bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

四国・中国旅行ー鳴門

旅行日4日目。愛媛・松山から徳島・鳴門まで行き、最初に鳴門海峡で渦潮を見学。満潮時と干潮時には、それぞれ、瀬戸内海と太平洋の間で、海面に高さの差が生じ、高い方から低い方へと潮が流れる。鳴門付近では、本州と四国の間に、淡路島があり、特に狭い海峡を作っている。このため潮が激しく流れ、渦が生じる。この日の干潮は13時10分。我々が到着したのは11時半ごろ。大潮だったので、前後2時間ぐらいが見ごろ。ぎりぎりで枠内に入り、見事な渦潮を観察できた。


次に訪問した大塚国際美術館は、皆によく知られた名画で溢れかえっている。名前から想像できるように、大塚製薬が創業75周年事業として、平成10年(1998)に開館した。陶板により、世界の名画を千点余り、元の絵と同じ大きさで展示している。通常の絵画は、時間の経過とともに退行していくが、陶板の場合には2000年を超えても大丈夫と言われている。余りにも作品が多く、全てをじっくりと見ることはかなわなかった。走り抜けるように鑑賞したが、どれも素晴らしく、見応えがあった。その中から12点を選んだのが次である。

1. レオナルド・ダヴィンチ作「モナ・リザ」(1503-1506年頃) 所蔵:ルーヴル美術館(パリ)。ルーブル美術館で見たときは小さいと感じたが、ここではそのようなことはない。絵が明るい空間の中に置かれているためだろうか。他の人も小さくはないねと言っていた。この作品は、魅惑的なところがとても気に入っている。

2. ボッティチェリ作「ヴィーナスの誕生」(1483年頃) 所蔵:ウフィツィ美術館(イタリア・フィレンツェ)。古代文明の復活という文化運動が行われたルネサンスの時代を説明するときには、必ずと言っていいほどよく使われる作品で、子供のころから印象に残っている。暗い中世の時代から抜けて、人間らしさを取り戻し、「再生」する姿を良く表した作品である。

3. ヨハネス・フェルメール作「真珠の耳飾りの少女」(1665年) 所蔵:アムステルダム国立美術館(オランダ・アムステルダム)。オランダを旅行中のカリフォルニアの友達から、この作品を見たと写真を送ってきてくれた。なんといっても青色の使い方が大好きである。

4. レオン・ベリー作「メッカに行く巡礼者」(1861年) 所蔵:オルセー美術館(パリ)。高校生のときに、ピーター・オトゥールの「アラビアのロレンス」を見たかんどうしたが、そのときの場面を思い出させてくれる作品である。

5. ジャック=ルイ・ダヴィッド作「皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠」(1805年) 所蔵:ルーヴル美術館(パリ)。ナポレオンが、本来教皇から授けられる王冠を自らの手で戴冠し、「フランスの領土を保全し、国民の権利と平等と自由を尊重する」と宣言した。歴史の大きな転換期を描いた作品である。

6. ジャン=フランソワ・ミレー作「落穂拾い」(1857年) 所蔵:オルセー美術館(パリ)。小学校のとき美術室に飾ってあって、懐かしく思い出させてくれる。

7. ピエール=オーギュスト・ルノワール作「ピアノに向かう娘たち」(1892年頃) 所蔵:オルセー美術館(パリ)。ルノワールは大好きな画家。淡い色使いが印象的で、彼の作品を鑑賞するために、ボストン美術館に出かけた。

8. エドゥアール・マネ作「フォリー・ベルジェールのバー」(1882年) 所蔵:コートールド・ギャラリー(ロンドン)。モネとともに印象派を代表する作者で、白色がとても鮮やかに描かれていると思う。

9. ウジェーヌ・ドラクロワ作「民衆を導く自由の女神」(1830年) 所蔵: ルーヴル美術館(パリ)。これも時代の転換点を描いた作品で、フランス革命での庶民・女性の活躍を知らせてくれる。

10. フィンセント・ファン・ゴッホ作「ひまわり」(1888年) 所蔵:ナショナル・ギャラリー(ロンドン)。ひまわりと言えば最近はウクライナを連想するが、ゴッホの代表的な作品である。

11. エドヴァルド・ムンク「叫び」( 1893年) 所蔵:オスロ国立美術館(ノルウェーオスロ)。人間の内面を表わした素晴らしい作品。

12. パブロ・ピカソ作「ゲルニカ」(1937年) 所蔵:ソフィア王妃芸術センター(スペイン・マドリード)。ドイツ空軍による無差別爆撃を受けた1937年に描いた絵画・壁画。反戦を強く訴えた作品。

大学の同級生と一緒の四国旅行はここで終了。東京方面へ帰る友達とともに新神戸まで送ってもらい、そのあとは単独行動。新幹線で宿泊地広島に行く。列車が広島駅に近づくと、道路上を所狭しと、赤い服を着た人々が、練り歩いているのにびっくり。見た瞬間は、お祭りあるいはデモと思ったのだが、ここはカープの本拠地と気がついて納得した。それにしても余りの大きな集団に二度ビックリした。この日の行程は次の通り。