ジョージアのワイン
ジョージアワインの本を読んだことで、ワインと料理に関する知識を深める貴重な機会を得た。そこで、他の資料も参考にしながらまとめてみた。ジョージアがワイン発祥の地のようである。その歴史は約8,000年前にまでさかのぼり、現在もクヴェヴリ製法と呼ばれる伝統的な技術を用いたワイン造りが続いている。この製法は、2013年にユネスコの無形文化遺産として登録され、世界的に高く評価されている。
しかし、ソ連時代には画一的な大量生産が奨励された結果、伝統的なクヴェヴリ製法は衰退し、消滅の危機に瀕した。この時代、ワイン造りは効率重視のスタイルに移行し、ジョージアの誇る固有の製法は一時存続が危ぶまれた。しかし、1991年のソ連崩壊によるジョージア独立を契機に、この伝統技術は復興を遂げた。
このように、ジョージアワインは長い歴史を持ちながらも、時代の変遷を経てルネサンス(再生)を果たし、国が誇る伝統として受け継がれている。
クヴェヴリ製法の特徴と製造工程
クヴェヴリ製法は、ジョージアの伝統的なワイン醸造技術であり、素焼きの壺(クヴェヴリ)を使用することが最大の特徴である。地中に埋められたクヴェヴリの中でワインが自然発酵と熟成を経て、独特の風味が生まれる。
クヴェヴリ製法によるワイン造りのプロセス
1.圧搾と準備
ブドウを木桶の中で踏み潰し、果皮・果肉・種を含めてクヴェヴリに投入する。この工程でブドウの豊かな風味が抽出される。
2.自然発酵
クヴェヴリの中で自然発酵が始まり、地中に埋められていることで温度が一定に保たれる。この環境が発酵を安定させ、ワインに深みのある味わいをもたらす。
3.熟成と濾過
約5〜6か月後、ワインを別のクヴェヴリへ移し、自然濾過を施すことで不要な不純物を取り除く。
4.瓶詰めまたは追加熟成
最終段階では、さらに熟成を続けるか瓶詰めして完成。熟成期間に応じて風味が変化し、より洗練されたワインへと仕上がる。
ジョージアには500種類以上の固有のブドウがあり、ルカツィテリ(白)やサペラヴィ(赤)が有名だそうだ。また、アンバーワイン(オレンジワイン)は、白ブドウを果皮や種とともに発酵させることで、琥珀色のワインができ、ドライアプリコットやナッツ、スパイスのような独特の風味が楽しめるそうである。
ジョージアの料理
ジョージアの料理は、スパイスやハーブを活用した風味豊かな料理が特徴である。代表的なものに、①ヒンカリ(肉汁たっぷりのジューシーな味わいのジョージア風の小籠包)、②ハチャプリ(チーズ入りのパンで、特に「アジャルリ・ハチャプリ」は卵とバターを混ぜながら食べる)、③シュクメルリ(にんにくとクリームソースで煮込んだ鶏肉料理)、④オジャクリ(シンプルながらも深い味わいの豚肉とジャガイモを炒めた料理)、⑤ハルチョー(スパイシーな風味が特徴の牛肉と米を煮込んだスープ)などがある。
母の日に、日頃の感謝の気持ちを込めて、妻のためにジョージア料理に挑戦した。今回作ったのはシュクメルリ。この料理は、ニンニクとクリームソースで鶏肉を煮込む、濃厚でコクのある一品である。実はシュクメルリは、日本では牛めしチェーンの松屋が期間限定で販売したことで広く知られるようになった。その独特な風味が話題となり、多くの人がこのジョージアの郷土料理に興味を持つきっかけとなったようである。
シュクメルリの材料(2皿分):
鶏肉(もも・皮つき) 1枚
シチューミクスクリーム 2皿分
塩 少々
コショー 少々
玉ねぎ 中1/2個
さつまいも 中3/4本
生にんにく 小さじ2
サラダ油 小さじ1
牛乳 300ml
バター 10g
レモン汁 小さじ1
溶けるチーズ 50g
パセリ(みじん切り) 少々

レシピ
1.鶏肉を一口大に切り、軽く塩、コショーを振る。玉ねぎを薄切りにする。


2.さつまいもを一口大に切って、水にさらす。水気を切って耐熱性の容器に入れ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで約4分を目途にして、柔らかくなるまで加熱する。


3.フライパンにサラダ油を熱し、(1)の鶏肉を皮面から入れて焼き色がつくまで両面を焼く。

4.玉ねぎ、にんにくを加えてさらによく炒める。牛乳とバターを加え、沸騰したら弱火で約5分煮る。


5.いったん火を止めた後、ルウを少しずつ振り入れて溶かす。(2)のさつまいもを加え弱火でとろみが出るまで時々かき混ぜながら約5分煮る。

6.火を止め、レモン汁を加えて混ぜ、チーズを加える。器に盛りつけ、パセリを振る。

ワインは、GEORGIAN LEGEND(ジョージアンレジェント) MW-GL1 ジョージア原産白ワイン RKATSITELI QVEVRI (ルカツィテリ・クヴェヴリ 白 750mL)である。商品は白ワインとなっているが、ワインのラベルにはオレンジワインと書いてある。また、このワインの特徴は次のように説明されていた。このワインは、ドライフルーツとバニラの活気に満ちた柔らかなアロマを備えた独特の豊かな味わいを提供する。金色のような琥珀色。干しイチジクとレーズンのエレガントさが味覚を引き起こし、ローストアーモンドの豊かな風味に発展する。滑らかで繊細な味わいに、上質なタンニンとバランスの取れた酸味があり、心地よい長い余韻が続く。サラダ、肉バーベキュー、その他のコーカサス地方料理と中央アジア料理の肉料理に最適である。

子供たちが母の日にとプレゼントしてくれた花と並べる。

感想
今日飲んだオレンジワインは、これまで親しんできたワインとは大きく異なり、独特の苦みと個性的な風味が際立っていて、そのクセの強さに少し驚かされた。飲み慣れることで、その独特の味わいを楽しめるようになるのかもしれないが、今回は少し抵抗感があった。それでも、このユニークなワインの個性に触れたことで、新たな味の世界を知る良い機会となった。
その日の夜、「世界の果てまでイッテQ!」というテレビ番組でシュクメルリが紹介されていたと聞き、興味を持ってTVerで早速視聴してみた。そこで見たレシピは、ここで用いたものとはかなり異なり、にんにくの量が驚くほど多かったのが印象的だった。また、さつまいもやチーズは使用されていなかった。そして、Webで紹介されているシュクメルリは、日本風にアレンジされたレシピであることが分かった。そのためか、今回作ったものは舌に馴染みやすくとてもおいしく感じられた。次の機会には、本場ジョージアのスタイルに忠実なレシピを試してみようと思う。
最後に簡単にジョージアの説明をしておく。この国は、ユーラシア大陸の南コーカサス地域に位置する共和制国家で、首都はトビリシである。黒海に面し、北はロシア、南はトルコ、アルメニア、東はアゼルバイジャンと接している。面積は日本の1/5、人口は400万人弱ととても少ない。公用語はジョージア語でジョージア文字を用いる。歴史は次のようである。①紀元前6世紀に西部にコルキス王国が成立(ギリシャ神話の「黄金の羊毛」の伝説の舞台である)、②4世紀にキリスト教国となりジョージア正教会が形成、③11~13世紀にかけてジョージア王国の最盛期を迎えて文化が繁栄、④1801年にロシア帝国に併合、⑤1991年にソ連崩壊に伴い、ジョージア共和国として独立した。