bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

銀杏入り茶わん蒸し

最近、散歩をしながらTEDトークを聴いている。広い範囲にわたって話題を紹介してくれる。その中で、最近、記憶についての話を聴いた。我々の仲間内での記憶についての話題といえば、人の名前がすぐに出てこないような、記憶力が悪くなった例の話になりがちだ。しかし、今回、TEDトークで聴いたのは、失われていく記憶ではなく、創られていく記憶だ。人々は経験したことを記憶として覚えるが、その記憶はその後のイベントによって変容するそうだ。その例として、殺人現場を見た人が、刑事の誘導により、無実の人を犯人と思い込み始め、さらには、断定するまでの状況を説明していた。

今回、銀杏の実を利用して茶わん蒸しを作ることになった。今日は茶わん蒸しを作ると言ったところ、妻が、結婚した頃に彼女の得意料理の茶わん蒸しを作ったところ、私からあまり好きではないと言われたので、そのあと余り作らなくなったと過去に感じた不満を漏らした。そのようなことを言った記憶はないが、しかし争っても仕方がない。わたしの、あるいは両方の記憶が変容したのだろうと解釈して、下ごしらえをしておいた銀杏の実を使って、茶わん蒸しを作ることにした。

茶わん蒸しは失敗することも多く、難しい料理の一つだそうだ。しかし、我が家のスチームオーブンレンジには、茶わん蒸しを自動で調理してくれる機能がついている。しかも、スチーム加熱を利用して。このため卵とだし汁の量を間違えさえしなければ失敗することはない。卵とだし汁は1:3にするのが原則。計量器を用いて、これをしっかりと守れば美味しい茶碗蒸しが完成する。

今日の食材だ(右端の砂糖は使わなかった)。今回は4人分だ。主役は、何と言っても、銀杏だ。脇役は、鶏肉(モモ肉40g)、干しシイタケ(2個分)、卵(M3個)、かまぼこ(薄切りにして4枚)、ウズラの卵(4個)、みつば、調味料だ。干しシイタケはあらかじめ、水に浸しておいた。
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まず、卵を計量した。160ccだ。従って、だし汁は3倍の480ccを必要とする。
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卵を大きめのおわんに移し、菜箸を底につけたままで卵をかき混ぜた。このとき、泡立てないようにした。卵の中に空気が混じりこんでしまうと、うまく固まらない。このため、菜箸を底につけたままかき混ぜるのが鉄則だ。
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次は、だし汁の作成だ。干しシイタケを浸しておいた水をカップに入れた。さらに、白だしを20cc加え(この瓶には40cc加えるようにと示されていたが、干しシイタケを浸した水を加えたため少なめにした)、さらに水を足して必要とされる480ccのだし汁を作った。
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次に卵液を作るために、ボールに卵とだし汁を入れ、かき混ぜた。かき混ぜ方は先ほどと同じで、菜箸を底につけたままだ。
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次に、これを濾すために、金属製ざると小鍋を用意した。
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ここに流し込む。ざるには卵白が残るので、これをスプーンで押してさらに流し込んだ。
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卵液ができたので、具を作った。鶏肉に、大匙半分の酒と塩少々をまぶして下味をつけた。
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かまぼこは薄切りで4枚を取り、さらに、半分に切った。
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具をうつわに入れた。今回は、それぞれに、銀杏の実3個、鶏肉10g、ウズラの卵1個、干しシイタケ3枚だ。
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さらに卵液をうつわの8分目まで入れた。
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うつわに蓋をして、スチームオーブンレンジに入れて、後は自動で(自動がない場合は、170度で15分程度)。
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スチームオーブンレンジでの調理が終わった後(34分かかった)、5分ほどそのまま蒸した。そして、みつばを入れて、出来上がり。
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地理の高級ワインを飲みながら、美味しくいただいた。
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主役の銀杏の実も、見事その役を果たしてくれた。