植物の多様性について学んだあと、帰宅するのにはまだ早すぎたので、ついでと言ってはなんだか、植物園を見学した。
園内では、菖翁生誕250年企画「薫風に香る江戸の華~はなしょうぶ」が開催されていた。江戸時代中期、旗本の松平定朝(さだとも)がハナショウブの育種を飛躍的に進め、多くの品種を作り出し、晩年には自らを「菖翁(しょうおう)」と号した。「菖翁」こと松平定朝の生誕250年を記念しての展示である。正門には代表的なものを選んだのだろう、とてもきれいな「ハナショウブ」が展示されていた。ハナショウブは水生植物園で見ることができるが、この公園とは別の区画にある。

この公園のウリであるバラ園は盛りを過ぎていたが、まだまだその美しさを誇っていた。


アジサイは期待していたのだが少し早すぎたようである。


シャクナゲの季節はすでに過ぎていた。葉ばかりとなったシャクナゲ畑のなかに、面影を伝えるかのように小ぶりの花を咲かせている野草を見つけた。

その後は、大温室にはいって見学。最初はラン、

続いて、ベコニア、

そして、スイレン。

最後に化け物のショクダイオオコンニャク。世界最大の臭い花と紹介されていた。そして、次のような説明文があった。インドネシアのスマトラ島だけに生育するサトイモ科の希少植物(絶滅危惧種)で、高さ3m、直径1mにもなる大きな花を咲かせることから、「世界で一番大きな花(花序)」と言われている。腐った肉のような強烈な悪臭を放つことで有名。地下に大きな芋(球茎)があり、そこから1枚の大きな葉を出して栄養を蓄えることを数年繰返し、球茎が充分に大きくなると花芽をつけ、花を咲かせる。開花したのは6月3日なので、一週間後の姿である。

神代植物園は広大で花の種類も多いので、好きな花が盛りの頃を狙っていくのが良さそうである。今回は、別件があっての訪問だったが、バラもハナショウブも、少し遅れたとはいえショクダイオオコンニャクの開花後も観察することができ、恵まれた時期の見学であった。