bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

伊豆半島ジオパーク ー 城ケ崎を訪れる

28日(月曜日)に伊豆半島の城ケ崎を訪れた。この半島は今年4月18日にユネスコから「世界ジオパーク」に認定された。伊豆半島は、フィリピン海プレートにのって南の方からやってきた火山島が日本列島にくっついて生まれた。火山によって作り出された地形が地質学上の様々な知見を与えてくれる重要な資源を有している。

これまでに、世界ジオパークとしてユネスコから認定されている地域は、糸魚川山陰海岸など8ヶ所あって、伊豆半島は9番目となる。今回訪れた城ケ崎も、伊豆半島ジオパークに含まれるエリアの一つだ。

城ケ崎を訪れたきっかけはジオパークに指定されたからではない。前の日に夕食を取ったイタリアン・レストランで、たまたま読んだ地元の伊豆新聞に、「城ケ崎あじさい」がきれいに咲いているというニュースが載っていたことによる。実は、伊豆半島世界ジオパークに指定されたことを、城ケ崎でその掲示を見るまでは知らなかった。連休に訪れたときも、ジオパークの看板がやけに目立つぐらいにしか感じていなかった。

前日は抜けるような青空であったが、屋外を歩くには暑すぎた。城ケ崎を訪れたこの日は、薄曇りで暑くもなく寒くもなかったので、野外を楽しむには適していた。向かった先の「ニューヨークミュージアム&フラワーガーデン」は、昨年の暮れにリニューアルオープンした。それまでは、「伊豆四季の花公園」と呼ばれていた。

リニューアルに伴って新たに開館したのが、「ティファニーミュージアム」だ。ここには、ティファニーランプやステンドグラスが飾られている。
f:id:bitterharvest:20180531135336j:plain
f:id:bitterharvest:20180531135356j:plain

ミュージアムの外はカフェになっているので、コーヒーを飲みながら城ヶ崎海岸の景色を楽しむ。右側の海岸線の先には城ケ崎の灯台が見える。
f:id:bitterharvest:20180531135421j:plain

左側の海岸線は蓮着寺のほうだ。突端を越えた先には日蓮上人が置き去りにされたといわれる俎岩があるが、ここからは見ることができない。
f:id:bitterharvest:20180531135436j:plain

ミュージアムを後にして、今日の目的であるあじさいを見に行く。その途中にジオスポットがあった。口上書きは以下の通り。
f:id:bitterharvest:20180531135507j:plain

そして、ジオスポットは、
f:id:bitterharvest:20180531135536j:plain

あじさい苑に入ると、最初に出会うのが城ケ崎あじさい。
f:id:bitterharvest:20180531135552j:plain

そして、沢山のあじさいを楽しむことができる。
f:id:bitterharvest:20180531135615j:plain
f:id:bitterharvest:20180531135630j:plain

ニューヨークミュージアム&フラワーガーデンに別れを告げて、門脇吊橋へと向かう。
f:id:bitterharvest:20180531135647j:plain

いつもはここで戻るのだが、今回はさらにその先の「ぼら納屋」まで歩を進めた。途中には、黒船防備のための砲台の跡がある。こんなので防備は大丈夫だと思ったのだろうか。黒船とまともに交戦しなくてよかったといまさらながら感じる。
f:id:bitterharvest:20180531135712j:plain

海岸線に沿って上り下りしているうちに、ぼら納屋につく。この納屋は1627年に紀伊家によって建築され、徳川幕府からの保護を受けてぼら漁業がおこなわれた。ぼら漁業は昭和39年まで続けられていたが、後継者不足とぼらの減少によって絶えたそうである。この納屋は当時の様子を残すために復元され、食堂として利用されている。
f:id:bitterharvest:20180531135735j:plain

このあと戻って、日蓮上人ゆかりの蓮着寺を訪れた。この寺は、日蓮を開祖とする法華宗に属し、1508年に開山された。
f:id:bitterharvest:20180531135846j:plain

俎岩の日蓮上人。日蓮鎌倉幕府を批判したために、1261年に伊豆に流罪となり、1263年に放免となるまでこの地にとどまった。
f:id:bitterharvest:20180531135906j:plain

天然記念物ののヤマモモ。国内最大を誇っている。
f:id:bitterharvest:20180531135938j:plain

今回歩いたエリアは、城ケ崎ピクニカルコースと呼ばれている。城ケ崎の海岸線に沿って、複雑な海岸線を登ったり下ったりする。海に近づいたり離れたりするので、角度を変えて風景を楽しむことができる。溶岩が流れ出て形成されたごつごつした海岸線や、浸食によって削られた深い谷があったりして、楽しませてくれる散策路だ。ニューヨークミュージアム&フラワーガーデンは地図には示されていないが、海洋公園の右隣だ。
f:id:bitterharvest:20180531150254p:plain

散策路に沿って、地質学的な特徴も丁寧に説明されているので、勉強になる散策路でもある。城ケ崎ピクニカルコースは蓮着寺の先で、城ケ崎自然探求路へとつながっている。さらに、地質学を学びたいときは好都合だ。この学問に興味を持った時に改めて訪れようと思っている。