お正月の料理にも飽きた正月8日に、例によって近くの超安売りスーパーに出かけた。我が家は、東京都に属しているのだが、遠くないところにある境川を越えると神奈川県になる。隣県側は製造関連の企業が多いことで知られていた地域だ。かつては、軒並み大きな工場が展開していたが、それらの跡地は大型のスーパーに代わっている。それでも、まだ、いくつかの大企業が残っていて、そこでは外国人の労働者がたくさん働いている。
スーパーで見かける彼らの言葉を聞いていると、南米の出身者だと分かる。中には、日本人と変わらない顔立ちの人たちも見かける。彼らの食習慣に合わせて、この大型スーパーでは、他では見かけないような大切りの肉が売られている。我々も、時々、とても大きなステーキ用の牛肉や、厚みのある豚ステーキ用の肉を購入している。
魚売り場にも、近海で取れたおいしそうな魚が、種類はそれほど多くはないが、時々売られている。この日は、いつもより多く、5種類を超えるほどの魚があった。その中に、体形の美しいメジナを見つけた。しかも、うれしいことに朝捕りで、とても新鮮だ。お刺身がおすすめだろうが、お正月料理が続いたので和食は食傷気味になっていた。もったいないような気もしたが、この日の夕飯を香草焼きで正月気分を一掃しようと考えた。
今回紹介するのは、その時のメジナの香草焼きだ。いつもの例に習って、材料たちに登場してもらおう。
とてもシンプルだ。主材料は、もちろんメジナだ。背中からお腹にかけて幅のある魚だ。ウィキペディアで調べたら、スズキ目メジナ科となっていた。タイはスズキ目タイ科なので、お互いに親戚同士なのだろう。釣りをしないのでよく知らないのだが、釣人にとっては、人気の魚だそうで、「磯釣りの王様」と呼ばれている。
副材料は、魚の生臭さを消す役割も担わせて、玉ねぎ、トマト、ニンニクだ。その他に、ローズマリー、ハーブ入り岩塩、オリーブオイルだ。
メジナは鱗と内臓を取り除く。鱗はタイのそれと比較するととても柔らかい。タイの鱗を撮るときは大根を利用するが、メジナの場合には柔らかすぎて無理かもしれないので、包丁の刃先をなでるようにして、取り除いた。また、内臓からは肉のような塊が出てきた。食べた小魚が胃の中で消化の途中だったのだろう。
玉ねぎ(1個)、トマト(1個)、ニンニク(2かけ)を細切りにする。
次の作業は、岩塩の刷り込みだ。
たまたま、旅行のお土産にもらったイタリア産のものがあったので、これを用いた。耐熱皿にメジナをのせ、まず片面にハーブ入り岩塩を小さじ半分程度刷り込み、ひっくり返して同じことをし、最後に、お腹にも刷り込む。
次の作業は野菜をのせることだ。最初に、お腹に、玉ねぎ、トマト、にんにくを入れる。
野菜の残りを魚の上にのせる。
200度にしたオーブンで30分ほど焼く。
そして、食卓に供する。
この日は、コーンスープも作った。美味しい西洋料理を楽しむことができ、正月気分から抜け出すことに成功した。