bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

川崎市北部の五反田川に河津桜を見に行く

私が子供のころは、桜と言えば入学式と一緒に思い浮かべる光景だった。もう何十年も前になるが、この年は桜の開花が遅れて、4月12日に入学式をする大学に進学した私は、希望にあふれた祝いの日を、綺麗に咲きそろった桜に囲まれて寿いだ。しかし近頃は、気候変動による温暖化が続き、桜が咲く時期はいつのころからか卒業式の頃となり、さらに卒業式の頃にはもう散っているという事態にまでなっている。最近は、節目の行事と一緒にというわけにはいかないようである。

日本人に好まれているソメイヨシノは今年も我々を楽しませてくれることだろう。しかし多くの場所では老木となり、名所と言われていたところでも、衰えが目立ち始めている。ソメイヨシノは江戸時代の後期に開発された品種で、今のソメイヨシノの樹木はその時の木からのクローンである。このため植えられた時期は新しいとしても、すべての木はそろそろ200歳という年を迎える。木の寿命についてはよくわからないが、ソメイヨシノはそろそろお年ではと思わないでもない。

私が住んでいる住宅地の周辺を始めとして多くの場所で、老木となったソメイヨシノを切り倒し、他の品種に植え替え始めているようである。その中でも際立って好まれているのは河津桜ではないだろうか。この桜は1955年に伊豆の河津町で発見された。当初は、河津川に沿って苗木が植えられ、いつのころからか早春の桜として皆の目を楽しませるようになった。そして評判が高まるにしたがって、あちらこちらで植えられるようになり、目に触れる機会が多くなった。

珍しいニュースがないかとブログをたぐっていたら、川崎市北部の生田でも河津桜がきれいに咲いているという記事を見かけた。そこで出かけたついでに立ち寄ってみた。小田急生田駅から線路沿いに向ヶ丘遊園駅のほうに歩いて5分ほどのところで、五反田川沿いである。

ここに25本ほどの河津桜が植えられている。



メジロも蜜を求めて飛び回っていた。


川面の河津桜も綺麗である。

花見をしているのは地元民だろうと思っていたら、日本語以外の言語があちらこちらから耳に入ってきたのにびっくり。インバウンドの人々がこのようなところまで見学に来ていることに驚いた。有名な観光地はオーバーツーリズムになっていて、普段の日本を楽しもうと思うインバウンドの人たちは、どこからか情報を仕入れて、我々にとっても珍しいところに来ているようだ。インバウンドへの認識を新たにした。