早々とトーハクの「三国志」を観に行った。前回の「東寺」は余りにも閉会日に近い時に訪れたために、会場の入り口に入る人であふれかえっていたので、断念せざるをえなかった。今回はその反省もあって、開催日の週に、しかも小雨の降る中を、朝のラッシュが過ぎた電車を乗り継いで、勇んで訪れた。昨年から今年にかけて、WOWOWで全86回の三国志の「司馬懿」を毎週欠かすことなく観たため、曹操、司馬懿、諸葛亮などとても身近に感じられるようになっていた矢先だったため、少なからず興味を覚え、今日(12日)訪ねた。
実は2日後に長野県飯田市にある竹本人形美術館を訪問する予定にしている。この美術館には35年前にNHKの人形劇「三国志」で用いられた人形が展示されている。しかしその一部はここトーハクに出張中のようだ。
左が蜀漢の初代皇帝の劉備、右が後漢末期の武将・政治家で、後漢の丞相・魏王の曹操、
左が呉の初代皇帝の孫権、
左が後漢王朝最後の皇帝の景帝、右が魏の初代皇帝の曽丕、
左が諸葛亮の南征で7回捕らえられ7回釈放されたという逸話のある孟獲、右が蜀漢の政治家で軍師の諸葛亮、
後漢末期の武将で孫権に仕えた甘寧、
魏の皇族で文学者の曹植だ。
前漢時代に貴族が好んだとされる工芸品の豹、
漢時代から三国時代に広東・広西で用いられた貨客船、
漢王朝時代の栄華を伝えてくれる石像、
後漢時代の死後の世界を照らしてくれる多層棟、
後漢時代の墓に副葬された四層穀倉楼、
三国時代の武器の弩、
三国時代の軍船模型、
後漢から三国時代にかけての方格規矩鳥文鏡だ。倭国との関係を思いめぐらさせてくれる。
ひょうきんな魏の秦琴俑と説唱俑、
豊かさを感じさせてくれる呉の扁壷・羊尊・神亭壺、
これも曹操高陵から出土した鼎、
後漢時代の金製獣文帯金具だ。これは、漢王朝が周辺部の有力者を手なずけるために贈ったとみられている。
神仙の世界を反映したと思える後漢時代の揺銭樹だ。
この他にも興味の引かれるものがたくさんあり、後漢から三国志の時代の遺産を目のあたりに見ることができ、この時代に対する知識を深めることができた。
また会場には中国人も多かった。本国でもめったに見ることができないのだろう。我々が戦国時代が好きなように、三国志が大好きな彼らにとっても心惹かれる展示だったようだ。