bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

伊東丸山公園で紫陽花を楽しむ(7月11日訪問)

地元の歴史研究会の秋の例会で縄文時代の家族システムについて説明することになっている。その準備作業をするために伊豆に逗留することが多くなってきた。インターネットも使えないような山の中で、小鳥の鳴き声を聞きながら緑の木立に囲まれリクライニングチェアを揺らしながら図書館から借りてきた書籍を読み漁っている。期待外れの本がないわけではないが、素晴らしいなと思わせてくれるものの方が多い。
最近読んだ本の中では、ジョナサン・ハイト(Jonathan Haidt)の「社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学(The Righteous Mind: Why Good People are Divided by Politics and Religion)」でその構想力の大きさに感嘆した。彼は、人間には生得的に与えられた6つのモラル基盤(Moral Foundations)があり、これらにより社会規範が作られていると主張している。どの社会規範が好きなのかはそれぞれの人のそれぞれのモラル基盤の強弱によるといっている。例えば、リベラルな人は6つのモラル基盤の中で「ケア」を大事にし、リバタリアンと呼ばれる人は「自由」を大切にすると説明している。
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ハイトのモラル基盤とエマニュエル・トッドの家族システムを利用して、縄文時代の社会がどのようになっていたかを読み解こうともがいているときに、内容は忘れてしまったが何とも薄気味悪い夢を見て真夜中にもかかわらず目覚めてしまった。重い気分の中で何となく耳に違和感を覚えたのもつかの間、奥の方で激しい痛みを感じた。東京に戻ることは難しそうなので、地元の耳鼻科にかかろうということで痛みに耐えながら夜が明けるのを待って、最も近い耳鼻科といっても逗留している場所から20kmも離れている病院に駆け込んだ。

中耳炎になっていると説明を受け、鼓膜を切開した方が直りが早いといわれ、「お願いします」と答えてしまった。麻酔をするから痛くないだろうとたかをくくったのがいけなかった。麻酔液を点耳して10分間待つ。これで終わりだ。外科や歯医者と違って麻酔が効いているかどうかを確認しない。麻酔が効いてないのではという嫌な予感がする。ちょっと我慢してといわれて長い針のようなものを刺される。「ギャ」と言いたいところなのだが歯を食いしばって耐える。その後、膿を吸い出してもらう。最後に、チューブを入れますといわれた。これは予想していなかったことだが、これから耳だれがたくさん出てくるので、それを通すための管ということだった。この挿入もまた痛い。しかし、これで耳の激しい痛みも治まれば報われると前向きに考えて、素直に治療を受けた。

その後、通院を続けている。珍しく妻が伊豆に滞在したときに、少し時期遅れになったが紫陽花の綺麗な場所を探して梅雨時の一日を楽しむこととした。伊東の近くの丸山公園はまだ大丈夫だという情報を得てそこを訪れることにした。

丸山公園は伊東駅から歩いても20分くらいのところにある。伊東の市街地は伊豆急行線の海側の方に開けているが、丸山公園は山側の方にある。携帯のナビを使っていつ着くのかと不安になりながら小沢川沿いの細い坂道を登って行く。住宅街が切れたころ公園の入り口にようやくたどり着いた。
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丸山公園は大平の森ハイキングコースの入り口にもなっている。
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公園の入り口から少し入るとそこは渓谷の世界である。
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沢に沿って紫陽花が植えられている。
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ハイキングコースに沿っても綺麗に咲いている。
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山百合も負けじと咲いていた。
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水辺にも橙色の花(ヒメオウギズイセン)が咲いていた。
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丸山公園は梅や桜や紅葉の名所でもあり蛍も飛び交う場所なので、来年もまた訪れて見ようと決意して来た道を引き返した。