bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

東北城柵巡りの旅 秋保温泉・磊々峡

今回の旅行の最後の宿泊地は秋保温泉である。奥州三名湯の1つとして数えられ、大和物語や拾遺集に名取の御湯と歌われた温泉である。その起源は1500年ほど前までさかのぼり、時の帝の欽明天皇が疱瘡(天然痘)に罹ったとき、治癒を祈祷したところ、奥羽秋保の温…

東北城柵巡りの旅 東北歴史博物館

多賀城跡を訪ねた後、国府多賀城駅の反対側にある博物館に寄った。遺跡に隣接しているので、その関連の遺物を紹介しているのだろうと予想したが、そうではなく、東北地方の歴史を全般的に網羅していた。写真を中心にして、紹介していこう。東北歴史博物館の…

東北城柵巡りの旅 多賀城

多賀城が創建されてから今年は1300年の節目である。これを記念して、外郭南門が復元され、いくつかの催しも予定されている。ここを有名にしているのは多賀城碑だろう。これは江戸時代初めに発見され、「壺碑(つぼのいしぶみ)」*1と呼ばれた。「奥の細道」で…

東北城柵巡りの旅 盛岡・レトロ建築

盛岡市のホームページを漁っていたら、ニューヨークタイムズ紙で「2023年に行くべき52か所」の中の2番目に盛岡が選ばれたという記事を見つけた。1位はロンドンで、その理由はチャールズ国王の戴冠式があるからとあった。では、なぜ盛岡がこの次なのだろう。…

東北城柵巡りの旅 志波城

東北城柵巡り二日目は盛岡市で、最北端にある城柵の志波城を見学することが主要な目的である。旅館からのバスが予定していた時間よりも早く角館駅に着いたので、ひとつ前の新幹線に乗れそうである。このようなとき「えきねっと」は助かる。スマホから簡単に…

東北城柵巡りの旅 角館・武家屋敷

秋田で古代の城柵を見た後で、角館で近世の武家屋敷を見学した。宿泊もこの地なので、旅館のバスが迎えに来るまで江戸時代にタイムスリップして散策を楽しんだ。駅前で荷物を旅館まで届けてくれるように手配し、ガイドマップを貰った。そこには次のように紹…

東北城柵巡りの旅 秋田城

やっと秋めいてきた時期を狙って、東北の城柵巡りをした。城柵という言葉を聞くとアラモ砦*1のような戦争のための要塞を思い浮かべてしまいがちだが、そうではなくて官庁(国の行政を行う組織)のイメージに近い。古代日本は律令制を取り入れて、朝廷・国・郡…

横浜市歴史博物館で「寳林寺・東輝庵展 横浜の禅―近世禅林のルーツ」を鑑賞する

江戸時代の中ごろ、東海道・保土ヶ谷宿近くの永田村周辺で、思いがけず禅文化が花開いた。幕末頃の保土ヶ谷宿の様子は、歌川広重の浮世絵(Wikipediaより)から知ることができる。手前の川は帷子川(かたびらがわ)で、橋は帷子橋である。江戸から旅経ち、今まさ…

宇野重規著『民主主義ってどこがいいの』を読む

民主主義の歴史は古いが、その足取りは軽やかなものではなくいばらの道で、隘路をやっと潜り抜けて、今日を迎えていると言える。将来も決して楽観することはできないが、これまでの足跡を検証して、今後に生かしていこうというのがこの本の趣旨である。冒頭…