bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

東北城柵巡りの旅 秋保温泉・磊々峡

今回の旅行の最後の宿泊地は秋保温泉である。奥州三名湯の1つとして数えられ、大和物語や拾遺集に名取の御湯と歌われた温泉である。その起源は1500年ほど前までさかのぼり、時の帝の欽明天皇が疱瘡(天然痘)に罹ったとき、治癒を祈祷したところ、奥羽秋保の温泉湯浴みすればよいと告げられたとのことである。

秋保温泉には、景勝地として知られた磊々(らいらい)峡がある。仙台市教育委員会が作成した案内板(一部変更)には、「奥羽山系二口渓谷より発した名取川は、この場所で急に川幅を狭め、急流となったりあるいは勢いを緩めて紺碧の深淵となったりする。両岸は秋保石と呼ばれる石英石質凝灰角礫岩*1よりなっていて、奇岩・怪石が磊々と重なり合い、奇面岩・八間岩・鳴合底・猪跳岩などの奇勝、さらに雨滝・糸滝など懸崖敷布して、一層景勝を豊かにしている。昭和6年小宮豊隆しにより磊々峡と命名された」と説明がある。

暖かな陽が差し込む朝、すがすがしい気分で磊々峡を散策した。しかし、真横に近い状態で朝の光が当たったため、光と影がまだら模様になり、あまり良い写真は撮れなかった。小さな渓谷を楽しむには十分ではないが、これよりはきれいだと想像しながら、鑑賞して欲しい。









東北はもうすぐ紅葉の季節を迎える。磊々峡も一段と美しさを増すことだろう。このような時期に訪ねられれば良いのだがと思いながら、今回の城柵巡りの旅を終えた。

今回の旅行に当たっては次のようなパンフレットを作製した。

*1:石英石質凝灰角礫岩は、火山灰と角張った岩片からなる岩石で、火山砕屑岩の一種である。