっては嬉しい展示である。縄文時代中期は、5,500~4,50…
選りすぐりの埴輪が出展されているとブログで見たので、興味を抱きトーハクに出かけた。連休明けの火曜日は博物館や美術館は通常は休館になるのだが、この展示だけ、この日は例外だった。多くの人は休館と思い込んでいるだろうから、混まないと予想して出か…
小学校に上がる前の記憶なのではっきりしないのだが、秋になると近所の神社に芝居小屋が設けられ、田舎芝居が昼から夜にかけて行われていた。近辺の人はそれぞれの家からゴザを持ち出し、空いている場所にそれを広げて鑑賞した。その頃は、テレビなどない時…
江戸時代の中ごろ、東海道・保土ヶ谷宿近くの永田村周辺で、思いがけず禅文化が花開いた。幕末頃の保土ヶ谷宿の様子は、歌川広重の浮世絵(Wikipediaより)から知ることができる。手前の川は帷子川(かたびらがわ)で、橋は帷子橋である。江戸から旅経ち、今まさ…
やっと暑さも和らいできたと思えるお彼岸のある日、川崎浮世絵ギャラリーを訪ねた。ここは川崎駅から至近距離のところにあり、とても便利である。決して大きなギャラリーとは言えないが、素晴らしい浮世絵を展示している場所とし好評である。この秋は小林清…