bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

プロのレシピでラザーニャ・エミーリア風に挑戦するー生地作り

昨年暮れ、飯田橋にあるイタリアンレストランで、かつての職場の同僚と、ラザーニャを食した。とても美味しかったのでそのことを告げたところ、ありがたいことに、後日そのレシピを頂くことができた。折角なのですぐに試してみたかったのだが、運の悪いことにコロナウイルスでなるべく外出をしないようにとの自粛が始まり、その影響で家でケーキなどを作る人が増えたのであろう、強力粉や薄力粉が入手できない時期が長く続き、その機会はなかなか訪れなかった。やっと緊急事態宣言が解除され、近くのスーパーの棚にも必要な食材が並ぶようになったので、満を持して挑戦することにした。

挑んだのはプロの手になるレシピ。手順書は3.5ページ、調理にかかる日数も4日だ。うまく作れるか心配だ。常日頃、妻からは説明書を読まない人と言われていて、指示通りに作業することが嫌いあるいはできないタイプであると自身も自覚しているので、これほどの長い指示書に沿って、間違いなくやり通せるかについては自信がない。失敗は次の成功をもたらすだろうと楽観的に考えて、先週の金曜日より、ラザーニャ作りに励んだ。

ラザーニャ(lasagna)は、元々は料理の名前ではなく、平たい板状のパスタのことを言うそうだ(料理の場合には、オーブンで焼き上げたラザニアということで、ラザーニャ・アル・フォルノ(lasagna al forno)とも呼ばれるそうだ)。このため生地を作らないとラザーニャを作ったことにはならない。先だってレモンビスケットの生地を作ったが、今回の難しさはこの比ではない。バリラ社の乾麺を使ってもよいと教わったが、ここは王道を行くことにした。

1日目:生地作り

材料はいたって単純。強力粉(210g)、薄力粉(140g)、玉子(3個)、塩(小匙1/3)、オリーブオイル(大匙1と1/2)だけである。
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それでは始めよう。薄力粉、強力粉、塩を用意。
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それらを混ぜ合わせる。
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ふるいで混ぜ合わせ、ボールに入れる。
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真ん中を窪ませ、玉子とオリーブオイルが入る空間を作る。
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玉子はかき混ぜる。
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さらにオリーブオイルを加える。
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これを粉の真ん中に入れる。
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周りの土手を崩すようにしながら、水分と粉を馴染ませていく。
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水分が全体に回ったところで、生地をひねるようにしてまとめる。
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ラップに包んで一晩室内で寝かせる。
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2日目:生地伸ばし

午前中の作業をするために、一晩寝かせた生地を取り出す。表面を見ると、水分が多くなり、みずみずしくなったように感じられた。
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綿棒でひたすら伸ばす。目標は厚さ0.7ミリ。
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さらにさらに伸ばしていく。
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長くなりすぎてしまったので、3つに分割(頂いた作業書には分割してよいとは書いてない。正しい方向に進んでいるのかが心配)
さらに伸ばす。
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伸びなくなってきたので、ラップに包み、丸い棒に巻いて室内で、夕方まで寝かせる(これによりグルテンの力が弱まるそうだ。グルテンは、穀物の胚乳から生成されるたんぱく質のグルテニンとグリアジンが水を吸収して網目状につながったものである)。
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夕方取り出し、再度伸ばして、目標の0.7ミリになったところで、生地の切り分け作業に入る。手順書には、グラタン皿の大きさに合わせて切ると書かれている。これまでは丸い耐熱皿を用いてラザニアを作っていたが、今回のイベントに合わせて、ラザニア皿を購入した。しかし明日届くことになっているので、正確な大きさが分からない。購入先の広告を見ておおよその寸法を得たのだが、合っているか心配である。取り敢えず型紙を作って、それに合わせて、板状のパスタを作成(次の日に茹でるという作業があるのだが、パスタが伸びることを計算に入れてなかった。実はもっと小さめで良かった)。
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さらに端切れを利用して、小さいのも作る。
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初めてにしてはうまくいったかなと自己満足し、次の作業に備えて涼しいところで一晩寝かせた。

3日目:生地を茹でる

朝になってびっくり。生地は乾いているものの、曲がったり、ひび割れたりしていて、お行儀が悪い。伸ばしたときの厚さが一様でないことが影響したのだろうか、原因は定かではない。
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少し気落ちしながらも、茹でる作業にとりかかった。一つ一つ茹でていくので、時間節約のために茹でるための鍋を二つ用意した。それぞれには、7分目ぐらいの高さまで水を入れ、小匙1杯程度のオリーブオイルと大さじ1杯程度の塩を加えた。オリーブオイルはパスタがくっつかないようにするためだそうだ。但し、沸点が高くなるので注意とのことでもあった。また茹で上がったパスタを冷やすための氷水も用意した。
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生地は一枚一枚、透明感が感じられるようになるまでゆでた。また浮き上がっても来るので、小さい生地のときはそれを目安としたが、大きい生地の場合には、中心付近では下から上がってくるお湯の流れで常に浮き上がった状態になり判断しにくかったため、生地の色の変化を観察して取り出した。
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茹で上がった生地はすぐに冷水に入れて冷やす。
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ふきんで水分をとる。
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一枚一枚ラップで包む。
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型紙と比較すると、随分と膨張していることが分かる。次の作業のときは、さみで切り取って整形して使うことにし、一晩冷蔵庫で寝かせた。
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茹でたパスタを食してみたところ、ふんわりとした感じがありとても美味しく感じられ、戦場状態の忙しさであったことも忘れ、明日の完成に向けて希望が湧いてきた。

4日目:いよいよ完成

最後の日、ラザニア皿に並べた。
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今回の反省点:➀パスタ一枚一枚の大きさはラザニア皿の大きさでなくてよい。茹でやすさなどを考慮すると、茹で上がった時にラザニア皿の半分程度になるのがよさそうである(今回使用したラザニア皿(直径26.7奥行15.3深さ4㎝に対しては、10cmx5cmのパスタにするのがよさそう)。②生地を伸ばすと、大きく広がり過ぎて作業がしにくくなるが、このときは分割してよい。ラザニア皿には、一枚のパスタでなくても、タイルのように張り詰めも構わない。並べているときは美的な差を感じないわけでもないが、このあとの調理でその差はなくなってしまうので、形はあまり気にせず、同じ厚さになるように注意を払った方が良い。③ただ厚さを一様にするのはかなり難しそうで、一工夫も二工夫も必要そうである。

ということで、さらに次に進むことにしよう。