bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧

芝ざくらからネモフィラへ――北関東春景を訪ねて

北関東の花めぐりも二日目を迎えた。今回は旅行会社が企画したツアーに参加しての旅である。ツアーの楽しみはもちろん名所旧跡の見学にあるが、参加者を観察するのもまた面白い。古墳巡りのようなマニアックな旅では一人参加の人も多く、共通の話題もあるた…

花と歴史をめぐる北関東春紀行

穀雨のこの時期は、雨さえ降らなければ暑くも寒くもなく、旅をするにはちょうどよい季節である。妻の長年の希望もあり、足利へ藤を見に行くことになった。この時季の藤はたいへんな人気で、目的地にたどり着くまでが一苦労だという。こうした場合、最も手軽…

生成AIに短編小説を書かせてみた

生涯学習を本格的に行っている大学で研究生たちの中間発表会があり、知人も発表するというので聴講した。研究生の多くは社会人として長く活躍した後、人生の次の段階を設計するために学び直しており、取り上げられるテーマもシニア世代の課題が中心であった…

穀雨のころ、牡丹を訪ねて

テレビの天気予報を見ていたとき、この時季は「穀雨」と呼ばれることを知った。二十四節気の一つで、一年を二十四等分し、春夏秋冬の移ろいを細やかに示す暦である。立春、夏至、秋分、冬至など生活に根付いた節気もあるが、穀雨を知っている人はそれほど多…

一通のメールが導いた遺作展

広島の友人から突然メールが届き、彼の元同僚の遺作展が開かれているので、よければ鑑賞してみてはどうかと誘われた。展示はすでに始まっており、残りはあと二日しかなかった。添付されていたパンフレットには、CDケースの内側に絵を描いた作品だと記されて…

山内進著『北の十字軍』を読んで――知られざるもう一つの十字軍

十字軍という言葉は中学校の社会科でも扱われる、よく知られた歴史用語であるが、「北の十字軍」と聞くと多くの人は首をかしげるであろう。私自身もその一人であり、不思議に思って手に取ったのが本書である。高校で扱われる内容であったのかとも考えたが、…

名残の春を歩く――三輪緑山の八重桜

今年はずいぶんと桜を楽しむことができたが、この時期になると、名残を惜しむかのように八重桜が盛りを迎える。市の広報紙を眺めていたところ、普段利用している駅を起点に、この周辺の八重桜を巡るウォーキングが紹介されていた。どのような道筋なのかは分…

地図と日記が語る図師村――江戸時代の村を歩く

まだ四月だというのに、一昨日は静岡市で30度を超え、東京でも26度に達した。世界の政情も、この気候の異常さに負けず劣らず大きく揺れ動いており、心の休まる日が少なくなっている。そのような折、地図と日記から江戸時代の村の姿を考えるという企画があっ…

加曽利貝塚を訪ねて――縄文の時間に触れる旅

春は移ろいやすいというが、今年はとりわけ天気の変わり方が激しく、晴れの日が二日続くことはほとんどない。落ち着かない空模様に合わせるように、私の気持ちもどこか定まらず、あらかじめ計画を立てて出かける気にもなれない。それでも、朝起きて窓の外に…

ピーター・ゼイハン著『「世界の終わり」の地政学 野蛮化する経済の悲劇を読む』をよみおえて

本書は、戦後世界を支えてきた国際秩序が崩れたとき、世界がどのような姿になるのかを率直に描き出した衝撃的な書物である。20世紀後半に成立したグローバルな秩序は、私たちが思っている以上に脆弱な基盤の上に成り立っており、その前提が失われたとき、世…

春を蒸す玉ねぎ

新玉ねぎを見かけることが多くなってきた。通常の玉ねぎは茶色い皮をまとい、一年中店頭に並んでいるため、どこか控えめな存在である。それに対して、農協で手に取る新玉ねぎは、白い皮にうっすらと畑の土が付着し、青い茎の部分まで残っていて、なかなか野…

梨の花の散歩道

横浜にも、まだこんな静かな風景が残っている。私がよく散歩する場所は、横浜北部に広がる、のどかな農園地帯である。中央を川が流れ、子供の国へ向かう二両編成の電車が、子供たちの夢をのせて田園地帯をゆっくりと進んでいく。子供の頃には東京近郊でもよ…