bitterharvest’s diary

A Bitter Harvestは小説の題名。作者は豪州のPeter Yeldham。苦闘の末に勝ちえた偏見からの解放は命との引換になったという悲しい物語

御殿場線山北駅で桜並木を楽しむ

今年は、桜が開花してから、暖かいというよりも暑い日が続き、あっという間に満開となってしまった。まごまごしていると、良い時期を失ってしまいそうだ。今日(29日)も天候に恵まれたので、少し遠くでさらにマニアックだが、御殿場線山北駅に出かけた。

山北町は神奈川県西部の丹沢山地にある町だ。人口は1万人強。山北駅明治22年に開業している。現在は、御殿場線だが、かつては東海道本線の主要な一駅であった。昭和9年丹那トンネルが開通すると、御殿場線という地方路線の一つの駅になった。

山北駅へは、小田急線で新松田まで行き、御殿場線松田駅を利用した。
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松田駅から山北駅までは2駅だ。ただし、列車は1時間に1~2本とまばらだ。いつもは乗客は少ないのだろうが、今日は、同じ目的を抱いている人が多く集まっているようで、ホームではかなりの人が列車を待っていた。

昼間はワンマンカ―なので、駅員が常駐していない山北駅では2両連結の先頭車両の一番前のドアーからしか降りることができない。いつもはスムーズに降りられるのだろうが、今日は降りる人の列が延々と続いた。列車が出発する前にホームのはずれに行き、桜並木に向かう列車を撮影できるように構える。橋の上にもこの瞬間を目指してカメラマンたちが構えている。
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駅の周辺は公園になっており、D52型蒸気機関車が展示されていた。
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御殿場線は、山北駅から西側の方は掘割になっている。底を列車が走り、土手に沿っておよそ130本の桜並木がある。
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土手には野草も咲いていて、楽しみを高めてくれる。
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でも、ここに来た目的は列車と桜並木を一緒に撮ることだ。多くの人も列車の時刻表を見ながら、今か今かと待っている。我々もその仲間に入って、機会を狙った。
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もう少し待つと特急列車が通るのだが、お腹もすいてきたので山北駅を去ることにした。懐かしい赤いポストにも別れを告げた。
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手元に大正14年の時刻表があったので、当時の東海道本線の様子を調べてみた。東京発の特急列車は2本で、この頃は愛称で呼ばれていない。特1、特3となっている。特1は一等車・二等車のみだ。東京駅を8:45に出発し、横浜、国府津だけに停車した後、山北には11:02に到着する。ここからは勾配のきつい区間になるため、補助機関車を接続して、次の沼津駅へと向かう。

現在、御殿場線には新宿発のふじさん1,3,5号の特急電車が運行されているが、山北には停車しない。ふじさん3号は、新宿を10:40に出発し、松田に11:58に到着し、所要時間が半分になっている。蒸気機関車から電車へと変化し、時代の流れを感じさせられるが、時々は、山北駅D52型蒸気機関車を走らせてくれたらと思う。