2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧
ある人に勧められて『第二のオスマン帝国──近世政治進化論』を読んだ。オスマン帝国については、高校の世界史で学んだ記憶があるものの、知識としてはほとんど残っていない。本を読み返すことは滅多にしないのだが、今回は見慣れないカタカナの用語や馴染み…
舗装道の脇や古い石塀に、まるで鉄がさびたようなオレンジ色の斑点が点々と現れるのを目にする。あまりにあちこちに見かけるので、いたずら書きとは思えず、「もしかして、これは生き物なのでは」と感じたこともあったが、それ以上立ち止まって考えることは…
ある会合で、「香を聞く」を体験をした。これは「聞香(もんこう)」と呼ばれ、日本の伝統芸道の一つ「香道(こうどう)」における中核の所作であり、香木の香りを鑑賞する行いである。ここで言う「聞く」とは、単に嗅ぐのではなく、心を澄ませて香りと向き…
植物の多様性について学んだあと、帰宅するのにはまだ早すぎたので、ついでと言ってはなんだか、植物園を見学した。園内では、菖翁生誕250年企画「薫風に香る江戸の華~はなしょうぶ」が開催されていた。江戸時代中期、旗本の松平定朝(さだとも)がハナショ…
東京も梅雨に入ったと伝えられた日に、調布市にある神代植物公園を訪れた。とはいっても、ここのメインであるバラ園ではなく、伊豆諸島の草木を調べるためであった。島は誕生した場所によって、大陸島か海洋島に区分される。大陸棚の上にある島を大陸島とい…
町田市立国際版画美術館では、毎月第4水曜日が「シルバーデー」となっており、シニア世代にとって嬉しい日である。「日本の版画1200年」の後期展示が公開されるとのことで、今回訪問した。前期展示に続く再訪であり、前回見逃した南北朝時代から室町時代にか…
この特別展を訪れたのは、もう10日前のことになる。NHK大河ドラマ『べらぼう』の影響もあり、この展示は特に混むだろうと予想して、開幕2日目に訪れた。予想はほぼ的中し、どの作品の前にも人だかりができていた。しかし、少し待っていると隙間ができる程度…
かつては学芸員として活躍され、今も歴史遺産を精力的に紹介し、その情熱からは老いを感じさせない方に案内されて、久しぶりに鎌倉の円覚寺を訪れた。この寺院は鎌倉時代後期の弘安5年(1282)、第8代執権・北条時宗によって創建された臨済宗の寺院で、鎌倉五…