bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

カレー風味のニョッキ

昨日、近くのカルディで三色ニョッキを手に入れた。ニョッキはジャガイモと小麦粉から作られるイタリア料理だ。そこに、トマトを加えると赤に、ほうれん草だと緑になる。これを利用したのが三色ニョッキだ。

ニョッキの由来をウィキペディアで調べてみると、その語源は、「塊」を意味するゲルマン語系の単語knokkaである。もともとは小麦粉を練って作っていた。アメリカ大陸からジャガイモが持ち込まれた後、これを用いるようになったそうだ。

ニョッキを見るとすいとん(水団)を連想することが多い。すいとんは小麦粉を練って作る。ニョッキもすいとんも元々は同じものであったかもしれない。ウィキペディアによれば、すいとん室町時代書物には表れてくるそうだ。これよりも古い歴史を持っているのがそばがき(蕎麦掻き)だ。これは小麦粉の代わりにそばを用いる。同じくウィキペディアによれば、そばがきは鎌倉時代には存在したそうだ。

すいとんもそばがきもあまりいいイメージがない。特に、そばがきには悪い印象がまつわりついている。食糧事情があまりよくなかった戦後の時代に、北海道の親せきから暮れになると半端でない量のそば粉が送られてきた。そばにでもと思って送ってきたのだろうが、そばの打ち方を知らない両親は、そばがきにしてくれた。一日か二日ならばおいしいと思ったのだろうが、何日も続けて食べさせられると、見るのも嫌になった。

すいとんも同じように何もない時に食べさせられた記憶があるので、すいとんもそばがきも出会いたくない料理だ(同じような理由で母は戦時中にこればかり食べさせられたというカボチャが嫌いだった)。

すいとんやそばがきを連想させるニョッキはこれまでは避けていたが、赤や緑の色が醸し出す茶目っ気さがこれまでの抵抗感を和らげてくれ、料理に使うことにした。

ニョッキが主張しすぎると、すいとんやそばがきにまつわる芳しくない思い出が呼び起こされるだろうから、少し強い味にしてみようと考え、カレー風味にすることとした。幸い、中村屋のカレー粉が冷蔵庫にしまってあるので、ちょっと高級なカレー味になるようにということで料理を始めた。

今日の食材の仲間たちは、次のとおりである。中央、左側に控えているのが、今日の主役の三色ニョッキである。そして、右側には脇役のシイタケとベーコンである。残りの連中は種類は多いが全て味付け役だ。
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まずは、イタリア料理の定番、ニンニク(2かけ)をオリーブオイル(大匙2杯)で炒める。弱火でニンニクの焼けたにおいが出てくるまで続ける。
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その後、ベーコン(100g程度)とシイタケ(2個)、さらに、日本酒(大匙2杯)を加えて、中火にして軽く炒める(本当は白ワインを使いたかったのだが、生憎、持ち合わせていなかった)。
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次に、牛乳(200CC)、カレー粉(大匙1杯)、パプリカ、クミンハウダー、塩、コショウ(それぞれ少々)を加えて、中火で煮詰める。
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鍋にお湯を沸かし、沸騰したところで、塩(大匙1杯)を加える。そして、三色ニョッキを鍋に入れ、水面に浮かび上がってくるまで煮立てる(大体3分程度)。
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ニョッキを網ですくって皿に移す。
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カレー風味をニョッキの上に注ぐ。
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イタリア料理らしくするために、イタリアンパセリとパルミジャーノを用意する。
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これを料理の上にパラパラとふってできあがりだ。
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食卓にはこのような感じで登場した。
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悪い思い出がよみがえることもなく、おいしくいただけた。