bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

2021-01-01から1年間の記事一覧

ジューシーな肉を求めてターキーを焼く

新型コロナウイルスは、大人数で集まる機会をみんなから奪ってしまった。以前はこの時期になると、普段は会えない家族・親戚、友人・知人たちとクリスマス会・忘年会・新年会といっては、集まったものであった。しかし急拡大したウイルスの蔓延によって、一…

暮れの忙しい時期に、AI仕立ての高級なスペアリブ

年末は、なにかと忙しい。子供の頃はこの時期になると、いつもお餅ばかり食べさせられていたと記憶している。新たな年を迎えるための準備に忙しかった母は、食事までは手が回らなかったのだろう。正月に向けて用意した餅を七輪で焼いて、三度三度、食べさせ…

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に先立ち、ゆかりの地を散策

今秋は、旅行の日は天候に恵まれることが多く、ついている。鎌倉を訪れた先週の水曜日(24日)も、雲一つない快晴であった。風が強く吹くので冬支度でと天気予報では伝えていたが、海からの風は穏やかで寒さを感じさせることはなかった。鎌倉を良く知る人に案…

小春日和のなか小田原城を訪れる

小春日和の月曜日(15日)、小田原城に出かけた。ここは、戦国時代には小田原北条氏、徳川時代には大久保氏、稲葉氏、再び大久保氏が城主となった。室町時代末期に、伊勢宗瑞あるいは北条氏綱がそれまでの城主の大森氏から小田原城を奪ったとされている。戦国…

小田原北条家ゆかりの地を訪ねる

よく晴れた一昨日(5日)、歴博主催の見学会「早雲寺」に参加し、箱根湯本に行ってきた。ここは小田急線利用なので、ちょっと贅沢をしてロマンスカーを使った。かつては「走る喫茶店」と称せられたが、今年3月に車内販売が終了し、ひところの高級レジャー感は…

岡本裕一朗著『ポスト・ヒューマニズム テクノロジー時代の哲学入門』を読む

コロナウイルスに感染する人の数は、予想をはるかに超えて急激に減少し、多くの人は、この状態が維持されることを願っていることだろう。ところでコロナウイルスが終息したあとに訪れる世界は、起きるまえの継続なのだろうか、それともカタストロフィックに…

出羽三山を訪れる

先週の土曜日から日曜日にかけて、山形県の出羽三山を訪れた。山岳信仰・修験道の地として有名ということ以外はなにも知らない。山形県も蔵王に行ったことぐらいしかない。百聞は一見に如かずなので、一度見ておこうと思いツアーに参加した。ほとんどがバス…

家族システムの変遷(IV) 源氏物語より平安時代の家族システムを探る

今年は残暑が厳しいと感じていたら、突然に秋がやってきて、北海道からは雪の便りが伝えられ、季節の急激な変化にビックリしている。同じように、あれほど多くの人に脅威を与えたコロナウイルスも、驚くほどの速さでしぼみ始めている。このまま続いてくれる…

伊藤俊一著『荘園』を読む

伊藤俊一さんが書かれた『荘園』は高い評判を得ているようである。日本の中世の骨格をなしたのは荘園であるが、領主と農奴という単純な構造からなる西洋のそれと比較すると、土地が幾重にも権利化されいて実態を捉えにくい。また荘園に対する考え方も、かつ…

高橋哲哉著『デリダ 脱構築と正義』を読む

喉に刺さっていた魚の骨が取れた瞬間はほっとする。同じような気分を味わったのが、お彼岸のお墓参りのために、お供えの花を手に入れた瞬間だった。ジャック・デリダ(Jacques Derrida)の考え方がよくわからず、それを理解するために贈与に関係する参考資料を…

ユン・チアン著『西太后秘録 近代中国の創始者』を読む

1980年代の後半に公開された映画で、アカデミー賞9部門受賞の「ラストエンペラー」を見た人は多いことと思う。その導入部は、この映画の要約を表したものと思え、人生の浮き沈みの激しさを強烈に描き出している。清朝最後の皇帝溥儀(はくぎ)が、戦犯としてソ…

懐かしい田園風景が残る横浜市北部の寺家ふるさと村を訪問

オンラインでの国際会議の発表も無事すみ、やっと開放された気分になった。秋雨前線の影響を受けて長いこと雨の日が続いていたが、この日(9月7日)の朝は久しぶりに秋晴れとなった。うきうきとした気分となり、本当は旅行に出かけたいところだったが、コロナ…

モンゴル帝国の歴史を多読、数理的な論文に

コロナウイルスは変異を繰り返し、今では感染力がとても高いデルタ株が猛威を振るっている。さらに変異を繰り返し、ワクチンが効かない変種が現れたら、困ったことに、戦いは振出しに戻ってしまう。雅な生活を送っていた平安貴族たちの前に突然武士が現れ、…

白内障の手術によって、若い時の目を取り戻しました

子どもの頃からずっと目が良かったので、まさか白内障の手術を受けるようになるとは、つい2年前まで夢にも思わなかった。視力が落ちていることを思い知らされたのは、自動車運転免許の更新時の視力検査であった。若い時のように全てがきれいに見えることは…

とても簡単なスペインのアーモンド・ケーキを作る

カルフォルニアの知人とZoomミーティングをしているときに、とても簡単に作れるという触れ込みで、スペインのアーモンド・ケーキを紹介された。彼らはワクチン接種が終了してから数か月経っており、日常生活を取り戻している。このケーキも明日ディナーを共…

