bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧

新玉ねぎのポタージュ・リエ

先日、六義園を見学した帰り、印象に残る一皿に出会った。白いスープだった。スープといえば深いカップに入っているものだと思い込んでいたが、ここでは平たい乳白色の器が使われていた。縁は広く、その上に花模様のような装飾が施されている。よく見るとそ…

花の下、ひとむかし――恩田川桜記

昨日のニュースによれば、東京では桜が満開になったという。今日はよく晴れている。家の近くの桜もさぞ見頃だろうと思い、このあたりで名所といわれる恩田川へ出かけてみた。川へ向かう道路も、両側が桜並木になっている。満開ともなれば枝が空を覆い、淡い…

ユートピアを夢見た世紀――デロング『20世紀経済史』と21世紀への問い

最近の世界情勢は先行きが見えず、将来に希望を持ちにくいと感じている人が多いように思う。戦後世代の人たちが集まると、「若い世代は大変だね。それに比べて、自分たちは最も恵まれた時代に生きたのではないか」という声をしばしば耳にする。確かに20世紀…

横浜の弥生時代の遺跡「大塚・歳勝土遺跡」と横浜のハイカラな街「馬車道散策」のガイド用パンフレットの作成

ある大学の生涯教育で知り合った仲間たちから、横浜の名所を案内してほしいと頼まれた。依頼は別々のグループからで、一方は弥生時代の集落と墓の遺跡である「大塚・歳勝土遺跡」、もう一方は横浜開港後に発展したハイカラな街「馬車道」の案内である。いず…

染井から飛鳥山へ ― 桜の季節の散策

日本人は、やはり桜が好きである。開花の時期がいつになるのか、人々は競うように予想を立てる。そして開花が始まると、今度は満開がいつ訪れるのかが気になって仕方がなくなる。もっとも、この時期は季節の変わり目で気候が安定しない。雨の日も多い。雲ひ…

一足早い春を訪ねて ― 南足柄の春めき桜

この時期の話題といえば、やはり桜の開花である。天気予報士たちも、天気そのものの説明はほどほどに、桜の開花日を当てることに熱心だ。中には、これまでの予想的中率を誇らしげに語る人までいる。今年の東京の開花日は19日(木曜日)だった。先ほどテレビ…

五反田川の河津桜を訪ねて

一、二週間ほど前、濃いピンク色が印象的な河津桜のニュースがあちらこちらで流れていた。しかしこの頃はいくつか行事が重なり、出かける機会を逃してしまった。もう見頃は過ぎてしまったのではないか――そう思いながらも気になり、川崎市生田を流れる五反田…

飛鳥後期を歩く――終末期古墳と王権表象の転換

「大阪・奈良へ古代を訪ねる旅」の最終日は、七世紀末ごろの墓制をたどる行程となった。飛鳥時代中期から後期は、日本の古代国家が形成されていく激動の時代であった。乙巳の変、白村江の敗戦、壬申の乱――立て続けに起こった政治的危機を経て、天武・持統朝…

飛鳥前期を歩く――国家形成の現場へ

今回の「大阪・奈良へ古代を訪ねる旅」は、二泊三日の行程であった。今回の旅では、飛鳥という空間がどのように国家形成の舞台となったのかを、現地の遺跡を歩きながら確かめることを目的とした。二日目に前回の記事で紹介した百舌鳥・古市古墳群を訪れ、初…

巨大古墳は何を語るのか ― 百舌鳥・古市古墳群と門閥氏族の競合

小学生の社会科で「大阪には巨大な古墳がある」と教わって以来、百舌鳥・古市古墳群には長く関心を抱いてきた。しかし実物を訪れる機会は得られないまま年月が過ぎ、今回、奈良・大阪へ古代を訪ねる旅に出て、ようやく念願を果たすことができた。ところが、…