bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

ビッグな1ポンドステーキを料理する

今年になってからあまり車を使っておらずバッテリーが上がってしまうと困るので、それを避けるため遠出の買い物をしようということになり、普段あまり使っていないスーパーを訪れた。野菜や魚を買い物かごに入れた後に物色していた肉売り場で、普段は見かけることがない分厚い牛肉を発見した。商品名は1ポンドステーキとなっている。このように厚いステーキ肉は日本ではほとんど売られていない。

分厚いステーキに最初に出会ったのはもう何十年も前のことである。アメリカに留学して間もないころにホストファミリーの方が自宅に招いてくれるという機会があった。その頃のアメリカと日本の格差は大きく、途中でドルショックがあって円が切りあがったものの、渡米したときは1ドルは360円だった。最近は円安で、海外の人に日本がチープであることが知れ渡り、たくさんの観光客が訪れてくれるが、当時の格差は今日の比ではなかった。

留学前にステーキなどは食べたことはなかったし、アイスクリームだってそのころの日本にはソフトクリームぐらいしかなかった。留学先でアメリカ人の女性におごってあげる*1からと言われて、アイスクリーム屋さんに連れていかれたときは、その種類の多さにびっくり仰天したのを今でも思い出す。

ホストファミリーの方は、夕方迎えに来てくれ、美味しい料理をと考えてくれたのだろう、自宅ではなくレストランに連れて行ってくれた。英語のメニューを見てもわからないのでお任せした。最初にサラダがたっぷり、その後にスープが出てきて、さらにメインと思ってしまうような料理が出され、おなかが十分にいっぱいになったとき、次はメイン料理が出てくるといわれてぎょっとした。ウェイトレスが運んできたものを見ると、大きなジャガイモを一回りも二回りも大きくしたような肉の塊であった。せっかく招いてくれたのだからと、一生懸命に食べるには食べたが、苦しくて死にそうだった。最後のデザートは入る余地はなく、こちらは丁寧にお断りした。

それ以来大きな肉の塊を見ると当時のアメリカの豊かさを思い出す。今日の肉はアメリカ産ではなく、オーストラリア産である。オーストラリアは日本に向けて肉牛の飼育の仕方を変えているので、我々の口にはよく合う。

今回は、肉と一緒に焼き方が記載されたレシピが置かれていたので、これを参考に料理した。手に入れた肉はこのように厚い。冷蔵庫から料理する30分前に出し、肉の温度を室温にした。焼く直前に塩2gを肉の表面にかけ、さらにオリーブ油15ccを表面に塗った状態である。

IHクッキングヒーターの温度を7にする。焼き終わりまでこの状態で、火加減をする必要はない。フライパンにオリーブオイルを入れて熱する。レシピには230℃と書かれていたが、測れないので適当に判断した。初めに脂身がある側面を1分焼く。

横に倒して、表面を再度1分焼く。

裏返してもう一方の表面を1分焼く。

さらに残った側面を1分焼く。

同じように側面、表面、表面、側面と1分ずつ焼く。




合計で8分焼いたことになる。この後フライパンから取り出し、アルミホイルに包んで3分間休ませる。

そのあと塩3ccと胡椒適当量を肉の各面にまぶす。

包丁で食べやすい厚さに切る。

スープとサラダを添えて食した。

赤身肉がとてもジューシーで、塩加減もよく、おいしくいただいた。

*1:英語で"I'll treat you."という。この表現は知らなかったので、何ですかと尋ねたらいいからついてきてと言われた。