上田信著『伝統中国』を読む

グローバリゼーションによって、色々な国の人と付き合うようになった。文化が異なる人々とはそのつもりで構えるので、異質なことに出会っても気になることはない。しかし顔かたちでは区別ができず、漢字文化なので多くのことを共有していることだろうと思っ…

神奈川県立歴史博物館で特別展「錦絵に見る明治時代」を鑑賞する

コロナウイルスの一回目のワクチン接種が済んだので、少し気楽な気分となって、先週は歴史博物館に足を運んだ。鳥獣戯画の展示会が東京国立歴史博物館(トーハク)で再開されたので、その当日に見学に行った。大勢の人が訪れることを防ぐために予約制をとって…

西谷正浩著『中世は核家族だったのか』を読む

住宅街を歩いていると、苗字が異なる表札がかかっている家が、割合に多いことに気がつく。かつての日本は、男系の直系相続だったため、異姓の親子が同居していることはまれであった。しかし近年の現象は、娘に老後の面倒を見てもらう親が多くなったため、異…

五味文彦著『武士論』を読む

緊急事態宣言のために東京国立博物館は閉鎖され、楽しみにしていた「国宝 鳥獣戯画の全て」をゴールデンウィーク中に鑑賞することはかなわなかった。幸いなことに再開されるということなので、早速チケットを入手、明日実現できることになった。擬人化された…

藤田達生著『災害とたたかう大名たち』を読む

コロナに対する戦い方は、国によってさまざまである。自由が大好きな国民たちの米国や西ヨーロッパの国々は、ロックダウンによる強い規制を敷いて国民の行動を抑えようとしたが、コロナの蔓延は防ぎきれず、最後は科学を信じてワクチン投与を早い時期に開始…

白石典之著『モンゴル帝国誕生』を読む

モンゴル系民族の歴史として、杉山さんと島田さんの著書を紹介してきた。歴史学の手法は大別して、先人たちが残してきた文献資料を丹念に調べその当時の歴史をひもといていく文献史学と、遺跡を発掘して遺物からその当時の状態を解明していく考古学とがある…

島田正郎著『契丹国』を読む

東京に出されている非常事態宣言は、大方の人が予想していた通り、ゴールデンウィークで終わるわけはなく、月末までの延長となった。さらなる延長がなければと願うばかりだが、イギリス株やら、さらに怖そうなインド株の広がりも予想され、予断を許さないよ…

カリフォルニアからの贈り物:オレンジケーキ

ゴールデンウィークは非常事態宣言が発令され、うんざりとする中で巣ごもりをしている人も多いことだろう。私は3月の初旬ごろに断り切れないところから原稿を頼まれた。なんとかテーマを定め、そして下調べにと10冊近くもの関連書籍を読み、構想がおぼろげな…

ペリー提督から国書を受け取った井戸石見守ゆかりの町田市堂之坂公苑と東雲寺

恩田川の桜が満開になったのではと思い、出かけてみた。 しかし余りにも人手が多いので、わき道にそれて散策していると、門構えが立派な公苑を見つけた。 由緒正しそうな公苑で、恐る恐るのぞき込んでみると、案内の看板があった。 そこには、井戸石見守の名…

アメリカからの要望に応えて:豚ひき肉とコーンのスープ

日本料理のレシピを紹介して欲しいとアメリカから依頼が来た。いろいろ考えた末に、我が家に伝わるスープと、アメリカ人には人気が高い鳥の照焼き、そして付け合わせの簡単サラダピクルスを送ることにした。ここで紹介するのは、最初のものだ。私が好きな料…

アメリカからの要望に応えて:鶏もも肉の照焼き

アメリカからの要望に応えての、日本料理の紹介の続きである。ブログをいろいろ調べていたら、アメリカ人に好評なのは鶏肉の照焼きであった。甘辛い醤油味が彼らの舌に会うのだろう。春爛漫が近づいている。レシピとともに、桜の写真を添えておこう。近くの…

アメリカからの要望に応えて:簡単サラダピクルス

日本の本格的な漬物を好むアメリカ人は少ないだろうということで、油を使わないサラダ感覚で食べられるピクルスである。調味液は酢と砂糖を用いるが、米酢などの穀物酢が手に入らないときは、白ワインビネガーを用いるとよい。野菜は好きなもので構わないし…

Quick Steak Stir-Fryに挑戦

横浜市へと流れる恩田川は、町田市側の方は2kmにわたって、400本の桜の木が植えられている。この辺が開発されたころに植栽されたので老木になっているが、まだ頑張って毎年見事なショーを繰り広げてくれる。満開の頃には桜祭りが開催されるが、今年は、昨年…

Ginger Shakin' Beefに挑戦

コロナウイルスにより旅行がかなわない中、カリフォルニアに住む友人たちと、Zoomで定期的におしゃべりをしている。よもやま話が主で、楽しみを作っているという面が多い。料理の話が出たときに、「それではレシピを送るからね」と言われ、第一弾として、ビ…

虎尾達哉著『藤原冬嗣』を読む

藤原冬嗣は西暦800年の前後25年を生き抜いた。794年に平安京に遷都されたので、平安時代初期に活躍した公卿となる。父は藤原内麻呂、母は百済永継(えいけい)。母は苗字から分かるように渡来系、長男真夏と次男冬嗣を儲けた。そのあと桓武天皇の後宮に入り子…