bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

極限-極限の例

1.8 錐の例 今年のブログの締めは、少しでも圏論が身近に感じられるようにするために、錐の例を取り上げよう。前回のブログで、抽象度の高い、下図のような極限の可換図式を示した。 この可換図式は、錐を作成すると、それがどのような極限なのかを、示し…

ジューシーなターキーをクリスマスに楽しむ

昨年、ブライン液に浸して、ジューシーなターキーを食べることができたので、今年も、これを利用することにした。ただし、昨年は、塩だけしか利用しなかった。砂糖も一緒に用いるとよいという情報も得ていたが、甘くなるのも嫌だなと思い、塩だけでブライン…

極限-錐と極限のさらなる抽象化

1.7 錐と極限のさらなる抽象化 前回の記事で、錐は二つの異なる方法で作成できることが分かった。一つは、錐の頂点から錐の底面への写像を自然変換で与えるものである。もう一つは、求める錐の頂点から極限の錐の頂点への射を与えるものである。前回は、…

極限-錐と極限の抽象化

1.6 錐と極限の抽象化 前回の記事までで、インデックス圏を用いての粋と極限の求め方を説明してきた。その中では、インデックス圏から粋を作成しようとしている圏へ、三角形のまま移す関手と、一点にまとめる関手を用意した。前者は錐の底辺を形成し、後…

極限-極限の定義

1.5 極限の定義 前回の記事で、インデックス圏から錐を作成する方法を示した。 上図で、関手\(D\)によって、インデックス圏\(\mathcal{I}\)での三角形(頂点が対象、辺が射)が、圏\(\mathcal{C}\)に移され、これから作成される(三角)錐の底辺を形成する。…

極限-錐

1.4 錐 これまで、2回にわたって、圏論での極限の具体的な例を示してきた。そこでは、二つの対象\(A\),\(B\)とその極限\(A \times B\)ということで説明をした。また、極限は、ある条件を満たすものの中で最も良いものといういい方もした。また、ある条件…

極限-例:最大公約数

1.3 最大公約数 前回の記事では、集合を利用して、圏論での積を説明した。また、積の普遍性についても説明した。これらをさらに進めると、極限になる。しかし、もう少し例を挙げて、極限の説明をするための準備をすることにしよう。ここでは、集合から離…