bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

随伴関手の応用 - 写像対象としての随伴関手

8.4 写像対象としての随伴関手

写像対象は次のように定義される。

対象射
\begin{eqnarray}
eval : B^A \times A \rightarrow B
\end{eqnarray}
を有する対象\(B^A\)が写像対象であるとは、任意の対象\(X\)と射\(g: X \times Y \rightarrow B\)に対し、射
\begin{eqnarray}
h : X \rightarrow B^A
\end{eqnarray}
で次の図式
f:id:bitterharvest:20180711091253p:plain
を可換にするものが一意的に存在するときを言う。

それでは、これを随伴関手として表したのが下図である。
f:id:bitterharvest:20180711091303p:plain

これは証明を必要とする。一つは、写像対象である時、上記の随伴関手による可換図式が得られることを、もう一つは、上記の随伴関手による可換図式が得られた時、写像対象になっていることを示さなければいけない。これらの証明は、積の時に用いた証明を用いれば容易に行うことができるので、ここでは、省略する。

8.5 余積としての随伴関手

余積は積とは双対関係をなすので、下図に示すように、随伴関手を用いて表すことができる。
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証明は読者が行ってください。