bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

ドライトマトを用いたラムチョップの煮込み

8月になってやっと梅雨が明けたと思ったら、いきなり耐えきれないほどの暑い日が訪れ、そのあとずっと続いている。先ごろのニュースによれば熱中症での死亡者が昨年をすでに上回ったそうだ。この暑さに耐えるために、我が家では夜中でもずっと冷房をかけっぱなしである。コロナウイルスとともに、環境保護に努めていない人類に対する警告だろう。

このような中、相変わらず不自由な生活を続けている。涼しいうちに散歩をしようと決めて、明るくなる前に起き、日の出とともに近くの川沿いを1時間近く歩く。マスクは、人と行き合うときだけ装着するようにして、近くに人がいないときは付けない。同じような考え方の人が多く、ひと頃の警戒心は薄れたようだ。

散歩中はTEDのブログを聴いている。TEDは世界的で大規模な講演会であるテド・カンファレンスを開催している非営利団体で、講演会の内容はインターネットで無料配信されている。様々な分野の人のプレゼンテーションを聴くことができるが、とくに普段聴くことができないような著名人の講演も含まれているので、とても有益なブログである。

今日聞いた中で印象に残っているのは、『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史』の著者であるデヴィッド・クリスチャンである。熱力学の第2法則は、「秩序ある状態から無秩序な状態に変化する」となっているが、それに反するように、ビッグバンが起こったあと、宇宙が誕生し、生命が生まれ、人間が出現し、複雑な社会が生み出されている。このように無秩序から秩序へと向かっているように見える複雑化の現象を巧みに説明してくれ、なるほどと納得した。また『暴力の人類史』を著わしたスティーブン・ピンカーは、その本の内容を簡潔に説明し、文明が進歩するとともに犯罪が大きく減少することを理解させてくれた。

散歩から戻ると、一休みした後、朝食の用意となる。コーヒーを湧かして、サラダを作り、その日の気分で玉子かソーセージを利用してたんぱく質の取れる料理を一品作り、パンを焼き、ホテル並みのちょっと豪華な食事を作る。これまでは朝ドラを見ながらだったが、コロナウイルスのせいで中止となっているので、ニュース番組をバックにおしゃべりをしながら食している。

朝食に使った食器を洗ったあとは静かに読書。疲れてくると字面を追うだけになってしまうので、そのようなときは10分程度軽く睡眠をとって再度の挑戦。今日は久留島典子さんの『一揆戦国大名』の中で、戦国領主となっていく過程の部分を読んだ。先日、天野忠彦さんの『室町幕府分裂と畿内近国の胎動』を読んだが、内容は詳細で史料的価値は高いのだが時代背景に関する学問的な考察に乏しく興味を持てなかった。久留島さんのは組織の変化が起きた原因を適格に説明してくれていて感心した。散歩のときに聴いた複雑化の状況が、室町時代の社会の中でも起きていることが理解できて楽しかった。

お昼は妻の担当なので、ありがたいことに、昼食までは自分の時間を十分に楽しむことができる。お昼のあとは、続けて読書をするか、Amazon PrimeあるいはWOWOWで映画を見て過ごす。今日はこのブログを書いている。夕飯は気が向けば作ることになっている。今日紹介するのは、昨日作った料理の紹介である。多くの人には珍しいと思われるであろうドライトマトを利用した料理である。これは、少し長細い形をした酸味の強いイタリア産のトマトを乾燥したもので、パスタ料理に使われることが多いようだが、今日はラムチョップの煮込みに使ってみた。

ドライトマトはちょっと手に入りにくい。今回はカルディで購入したが、あまり売れる食材ではないようで、棚の下の方、しかもその前には別の食材が置かれていて、その間に手を突っ込まないと取り出せない場所に置かれていた。以前、店員さんに尋ねてその場所を教えてもらっていたのですぐに発見できたが、そうでなければ諦めてしまいかねないところだった。

さて今回の材料は、ラムチョップ(4本)、ドライトマト(50g)、ジャガイモ(3個)、玉ねぎ(1個)、パプリカ(大さじ2杯)、塩(小匙1杯)、胡椒(適量)、酒(大さじ1杯)、マギーブイヨン(1/2個)
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それに、仲間外れにされたがオリーブ油(大さじ2杯)である。

作り方はいたって簡単で、ラムチョップの両面に焦げ目をつけたあと、野菜類と一緒に弱火でとろとろと煮込み、最後に強火にして水分を飛ばせばよい。嬉しいことに、これだけでレストラン並みの料理が出来上がる。それでは詳しい説明に移ろう。

ラムに塗り付ける香料は、パプリカ(大匙2杯)、塩(小匙1杯)、胡椒(適量)である。この日は朝食の後片付けをしたあと、香料をラムチョップにまぶし、塗り付け、胡椒をさらにまぶして、十分に味がしみ込むようにとラップをかけて冷蔵庫に保存した。
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夕方になって本作業をした。ドライトマト(50g)を熱湯に5分間つけて戻した。
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ラムチョップは冷蔵庫から取り出した。
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次は野菜の下ごしらえ。ドライトマトは1cmぐらいの幅になるようにはさみで切り、ジャガイモ(3個)は皮をむいて水に浸け、玉ねぎ(1個)は縦方向に12等分した。
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また、材料を煮るために、水(300cc)、酒(大匙1杯)、マギーブイヨン(半分2g)を用意(塩は出来上がったところで味を調整するため。今回は必要なかった)。
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鍋にオリーブ油(大さじ2杯)を入れて強火で熱したあと、ラムチョップを入れる。片面に焦げ目がついたら、ひっくり返して反対の面にも焦げ目をつける。今回はそれぞれ30秒程度だった。
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そのあと、野菜(ドライトマト、ジャガイモ、玉ねぎ)を加えてオリーブ油を絡めた。
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酒とマギーブイヨンを混ぜた水を鍋に加えて煮立たせたあと、弱火で30分間、ジャガイモが柔らかくなるまでとろとろ煮込んだ。
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強火にして水分を飛ばす。今回は5分間であった。
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お皿に盛った。
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これが今日の食卓。ワインは、南オーストラリア州マクラーレン・ベール産。ワイナリーは、ダーレンベルグ(かつてこの近くに住んでいてよく訪れた懐かしいところ)、種類はロゼ。そしてパンは自家製である。
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ドライトマトは、袋に書かれている説明に従って、熱湯につけて塩を抜いたのだが、日頃薄味に慣れているためか、しょっぱすぎると感じた。もう少し塩抜きに時間をかけた方が良かった。この点を除けば、ラムチョップは味が染みていて美味しく、ジャガイモも柔らかくほかほかで素晴らしかった。