bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

クルミのねじねじパンに挑戦

コロナウイルスはとても正直だと思う。人と人の接触を制限すると収束し、大丈夫と思って規制を緩めると広がる。休戦のときがあるのではと儚い期待を抱いたが、最近の様子を見ると叶わぬ夢になりそうである。巣ごもりの状態が間断なく続きそうな気配さえ感じられるので、家で楽しめることを増やそうと思い、パン作りを始めた。これは、妻の大学時代の仲間内で話題になっていた「おうちパン」がきっかけである。

パン作りは、①生地作り②一次発酵③生地の分割④休ませ⑤成型⑥二次発酵⑦焼成⑧出来上がり、という複雑な工程から成り立っている。素人には手間がかかりすぎるので、材料を投入すればあとは自動的に作ってくれる便利なホームベーカリーもあるが、これでは目的に合わない。吉永麻衣子さんのおうちパンのレシピは、このような需要にこたえるものである。

パン作りに必要な材料にイースト菌がある。これはパンの生地に含まれている糖を栄養源に発酵する酵母で、発酵のとき炭酸ガスとアルコールを発生し、生地を膨らませる。イースト菌には「生イースト」と「ドライイースト」があり、発酵力が強く安定しているのは生イーストであるが日持ちしない。このため家庭ではドライイーストが好んで使われる。今回用いたのもドライイーストで、フランスのサフ社製のものである。この会社からは、糖分の少ない生地向け(糖分が12%以下)でビタミンCが添加されている赤サフ、ビタミンCが添加されていない青サフ、強い糖分にも菌が耐えられる(12%以上)金サフの三種類が提供されている。

今回用いたイースト菌は赤サフである。そして先に説明した一次・二次発酵を要するスタンダードな方法ではなく、吉永さんの動画やブログに頼りながら、冷蔵庫の中で8時間以上寝かせる低温発酵・長時間熟成でパンを作った。

材料は、
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昨今、家庭でパン作りに励んでいる人が多いらしく、赤サフのインスタント・ドライイーストの少量タイプは売り切れで、500g入りのものしか店頭になかった。1回のパン作りに2g使用するので、これだと25回もトライすることが可能で、我が家の食卓は自家製パンがずっと続くことになる。幸いなことに冷凍庫で保管すると1年以上も持つということなので、楽しみながら食べられるようにと示唆に従った。

内訳は、強力粉(130g)、全粒粉(50g)、サトウキビ糖(10g)、 塩(3g)、 インスタント・ドライイースト(2g)、ローストのクルミ(40g)、水(150g)である。全粒粉は麦の表皮・麦芽・胚乳の全てを粉にしたもので、今回はライ麦にした。これを用いるとパンは茶色になる。塩によって味が左右されると説明されていたので、少し凝ってグランドの塩を用いた。
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クルミはみじん切りに、
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粉類はボールに移したあと混ぜ、水を8割程度加えて練った。
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一様に混ざったところで、残りの水を加えてさらに丁寧に練り、
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クルミを加えて混ぜた。
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タッパーに移して、冷蔵庫で一晩寝かせ、
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翌日の朝取り出した。前日と比較すると、膨らんでいるのが分かる。
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打ち粉の代わりにサトウキビ糖で表面にまぶし、その量は表と裏で合わせて30g程度にした。甘味を強くするときは50g程度と吉永さんのブログにあった。
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生地とタッパーの間にヘラで少し隙間をつくり、タッパーを逆さにして生地を落とし、そして裏面にもサトウキビ糖をまぶした。
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三等分にし、それぞれを手で転がして棒状に、
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さらにねじった。オーブン皿に移し、200℃で10分焼いた。
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出来上がり。
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もっちり感のあるパンが出来上がり、サラダ、ソーセージ、コーヒーを仲間に加えて朝食を楽しんだ。パン作りの要領がつかめたので、種類を変えてトライしようと思っている。