bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

豚肉のシードル煮込み(北フランスノルマンディー地方)

横浜の港北ニュータウンにあるノースポートを訪れたとき、ブルーミング・ブルーミーというスーパーマーケットでシードルを発見した。

シードルは、フランスのノルマンディー地方のお酒で、ブドウの代わりにリンゴを発酵して作られる。シードルを知ったのは、2年前の記事で紹介したが、北フランスを訪問したときだ。モン・サン・ミッシェル近くのレストランで飲んだのが最初で最後である。

シードルのスペルはCidreである。英語読みだとサイダーになる。日本でサイダーというと生鮮飲料水を意味するが、本来は、リンゴ酒である。サイダーという名をさけ、シードルという看板の下に小さなコーナーを設けて幾種類かを販売していた。

シードルを利用して煮込み料理でも作ろうと思って、キリン製のハードシードル(290ml)を220円で1本だけ購入した。料理用だけでなく、飲食用にもう1本買えばよかったなあと後で思ったがこれは後の祭りである。シードルには、発泡性のものとそうでないものがあるが、ハードシードルは発泡性である。

シードルの煮込み料理が、堤人美著『材料入れてのんびり煮るだけレシピ』で紹介されていたので、これを参考に試みた。

例によって、今日の料理の仲間たちを紹介しよう。
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料理に先だって、豚肉は、ヒレかたまり(250g)を1.5cmの間隔で切り、塩、胡椒をして、白ワイン(50cc)をかけ、味付けをしておく(白ワインは塩と胡椒の後ろにあるが、隠れている)。
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夕飯の時間が近づいたら下ごしらえである。玉ねぎ(1個)をみじん切りにし、マッシュルーム(小型のビニールケース入り1箱、今回は9個入っていた)を2等分する。
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豚肉に薄力粉をまぶす。ビニール袋に薄力粉を入れ、さらに豚肉を加え、ビニール袋を振り回すと豚肉の表面にキレイに薄力粉が付着する。
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中火にして、フライパンにバターを(小さじ1杯)を引き、豚肉のそれぞれの面を1分半ずつ焼く。
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煮込み用の鍋に玉ねぎ入れ、さらに、豚肉を味付けしたときの汁を加えて、中火で10分ほど蓋をして蒸し炒めする。
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煮込み用鍋に、表面を焼いた豚肉、半分に切ったマッシュルーム、シードル(290cc)、ローリエ(1枚)、マギーブイヨン(固形1個)を加える。
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蓋をして、中が温まるまで中火で、その後、弱火にして30分ほど煮込む。
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塩、胡椒を加えて味を調え、さらに弱火で10分ほど煮込む。

サラダ、スープとともに食卓に並べた。
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出来上がった豚肉のシードル煮込みは、シードル、たまねぎ、マッシュルームの味が肉にしみ込み、少し歯ごたえのある固さで、水分も程よくあっていい味であった。また、スープの方はリンゴの酸味なのだろう。酸っぱい感じがした。今のリンゴはとても甘いので昔のリンゴの名残がほとんどないが、かつてのリンゴは顔がゆがむほど酸っぱかった。この煮込みは、さすがにそこまでの酸っぱさはなかったが、口の中でほのかに感じられ、懐かしさがよみがえってきて、美味しかった。